• HOME

医療レーザー脱毛機器の1種であるジェントルレーズプロの脱毛効果とリスク・副作用

1
0

SHARE

1人のドクターがいいねしています

医療レーザー脱毛機器の1種であるジェントルレーズプロの脱毛効果とリスク・副作用

ジェントルレーズプロ(GentleLase Pro)は、レーザー照射による長期的な脱毛を目的とした医療レーザー脱毛機器で、アメリカのシネロン・キャンデラ社(Syneron Candela)によって開発・製造されました。

ジェントルレーズプロのほかにもある医療レーザー脱毛機器と比較して得られる効果の違いやメリットとデメリットを確認することで、自分にあった医療レーザー脱毛機器を選ぶことができます。

脱毛や肌の悩みの改善に効果が期待できるレーザーの特徴

レーザーとは光の一種です。レーザーで使用される光エネルギーには山と谷を繰り返す波形の性質があります。山から山、もしくは谷から谷までの間の距離を波長といいます。波長は10億分の1メートルにあたるナノメートル(nm)という単位で表記され、光エネルギーは複数の波長を持っています。

レーザーはさまざまな光の波長から一つの波長を人工的に取り出し増幅させることで光よりも鋭く一直線に進む特徴があります。取り出せる光の波長は沢山あり、光の波長からレーザーを取り出すときに気体・固体・液体・半導体といった物質が使われます。これらを「レーザー媒質」といい、それぞれレーザー媒体によって取り出したレーザーには名前がついています。

たとえば脱毛で使用されるレーザー媒体は、アレキサンドライト、イットリウム(Y)・アルミニウム(A)の複合酸化物からなるガーネット(G)構造の結晶(YAG)にネオジム(Nd)を添加した結晶、半導体です。レーザー媒質に基づいて「アレキサンドライトレーザー」「NdːYAG(ネオジムヤグ)レーザー」「半導体(ダイオード)レーザー」などと呼ばれます。

また、レーザーは波長の長さによって、皮膚の物質(赤血球の赤い色素であるヘモグロビン、肌・毛髪・瞳の色を作る色素であるメラニン色素・水分)に吸収されやすい特性を持っていて、波長の長さによって吸収されやすい皮膚の物質が異なります

波長が皮膚の物質に吸収されると熱エネルギーが発生します。太陽光が皮膚にあたると温かく感じることと同じ現象です。波長が短ければ皮膚表面の物質に、長ければ皮膚の奥の物質に吸収されて、熱エネルギーによって脱毛効果やシミ、ニキビ跡、毛穴の開き、赤ら顔などの肌悩み改善に期待ができます。そのため、毛や肌の悩みに対して適切な波長の長さが選ばれます。

おもなレーザーの種類 波長 吸収される皮膚の物質
ヘモグロビン メラニン 水分
KTPレーザー 532nm  
ダイレーザー 585nm~595nm付近  
ルビーレーザー 694nm    
アレキサンドライトレーザー 755nm    
ダイオードレーザー 810nm~1450nm付近   1450nmで〇
Nd:YAG(ネオジムヤグ)レーザー 1064nm  
Er:YAG(エルビウムヤグ)レーザー 2940nm    
炭酸ガスレーザー 10600nm    

レーザーを使用して脱毛効果、シミ、ニキビ跡、毛穴の開き、赤ら顔などの肌悩みなどを改善するにときにレーザーの1ショット当たりの照射時間(パルス幅)の設定が大切です。

パルス幅の単位は長い順から、ミリ秒(ms)、マイクロ秒(μs)、ナノ秒(ns)、ピコ秒(ps)があって、美容医療でつかわれるレーザーには「ロングパルスレーザー」といわれるパルス幅がミリ秒単位のレーザー、「ノーマルパルスレーザー」といわれるパルス幅がマイクロ秒単位のレーザー、「Qスイッチレーザー」といわれるパルス幅がナノ秒単位のレーザー、「ピコレーザー」ともいわれるパルス幅がピコ秒単位のレーザーがあります。

パルス幅がピコ秒単位となると、レーザー照射の衝撃波で対象を粉砕するため、まわりの組織へ熱作用がおよばずやけどや炎症後色素沈着などのリスクが低いといわれていて、ナノ秒単位より長くなると、レーザー照射で発生する熱エネルギーで対象を破壊するため、熱エネルギーがまわりの組織へ及ぶ可能性があります。

