エムスカルプトの効果と痛みがあるのかを知って目指す筋肉増量と脂肪減少

微笑む女性

ウエストやヒップなどに、いつの間にかついてしまった皮下脂肪。脂肪がなくなるとスッキリしますが、ただ細いよりも適度に筋肉がついていると、健康的で引き締まったボディラインになります。

医療痩身マシンの多くは、脂肪層をターゲットとしていますが、脂肪減少の効果とともに筋肉量を増加させることができるといわれているのが、医療痩身マシンのエムスカルプト(EMPCULPT)です。激しい運動が苦手な方や、筋肉量の少ない方へも適した医療痩身マシンといわれています。

美容医療では、冷却、レーザー、高周波(RF波、ラジオ波)、HIFU(ハイフ)によって、医療痩身がおこなわれていますが、エムスカルプトではHIFEM(ハイフェム、高密度焦点式電磁)といわれるエネルギーを用いて、体の約35%を占める筋肉の深部を刺激します。

エムスカルプトを受ける前に、マシンの仕組みと作用とリスク、施術後に注意することなどを事前に理解して、より効果的な医療痩身を目指しましょう。

エムスカルプトで筋肉が増えて脂肪が減るメカニズム

エムスカルプトは、英国BTL社により開発された医療痩身マシンです。HIFEM(ハイフェム、高密度焦点式電磁)と呼ばれるエネルギーを施術部位に照射することで、1回30分の施術で、約2万回の強力な筋肉の収縮を引き起こします。ベッドで仰向けやうつ伏せの状態になって施術を受けるので、寝ながら筋肉量を増やして脂肪細胞を減少させることができるといわれています。

エムスカルプトの効果と安全性は、米国で実施された研究により立証されていて、エムスカルプトとHIFEM技術はUSPTO(米国特許商標庁)において5個の特許を取得しています。

エムスカルプトでつかわれるエネルギー「HIFEM」

エムスカルプトで使われているのはHIFEM(High-Intensity Focused ElectroMagnetic Field)といわれるエネルギー。体の断面を撮影するMRIと同じような強力な磁場(0.5〜1.8テスラ)を応用したもので、筋肉の収縮(筋収縮)を引き起こします。

電荷をもつもの同士にはたらいている力を電磁力(磁気力)といいます。そして、この電磁力の影響がある空間を磁場といいます。MRIは磁場で電磁波を照射することで、体の中の水素原子核が同じ方向を向く磁気共鳴を利用しています。電磁波の照射を切ると、水素原子核は元の位置に戻るので、その時間差を利用して各組織の断面を画像化しているのです。

エムスカルプトでもMRIと同じように磁場を利用して、電磁力で運動ニューロン(運動神経細胞)を刺激します。

なお、レントゲンのように放射線を使用するものではないので医療被曝の心配もなく、電磁波による体へのリスクはありません。

HIFEMで運動ニューロンを刺激して引き起こされる筋収縮

私たちは通常、反射的な行動以外は、運動ニューロンを伝わってきた脳からの命令によって、筋肉の収縮と弛緩を繰り返しおこなうことで動かしています。しかし、エムスカルプトは脳からの命令ではなくて、運動ニューロンに直接HIFEMの刺激を与えることで、意思とは無関係に筋肉を動かします。

神経細胞にHIFEMの大きな刺激が加わると、神経細胞の内側と外側で、プラスとマイナスの電極が逆転するので(脱分極)、神経細胞が興奮します。それによって筋収縮が引き起こされるわけです。HIFEMのエネルギーによって、超極大筋収縮といわれる強力な筋収縮がおこると、筋原繊維(きんげんせんい)が大きくなるので、筋肉の密度や体積が増加するといわれています。

筋収縮によって脂肪細胞が減少

体にある中性脂肪をエネルギーとして使うためには、遊離脂肪酸(FFA)に分解される必要があります。そして、FFAは筋収縮でつくられるのですが、HIFEMによる超強力な筋収縮によって多量のFFAが生じると、脂肪細胞内に蓄積されて脂肪細胞を破壊します。これにより、脂肪細胞はアポトーシス(細胞死)の状態になって、数週間かけて体外へ排出されるので、脂肪層の厚みが減少するとされています。

なお、エネルギーとして使われなかった中性脂肪が、内臓脂肪や皮下脂肪になります。

HIFEMとEMSとの違い

脳からの命令とは無関係に筋肉を動かす方法として、HIFEMのほかにEMS(Electric Muscle Stimulation)があります。EMSは電流で運動ニューロンを刺激して筋収縮を引き起こします。筋肉トレーニングとして使用されるほか、医療分野では障害などにより自分の意思で運動することができなくなった方へのリハビリとして使用されていますが、HIFEMとの違いは筋肉表層に作用する深さです。

EMSは皮下約1㎝の筋肉表層に作用しますが、HIFEMが作用する深さは皮下約7㎝なので、EMSの7倍深く作用することになります。

エムスカルプトによる施術可能な部位

引き締まったウエスト

エムスカルプトは、深層部の筋肉が鍛えられるので、姿勢の改善なども期待ができる医療痩身マシンです。

施術はメイクをしたままベッドに寝た状態でおこなわれます。施術部位にベルトを装着して、HIFEMを照射するマシンのパーツ(アプリケーター)を体とベルトの間に挟んで固定したら、照射スタート。

