症例写真をきれいにトリミングする方法

一眼レフを持つ女性

症例写真のように複数の写真を並べて比較したい場合は、写真の構図やバランス、比率が揃っていると、比較がしやすくなります。

しかし、決められた構図や使用サイズをイメージして撮影したつもりでも、撮影終了後にすぐ次の施術が控えているなど、急いで撮影しなくてはいけないことも多く、写真撮影が終わってから「もっとこんなふうに撮ればよかった」と後悔することもあるのではないでしょうか。

また、全体を撮影するほかに、ある部分のアップも撮らせてほしいなど、複数の写真の撮影をお願いしたために、お客様にご負担をかけてしまったことはありませんか。

ほかにも様々な理由で、不本意な構図しか撮れないこともありますよね。 写真加工をしてしまうと虚偽になりますが、加工ではなく構図変換ができるトリミングを使って、うまく撮影できなかった症例写真でもきれいに見せる方法をご紹介します。

必要な部分だけを残すことができるのがトリミング

「トリミング」とは、画像(写真)の一部を切り取り、必要な部分だけを残すことです。トリミングによって、同じ画像でも見た時の印象が変わります。余計な情報を省き、画像の中で伝えたい部分に絞ることができるトリミングは、症例写真にも有効です。

「トリミング」という言葉は、犬の「トリミングサロン」などで聞いたことがあるのではないでしょうか。犬のトリミングは、犬の毛をカットする時に使われますから、「トリミング」は「切り抜き」と呼ばれることもあります。

トリミングでこんなに変わる画像の印象

トリミングを駆使することで、画像の縦横の構図を変えたり、必要な部分だけを切り抜いて、元の画像の一部だけを意図的に使ったりすることができます。

構図を変えることができる

比較したい2枚の症例写真を、縦横の構図がバラバラなままホームページに掲載すると、統一感がなくまとまりが悪いページになってしまいます。それは、写真の縦横比(アスペクト比)には、長辺の要素が強調される効果があり、写真の縦横比が変わると同じ被写体でも写真を見た人がもつ印象が変わってしまうからです。

しかし、施術前と施術後とで構図が変わっても、必要な部分が漏れなく含まれるように撮影さえしておけば、トリミングで構図をそろえることができます。以下のトリミング例で確認していきましょう。

縦構図の写真を横構図へ
縦構図の写真を横構図へ
横構図から縦構図へ
横構図の写真を縦構図へ

別々の構図の写真をそろえることができる

やや小さめで右にずれている
やや小さめで右寄り
やや大きめでセンターに配置
やや大きめでセンター寄り

下向き矢印

上記の写真を同じ位置、同じ比率で統一
上記の写真を同じ位置、同じ比率で統一
上記の写真を同じ位置、同じ比率で統一

背景の情報を排除できる

背景に余計な情報が入っていると、背景の印象が大きく残ってしまう可能性がありますが、トリミングで余計な情報を排除することが可能です。

背景を排除
背景の情報が多い写真から余計な背景を排除

症例写真で、背景に余計な情報が映り込んでしまった場合には、施術前後の違いに目がいくように、トリミングで背景をすっきりさせましょう。

必要な部分を拡大することができる

高画質のデジカメで撮影すれば、特定部位のみを大きくトリミングして拡大することができます。顔全体の撮影をしたあと、わざわざアップを撮り直さなくてすむので、患者様に余計な撮影負担を与えません。

部分を拡大
顔のアップ写真を撮っておくことで、目元を拡大して使うことが可能

症例写真の部位別トリミングのコツ

部位によって最適なトリミング方法が変わります。また、トリミングのやり方次第で、ある特定の部位に注目させることが可能です。
ケースによって異なりますが、部位別に「これならきれいに見える」というトリミング方法をご紹介します。

