最近は、インスタグラムやLINE@などのSNSで症例写真を紹介する医療機関が増えています。また、ビフォーアフターがわかる施術写真だけでなく、ドクターの人柄が伝わるような日常のひとコマの写真や医療機関の最新情報のお知らせの投稿も見られます。
このときに注意したいのが、ただ並べているだけだとうるさい写真になってしまう可能性があることです。複数の写真が並んでいてもスッキリ感じたり、うるさく感じたりする違いはどこにあるのでしょうか。
写真の並べ方や掲載する写真によって、印象はかなり変わります。また、日常の様子を撮影する際に参考にできる写真の構図を理解することで、統一感のある写真の投稿ができるようになります。
もくじ
美容医療の症例写真や経過の様子を伝えやすいSNSは、写真の共有アプリケーションでSNS機能もある「Instagram(インスタグラム)」でしょう。
インスタグラムでは、プロフィールを見たときにギャラリーといわれる最新投稿が9枚表示されます。プロフィール画面におけるギャラリーが占める割合は大きく、アカウントの印象を左右するので、投稿する写真のテーマや写真に統一感を出すことはとても大切です。
一般に、ギャラリーに統一感がないアカウントはフォロワーが増えにくいといわれています。また、同じような写真ばかりで変化がなかったり、クリニックの宣伝の投稿ばかりが続いてしまうと、ただのPRアカウントだと思われてフォローしてもらえない可能性が高まります。
そこで、思わずフォローしたくなるギャラリーになるよう、投稿数写真に統一感を持たせながら変化をつける方法を4つ、紹介します。
「症例写真の目的と撮影で気を付けるポイント」でお伝えしたように、ピンボケせず部屋の明るさが一定しているなど安定してきれいな症例写真が撮れると、投稿写真に統一感がでます。
症例写真は撮った後、どのように使うかでお客様へのアピール度が変わってきます。せっかく綺麗に撮影できた症例写真を最大限に活用して、お客様への印象度アップや集客アップにつなげたいものです。
症例写真はパーツによって、ルールをつくっておくと統一感がでます。
縦横どちらで比較するのか、背景の色、色のついた罫線で囲むのかなど、それぞれのパーツでルールを決めておくとよいでしょう。
左側のNG例は、左右で比較したり上下で比較したり、また写真の大きさも違うので、バラバラに見えますが、右側のOK例では、比較する2枚の写真が上下の配置で統一されているのでスッキリ見えます。
美容医療にはさまざまな施術がありますので、異なる施術内容の症例写真で「トーンをそろえる」といっても難しいものがありますが、9枚で見たときに肌の色が撮影者によって違ったり、ビフォーアフターの縦横や枚数のバランスに統一感がなかったりすると、バラバラでまとまりのない印象になります。
9枚を1単位と考え、写真のトーンをそろえるようにすると、フォロワー増が期待できます。
症例写真のトーンがそろっていても、たとえば目だけなど、同じ部位だけがたくさん並んだギャラリーは、やや息苦しさを感じますので、いろいろなパーツの症例写真をバランスよく入れるようにしましょう。
また、症例写真ばかりではなく、クリニックの様子やドクターの人柄が伝わるような写真が入っていると、安心感にもつながります。
左側の見せ方は、同じパーツだけなので落ち着かず、比較する写真の枚数も2枚だったり3だったりと統一されていません。また、中央の見せ方は、色の明度や彩度、テーマ性がバラバラです。
一方、右側の写真は、写真の明度や彩度、見せ方が統一されているので見やすくスッキリしています。
症例写真のほかに、医療機関の様子やドクターの人柄が伝わるような写真を撮る時に、覚えて置くと便利なのが構図です。写真は構図によって見せたい印象を変えることができます。
画面の長辺と短辺をそれぞれ3分割する線を引き、その交点の○部分に主題(写したいもの)を置くと、美しくみせることができます。
構図を考えずに撮影した左端の写真は、すべての要素が均等で、ありきたりな風景写真になっていますが、同じ風景でも右端の写真のように三分割法で撮影すると、花畑の奥行きと臨場感が感じられる印象深い一枚になります。
画面を縦に四分割した線と対角線の交点のうち、中心をのぞいた4点のどれか(イラストの○部分)に主題(写したいもの)を置くと、おさまりのいい写真が撮れます。
同じ写真を右端の写真のように四分割法で撮影すると、奥行きが感じられて蝶と花が引き立ちます。
主題(写したいもの)を画面の真ん中に置く構図です。主題を強調したい時や、訴求力を出したいときに有効です。
左端の写真はバランスが悪く、なんとなく落ち着かない印象ですが、右端の写真のように日の丸構図で撮影すると、見せたいものがセンターにあり、力強いインパクトを与えられます。
シンメトリー(対称)に見せたいときにおすすめの構図。構図を二分割して、主題(写したいもの)をバランスよく配置します。
左端の写真はバランスが悪く不安定な印象を与えますが、右端の写真のように二分割構図で撮影すると、安定感があり、落ち着いた印象を与えられます。
上がすぼまって底辺にいくほど大きくなる、三角形のような構図です。背の高さを強調する時などにおすすめです。
左端の写真は印象に残りにくいよくある写真ですが、右端の写真のように三角構図で撮影すると、高さが感じられる印象的な一枚になります。
インスタグラムでは、ギャラリーだけでなくプロフィール画像やプロフィール欄を充実させましょう。
プロフィール画像はクリニックのロゴのほか、ドクターの写真にすると「この人が施術してくれるんだ」という安心感につながるかもしれません。当たり障りのない写真を選ぶのではなく、清潔感や信頼性が増すようなプロフィール画像にすることをおすすめします。
また、プロフィール欄では、クリニックや担当ドクターの名前、連絡先、休診日、予約方法、公式サイトなど、必要な情報をしっかりと設定するしておきましょう。
撮影・監修:フォトグラファー竹内美保