エムスカルプトは当初、腹部とヒップのみが適応部位とされていましたが、アプリケーターの開発によって二の腕と太もも・ふくらはぎへの施術も可能となりました。

  • 腹部
  • 臀部(ヒップ)
  • 太もも
  • 二の腕
  • ふくらはぎ

腹部への施術では、腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋のほか、通常のトレーニングでは鍛えることの難しい腸腰筋などの深層筋、一般的にインナーマッスルと呼ばれる筋肉へ効果的に作用します。臀部(ヒップ)への施術では運動不足や加齢など、筋力の衰えによる下垂(たるみ)を改善し、引き締まった上向きのヒップラインを目指すことができます。

ふくらはぎは心臓に血液を戻すポンプの働きをしているので、筋肉が強化されるとポンプの働きも強化されて、冷えやむくみの改善が期待できます。

二の腕の二頭筋・三頭筋、ふくらはぎといった小さな筋肉には、腹部や臀部より小型化された専用のアプリケーターを使って施術がおこなわれます。

エムスカルプトが向いている方

引き締まったヒップライン

エムスカルプトは、性別また体重を問わず施術が可能な医療痩身マシンです。ベッドに寝ているだけで、筋肉量増加と脂肪層減少を同時におこなって健康的なボディラインへ導きます。

  • ウエストにくびれを作って引き締めたい方
  • 二の腕とたるみを引き締めて細くしたい方
  • ふくらはぎを引き締めたい方
  • 腹部の皮下脂肪を減少させて美しい腹筋を作りたい方
  • ヒップアップをしたいが、トレーニングで他の部位に筋肉をつけたくない方
  • 姿勢を良くするために体幹に筋肉をつけたい方
  • 定期的なトレーニングで鍛えながら、さらに筋肉増大させたいアスリートの方
  • 運動をしたいが自発的に運動ができない方
  • 従来の脂肪だけを減少させる痩身マシンや、注射、食事制限などで十分な効果を得られなかった方
  • 筋力をつけることで運動でのパフォーマンスを向上させたい方
  • 産後の腹部の引き締めや尿ぼれを防止したい方

また、筋肉が増量することで基礎代謝が上げて太りにくい体作りを目指すことができるといわれています。

エムスカルプトの効果の持続と施術頻度

人差し指を指す女性

1週間に1度もしくは2週に1度のペースで、4回の照射を繰り返すことが1クールとして推奨されています。施術後は、筋肉痛の痛みが生じることがあります。筋肉痛は筋線維が修復中であるサインなので、筋肉痛になっていなければ、施術から3日以降に次の施術が可能です。

一般的には1クールの施術が終了後、約3〜6カ月間効果が持続するといわれています。筋肉が少ないなど体の状態で、回数を増やすことや2クール目が必要な場合もあります。

エムスカルプトの施術中の振動と痛み

施術中は3種類の振動パターンを繰り返す

照射がスタートすると、以下のようなフェーズ1~3までの刺激パターンが自動的に切り替わります。1~3の5分間の振動パターンを6回繰り返して約30分で施術終了となります。

  1. 自発的収縮(ウォーミングアップ)
  2. 超極大筋収縮
  3. 老廃物の排出(クールダウン)

照射中は、振動とともに、MRIを経験した方はわかるかもしれませんが照射音があります。

2つあるエムスカルプトの施術プログラム

スタイルの良い女性

エムスカルプトには、2つのプログラムがるので、体の状態によっていずれを選んで施術します。

電磁波のもつ周波数を変えて、筋肉増量と脂肪減少を目的としたプログラム(30Hz/38Hz/5Hz)と、筋肉増量を目的としたプログラム(20Hz/29Hz/4Hz)の2つのプログラムを実施することができます。

エムスカルプト施術の痛み

腹部への施術は腹筋をつかまれるような、ヒップは電気がビリビリ走るような痛みがあります。最初の5分程度は痛みを強く感じられまずが、徐々に軽減していきます。筋肉にアプローチする医療痩身マシンなので、筋肉量が多いほど痛みが強いといわれています。

そのため筋肉量の少ない方の場合、痛みを感じにくい傾向があるようです。施術者は細心の注意をはらって段階的にエムスカルプトの出力レベルを上げていきますが、痛みが強かったり異常を感じた際は、我慢をせずにすぐ伝えましょう。

施術後の痛みとダウンタイム

ダウンタイムは基本的にほとんどありませんが、人によっては、施術翌日から数日の間に、筋繊維を修復するする筋肉痛を感じることがあります。これは通常のトレーニングや運動による筋肉痛と同じ症状です。筋繊維の回復にはおおよそ48~72時間が必要なので、次の施術はそれ以降が推奨されています。