顔全体のトリミング

画面いっぱいが顔だと息苦しい
×
画面いっぱいが顔だと息苦しい
顔の周囲に余白(スペース)があると安心
顔の周囲に余白(スペース)があると安心

目元のトリミング

目のまわりにスペースがあるとポイントがわかりにくい
×
目のまわりにスペースがあるとポイントがわかりにくい
目だけに集中できる
目だけに集中できる

鼻元のトリミング

アップ過ぎると鼻孔に目が行ってしまう
×
アップ過ぎると鼻孔に目が行ってしまう
鼻全体に目が行く
鼻全体に目が行く

口元のトリミング

他人からどのように見えるかイメージできるが、唇以外にも目がいってしまう
×
どのように見えるかイメージできるが、唇以外にも目がいってしまう
唇だけに注目できる
唇だけに注目できる

番外編:上手な「目隠し」の方法(ほうれい線の症例写真の場合)

ほうれい線のトリミング個人情報保護のために、目元を隠した症例写真を公開することも多いでしょう。しかし、目隠しの仕方によっては、目元がかえって目立ってしまうこともあります。

たとえば、ほうれい線の症例写真の場合であれば、目元をトリミングで外してしまえば、自然なかたちで目元を隠すことができて、ほうれい線にも目がいきやすくなります。

体のトリミング

体の写真をトリミングをする際に気をつけなくてはいけないコツは、下の図のように「関節」を外してトリミングすること。

関節をさけたトリミングのイメージ

関節でトリミングしてしまうと、不自然で不安な構図になります。首、肘、膝など、「関節」で切らないように注意しましょう。

トリミングができるソフトやアプリを紹介

トリミングをする時は、専用のソフト(スマートフォンの場合はアプリ)が必要ですが、最近はインターネット上で、無料で使えるサービスも増えています。 パソコン用のソフトやスマートフォンアプリにも無料で使用できるものがありますので、人気のものをいくつかご紹介します。

なお、2018年6月1日より、医療広告ガイドラインが新しくなり、画像に加工が施されていたり、治療前後で撮影条件が異なったりする画像は「誇大広告」に該当し、掲載ができなくなっています。トリミング以外の加工をしないように注意しましょう。

サービス名 概要 Windows Mac スマート
フォン
Photo Scape スマホやデジカメで撮影した写真を
簡単に補正・編集できる
 
JT rim 画像の加工や修正が簡単な操作で行える    
Foto Phire フォトエディター、フォトカッター、
フォトイレイサーという3つのツールを
利用して、作りたかった写真や理想的な
画像を作成できる、オールインワンの
画像編集ソフト
   
Pixar 画像の切り抜きやブラー(ぼかし)、図形や
テキストの挿入など、画像編集に便利な
機能がほぼ全て備わっている。英語表記
ではあるが、アイコンを見れば操作可能。
Photoshop(プロ用のソフト)と同等程度の
画像編集ができるので、ハイクオリティな
仕上がりを期待することができる
   
I♡IMG とにかくわかりやすく、パソコン初心者
にもおすすめ
   

Instagram

LINE Camera 

画像の加工が簡単にできるアプリ    

画像で意図することを伝えるには構図も大事

ホームページやInstagramでは、症例写真のほかに新しい機械や商品、クリニック内の様子から外出先で見つけたちょっといい風景まで、日常の様子を投稿する機会も多いはずです。
その場合は撮影した写真をそのまま掲載せず、ぜひトリミングを活用してみてください。

写真は、トリミングの仕方で説得力やイメージが変わってきます。

《トリミングなし》ごちゃごちゃして見える
×
《トリミングなし》ごちゃごちゃして見える
《トリミングあり》すっきりした印象に
《トリミングあり》すっきりした印象に

同じクリニック内の写真をトリミングのありなしで比較すると、トリミングですっきりさせると、視点が定まることがわかります。

意図することを画像で伝えるためには、トリミング以外に、どのような構図にするかも大事です。
次回は具体的な構図について詳しくお伝えします。

 

監修:フォトグラファー竹内美保