そのため、パルス幅が長くなればなるほど、まわりの組織に熱作用が広がり、熱作用を及ぼしたくない正常な皮膚の細胞などもダメージを負ってしまう可能性があります。

パルス幅について

最近は比較的波長の長いルビーレーザー,アレキサンドライトレーザー,さらには半導体レーザーを長パルスとして使用することで毛嚢を破壊し脱毛治療に用いようという試みでも大きな発展があった

引用元:赤外レーザーのメラニンに対する高吸収波長

医療レーザー脱毛機器のジェントルレーズプロの特徴

ジェントルレーズプロで使用されるロングパルスアレキサンドライトレーザーの特徴

ジェントルレーズプロで使用されるレーザーは、アレキサンドライトのレーザー媒体を使用したロングパルスのレーザーで、アレキサンドライトレーザーと呼ばれています。医療レーザー脱毛は皮膚から出ている毛(毛幹)や皮膚の中にある毛(毛根)のメラニン色素にレーザーを吸収させて熱エネルギーを発生させることで脱毛効果が得られます。

脱毛効果を得られるレーザーの波長は600nm~1200nmといわれていて、短い波長であるほどメラニン色素に吸収されやすいといわれています。

ロングパルスアレキサンドライトレーザーは、脱毛効果を得られるとされているレーザーの波長の中でも短い波長である755nmのレーザーです。そのため、波長755 nmのレーザー光は、毛幹や毛根のメラニン色素に反応し吸収されやすい特徴があります。

アレキサンドライトレーザーが毛幹や毛根のメラニン色素に吸収されることで熱エネルギーが生み出されます。ロングパルスの照射により、毛幹や毛根だけでなく毛を取り囲む「毛包」、毛根の一番下の部分が球状にふくらんでいる「毛球」、毛細血管が運んでくる栄養分を取り込む「毛乳頭」、毛乳頭から栄養を受けとり細胞分裂を繰り返して次々に細胞を押し上げて毛を成長させる「毛母細胞」まで熱エネルギーが及ぶため、これらが破壊でき、脱毛が可能といわれています。

ジェントルレーズプロは熱破壊式(ショット式)脱毛

医療レーザー脱毛には熱破壊式(ショット式)と、蓄熱式があります。医療レーザー脱毛を取り扱う医療機関では、熱破壊式はHR(Hair Removable)式脱毛、蓄熱式はSHR(Super Hair Removable)式脱毛と表記しているところもあります。

蓄熱式は低出力のレーザーを連続で照射し、毛包の周囲に徐々に蓄熱させます。蓄えられた熱で、毛を生成する器官であるバルジ領域や毛乳頭、毛母細胞に熱刺激を与えて徐々に破壊することで脱毛へ導く仕組みです。熱破壊式は高出力のレーザーを単発で照射して一瞬で毛根の奥まで熱を届けて、毛包、毛球、毛乳頭、毛母細胞を破壊します。

ジェントルレーズプロは、熱破壊式です。脱毛をおこなう部位にハンドピースをあてて、強い熱エネルギーを発生させるロングパルスアレキサンドライトレーザーを照射し、1照射ごとに少しずつ皮膚の上を移動させながら照射をしていきます。

ロングパルスアレキサンドライトレーザーを照射したことで、毛幹と毛根のメラニン色素に吸収され、熱が発生して毛包、毛球、毛乳頭、毛母細胞を熱で瞬間的に破壊します。毛乳頭は毛の成長を促す毛母細胞に対して栄養分を送る役割があるため、これらを破壊することで新たな毛が成長できない状態に陥ります。

ジェントルレーズプロは施術時間が短い

熱破壊式のレーザーで広範囲を脱毛するときに一つひとつ照射をすると時間がかかります。

しかし、ジェントルレーズプロは、スポットサイズ(1 回の照射で出るレーザーの範囲の直径)が6mm~18mmの標準のハンドピースの他に、20mmから24mmのラージサイズのハンドピースがあります。

ラージサイズのハンドピースは一度に広い範囲に照射ができ、レーザーの照射スピードも1秒間に2回の照射が可能です。そのため、1部位あたり5分~10分程度の短い時間で脱毛の施術が可能といわれています。