ただし、筋肉痛は筋肉量や筋繊維の修復に必要な時間は一人ひとり異なりますので、筋肉痛がない場合もあります。筋肉痛があったほうが効果があるというわけではなく、筋肉痛にならなくてもHIFEMで超極大の筋収縮がおこなわれることで、筋肉増加の効果が期待できます。

HIFEMのエネルギーは、運動ニューロン以外には伝わりません。そのため、内臓への悪影響や皮膚が火傷するといった、ほかの組織へのダメージがないので、ダウンタイムはほとんどないといわれています。

エムスカルプトの副作用とリスク

不安そうな女性

エムスカルプトの副作用とリスク

エムスカルプトは非侵襲的な(体を傷つけない)治療のため皮膚や内臓、その他の組織に負担を与えることはないとされています。

ダウンタイムがほとんどないとされる医療痩身施術なので、火傷・内出血・腫れや皮膚のたるみなどはありません。アプリケーターを装着した部位に赤みが生じることがありますが、当日中に自然に消失します。

エムスカルプトが受けられない人

下記に該当される方は、施術を受けられない場合があるのでドクターにご相談ください。

  • 体調の悪い方
  • 月経中の方
  • 妊娠中の方
  • 出産3カ月未満の方
  • 治療部位にタトゥーが入っている方
  • 注入直後のフィラー剤(ヒアルロン酸など)が入っている方
  • 施術部位に金の糸など金属、シリコン等を挿入されている方
  • 施術部位に未治療の感染症または炎症がある方
  • 腹部に手術歴や既往症がある方
  • 悪性腫瘍、肺機能不全、心臓疾患、筋・神経疾患、てんかん、自己免疫疾患
  • ベル麻痺の方、そのほか重篤な疾患をもつ方
  • 副腎皮質ステロイド内服薬を服用中の方
  • ペースメーカーを付けている方

エムスカルプトの施術料金の相場

電卓を持つ看護師

自由診療(保険外診療)のため、医療機関により料金は異なりますが、おおよそ以下のような料金相場です。

部位 参考料金(1回) 参考料金(4回のワンクール)
腹部 約100,000円〜220,000円 約480,000円〜770,000円
ヒップ 約100,000円〜180,000円 約480,000円〜630,000円

※上記以外の部位も施術可能な場合がありますので、詳しくは施術を受ける医療機関にお問い合わせください。

エムスカルプトの施術の流れ

エムスカルプトは服を着たままでも施術は可能ですが、筋肉の収縮している状態を確認するために、素肌に直接プリケーターを付けることが推奨されいています。

また、臀部の施術の場合は、専用のショーツに着替えて施術がおこなわれます。

(1)ドクターによる診察、カウンセリング

適切な照射間隔、施術回数などのアドバイスがあります。不安や疑問などはこの時に聞いておきましょう。

(2)同意書の記入

施術の内容を確認後、同意書にサインをします。

(3)エムスカルプト照射

ベッドに横になり、専用のベルトを使用してアプリケーターを装着します。きつかったり、ベルトがよれて痛みがあったりする場合は調整します。スイッチが入り、施術が始まります。 フェーズ1~3までの5分間の刺激パターンが6回繰り返し発生して、30分で施術完了となります。

(4)エムスカルプト照射終了

アプリケーターを外して、終了です。

施術後2~3時間は水分のみの摂取を推奨

カウンセリングを行う医師

施術直後は体が栄養を吸収しやすい状態のため、約2~3時間は脂質や糖質を含まない水分のみの摂取が推奨されています。過度な飲酒や暴飲暴食に注意してください。

また、エムスカルプトで強い負荷を与えた筋繊維の回復時間は約48~72時間ともいわれ、より回復を早めるために糖質や刺激物をひかえて、筋肉増量に必要なアミノ酸やたんぱく質などの摂取を意識するとよいでしょう。

エムスカルプト施術後の飲酒・入浴・運動などの制限はありません。

エムスカルプト施術後の筋肉のキープの仕方

高タンパク質の食事に、軽い運動を意識するといいでしょう。エムスカルプト施術後、何もしなければ徐々に筋肉はおとろえていきますので、軽い筋力トレーニングを続けることをおすすめします。運動が苦手だったり、自分では継続が難しいという場合は定期的にエムスカルプトを受けてもいいでしょう。

エムスカルプトを受ける医療機関の選び方

女医と女性

エムスカルプトは筋肉増量と脂肪減少を目指す医療痩身マシンです。

そのため、皮膚のたるみやハリ感も気になる場合は、サーマクールなどの高周波の医療痩身マシンとの併用も検討するといいかもしれません。また、成長ホルモンの分泌を助ける点滴などもありますので、より効果を高めたい場合は、エムスカルプトと併用できるメニューがある医療機関を選ぶといいでしょう。

また、日頃から高たんぱく・低糖質食と適度な運動を心がけ、健康的な痩身を目指すことが大切ですが、施術前後にプロテインや分岐鎖アミノ酸などを摂取することで、より筋肉量の増加作用が高まるとされています。そのため、施術後にサプリメントやドリンクを用意している医療機関もあります。エムスカルプトを受けることを検討している医療機関が、どのようなサポートをしているかなども、確認しておくといいかもしれません。