ジェントルレーズプロは普通~濃く太い毛に効果を発揮

ロングパルスアレキサンドライトレーザーはメラニン色素に吸収されやすいという特徴をもっているため、普通~濃い毛に対してしっかり作用するとされています。対して うぶ毛や薄い毛のようにメラニン色素が薄い毛には反応しにくいため、脱毛効果が現れるのに時間がかかるといわれています。

ジェントルレーズプロは厚生労働省から承認されている医療レーザー脱毛機器

日本人などのアジア人は、紫外線から肌を守る役割を担うメラニン色素の生成が活発で、肌の表面には多くのメラニン色素が存在しています。そのためメラニン色素へ反応しやすく周辺組織まで熱作用を及ぼすロングパルスアレキサンドライトレーザーを照射するとやけどをするリスクがあります。

しかし、ジェントルレーズプロは、レーザー照射時の皮膚を冷却する装置としてDCDを使用しています。DCDに使用される冷却剤は、主に家庭用冷凍庫に使用される不燃性ガスである1,1,1,2-テトラフルオロエタンです。-26℃の1,1,1,2-テトラフルオロエタンをレーザー照射面に噴射することで、レーザー照射によるやけどのリスクが低いといわれています。

また、やけどのリスクにはロングパルスアレキサンドライトレーザーの出力(J/㎠)も関係します。J/㎠とは、一平方センチメートルあたりに照射されるレーザーのエネルギーの密度で、出力が高いほど単位面積あたりの照射エネルギー(フルエンス)が高くなってメラニン色素に吸収された後、発生する熱が高温になります。

ジェントルレーズプロの出力は3j/㎠~150j/㎠の間で設定が可能で、皮膚の色が濃くなるほど出力を低くする、スポットサイズが大きくなるほど出力を低く設定することで、やけどなどのリスクをおさえています

ジェントルレーズプロは施術部位のやけどなどのリスクの発生頻度の低さで厚生労働省から安全性を認められています。また、脱毛効果の有効性も認められていて、2016年に医療レーザー脱毛機器として承認されました。

日本国内での承認 22800BZX00446000
FDA(米国食品医薬品局)での承認 K133283

ジェントルレーズプロで脱毛以外の期待できる効果

熱刺激によりコラーゲンが増生し美肌へ導く

ヒトの皮膚は、外側から表皮層・真皮層と層状になっています。なかでも、真皮層は約70%が線維状のタンパク質である「コラーゲン」で、その間を水分を抱えたゼリー状の物質である「ヒアルロン酸」が満たしています。さらに、弾力性をもつ線維状の「エラスチン」というタンパク質がコラーゲン同士を束ねていて、このコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸によって肌にハリや弾力を与えています。

ロングパルスアレキサンドライトレーザーの熱エネルギーは真皮層まで届くため、肌のハリや弾力を担うコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などを作り出す線維芽細胞が刺激されます。線維芽細胞が刺激されることにより、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の生成が活発になり、肌の弾力やうるおい、ハリが増すといわれています。

薄いシミ・そばかす・黒ずみが改善

ロングパルスアレキサンドライトレーザーを照射すると、薄いシミやそばかす、黒ずみの原因であるメラニン色素にレーザー光が吸収されて熱エネルギーに変換されます。変換された熱エネルギーによってメラニン色素が破壊されるため、薄いシミやそばかす、黒ずみなどを改善に導きます。

ニキビの改善

ジェントルレーズプロはレーザー光が毛幹や毛根に吸収されることで熱エネルギーが発生します。熱エネルギーで毛幹と毛根を一瞬で高温で燃焼させることで、毛の周囲の組織(毛包)にも熱エネルギーが伝わり、ニキビの炎症のもとになる皮脂腺を熱エネルギーで破壊するとされています。

ニキビの原因であるアクネ菌は、皮脂腺から排出される皮脂を栄養にして増殖するため、脂腺が破壊されると増殖しなくなります。その結果ニキビの改善に期待ができるといわれています。

ジェントルレーズプロの施術で推奨される施術間隔・回数と効果を感じられるまでにかかる期間

ジェントルレーズプロの施術で推奨される施術間隔と回数

毛には成長~毛が抜け落ちるまでの「毛周期」といわれるサイクルがあります。毛周期は成長初期・成長期・退行期・休止期という4つのフェーズがあり、医療レーザー脱毛を受けるタイミングに最も適しているのは成長期とされています。

毛周期

※成長初期:毛を作り出す毛母細胞が細胞分裂し、毛球が作られる時期
※成長期:毛球が育ち毛が伸びて皮膚から出て目視ができる時期
※退行期:毛の成長が止まる時期。徐々に離れて毛母細胞の細胞分裂がストップ。毛包が収縮して毛が押し出される。
※休止期:毛乳頭から毛が完全に離れて毛が抜ける時期。残った毛乳頭は次の成長期まで休んでいる状態に陥る。

すべての毛の毛周期は一緒ではないためジェントルレーズプロで脱毛の施術を受ける場合は、複数回の施術が必要になります。そのため、施術部位や肌質、毛質の状態など個人差はありますが、多くの場合は約2カ月ごとに5回程度施術を受けることで自己処理の負担が少なく感じる程度の 脱毛効果を実感できるといわれています。


部位 休止期 退行期 毛周期
眉毛 約3カ月 約1週間~2週間 約10カ月
あごひげ 約10週間 約2週間~3週間 約14カ月
鼻の下 約6週間 約2週間~3週間 約5カ月
ワキ毛 約3週間 約2週間~3週間 約5カ月
VIO 約3カ月 約2週間~3週間 約8カ月
約16週間 約2週間~3週間 約10カ月
約24週間 約3週間~6週間 約11カ月~12カ月

※ホルモンバランスが関係しているため、毛周期は個人差があります。

毛周期のエビデンス

引用元:Hair Loss,Hair Removal - Temporary and Permanent,Hair Retention 2017

ジェントルレーズプロの1回の照射で脱毛効果が感じられるまでにかかる期間

ジェントルレーズプロの施術をわきやひざ下など毛が太い部位におこなった場合、脱毛効果を感じるまでにかかる期間は個人差はありますが、施術から2週間程度で毛が抜け始めるといわれています。

一方、顔のうぶ毛や肩などの細い毛が生える部位は、 毛のメラニン色素含有量が少ないためレーザー光が吸収されにくく、効果を実感できるのが遅いといわれています。

ジェントルレーズプロの料金相場

ジェントルレーズプロの施術に料金相場は性差、部位により異なります。ジェントルレーズプロの医療レーザー脱毛は保険適用外の治療のため、全額自己負担となります。

ジェントルレーズプロの女性の方の料金相場

部位 1部位あたりの料金相場
Sパーツ
(ワキ・Vライン・V下・V上・ヒザ・ 手甲・手指・足甲・足指・上口唇・下口唇・あご先・額など)
約1,500円~6,500円程度
Mパーツ
(Iライン周囲・Iライン内側・Oライン周囲・ヒザ下・ヒジ下・ヒジ上・乳輪周囲・首・うなじ・眉毛など)
約4,500円~18,000円程度
Lパーツ
(V全処理・ヒザ上・背中・胸部・腹部・腰部・ヒップ・顔全体など)
約9,000円~20,000円程度
全身 約30,000円~40,000円程度
VIO 約9,000円~15,000円程度

ジェントルレーズプロの男性の方の料金相場

部位 1部位あたりの料金相場
Sパーツ
(ワキ・ヒザ・手指・手甲・足指・足甲・額・Vライン・V下部・V上部など)
約3,600円~6,000円程度
Mパーツ
(ヒザ下・ヒジ下・ヒジ上・乳輪・眉・首・うなじ・ヒゲ鼻下・あご先・頬・もみあげ・あご裏など)
約9,600円~12,000円程度
Lパーツ
(ヒザ上・背中・胸・腹部・腰部・ヒップ・V全処理など)
約15,000円~20,000円程度度
全身 約70,000円~80,000円程度
VIO 約18,000円~25,000円程度

※各医療機関によって各部位をSパーツ・Mパーツ・Lパーツの分け方が異なります。
※上記の料金相場はジェントルレーズプロを使用して脱毛をおこなっている医療機関の料金を計算して相場を算出しています。詳しい料金は医療機関へお問い合わせください。

ジェントルレーズプロの施術は医療費控除を受けられる可能性がある

美容を目的とした医療脱毛は保険適用外の自由診療になりますが、毛根による皮膚病などで脱毛が必要な場合、「医療費控除」を受けられる可能性があります。医療費控除とは1年間に10万円以上の医療費を支払った際に、所得税が減額される「所得控除」という制度の一つです。

ドクターから「脱毛をおこなわなければ体に支障をきたすため脱毛が有効」と判断された場合、ジェントルレーズプロの施術は医療費控除の制度を受けることができます。実際に医療費控除の制度がうけられるのかは、ドクターに相談してください。

ジェントルレーズプロの施術中の痛み

ジェントルレーズプロは、レーザー照射前に皮膚を冷却する装置であるダイナミッククーリングデバイス(DCD)を使用しています。

DCDはレーザー照射直前に冷却材を皮膚表面に噴射してレーザーを照射することで発生する熱によって感じる痛みが軽減されるとされています。そのため、痛みは輪ゴムで肌を弾かれるような程度で、麻酔がなくても成人であれば我慢できる程度の痛みであるといわれています。

また、ジェントルレーズプロのDCDは冷却材の噴射時間の調整ができるのに加え、パルス幅も調整が可能なため、一人ひとりの肌質や毛質に合わせて、レーザ光の照射が可能です。そのため、照射の設定により痛みを感じにくくすることができるとされています。

しかし、男性のヒゲやVIO(デリケートゾーン)のように毛が濃い部位や腰や背中などの骨に近い部位強い痛みを感じる場合があります。表皮麻酔や笑気麻酔を導入している医療機関もあるので、不安を感じる場合は事前にドクターに相談してください。

ジェントルレーズプロで稀におこるリスク・副作用とダウンタイム

ジェントルレーズプロの稀におこるリスクと副作用

  • 過度の色素沈着・色素脱失
  • 紅斑
  • むくみ
  • 紫斑
  • かさぶた
  • 毛包炎
  • ニキビ
  • かゆみ
  • やけど
  • 疼痛
  • 不快感
  • 周辺の多毛化・硬毛化

ジェントルレーズプロのダウンタイム

ジェントルレーズプロは、一人ひとりの肌質や毛質に合わせてレーザー出力の設定ができたり、レーザーを照射する前に皮膚を冷却するDCDを使用することで、やけどのリスクを軽減しています。そのため、ほとんどダウンタイムがないといわれています。

ただし、稀に過度の色素沈着、色素脱失、紅斑、むくみ、内出血、かさぶた、毛包炎、ニキビ、かゆみ、やけど、疼痛、不快感、周辺の多毛化・硬毛化を起こす可能性があります。毛包炎、ニキビ、むくみ、疼痛、不快感は数日で鎮静するといわれています。また、2日~3日色素脱失、色素沈着、かさぶた、内出血、紅斑、は約1週間~2週間程度で鎮静するといわれています。

やけどを起こした場合は1週間~2週間程度で治癒するといわれていますが、炎症後色素沈着を起こす可能性があるためすぐに施術した医療機関にご相談ください。

ジェントルレーズプロの施術の注意点

ジェントルレーズプロの施術を受けることができない方

  • 光過敏症の方
  • 単純ヘルペス 1 型・2 型の活動病変の方
  • 開放創や感染創 の方
  • 施術部位にタトゥーがある方
  • 施術部位に癌がある方
  • 2 カ月以内の日焼け
  • 妊娠中・妊娠の可能性のある方
  • その他ドクターが施術できないと判断された方

ジェントルレーズプロの施術を受けることができない可能性がある方

  • てんかん発作がある方
  • ケロイド/瘢痕体質の方
  • 糖尿病等の慢性疾患の方
  • 施術部位にフィラー注入をしている方
  • 施術部位にほくろがある方
  • 免疫抑制剤 /ステロイド製剤/抗凝固剤/鉄剤/ビタミンなどを補給するサプリメントを服薬している方
  • 施術部位に皮性の色素斑がある方

ジェントルレーズプロの施術前の注意点

抜毛禁止

毛穴の中に毛がない状態ではレーザーが毛のメラニン色素に反応しないため、医療レーザー脱毛中は毛抜きやワックスを使用して抜毛しないでください。毛の自己処理はカミソリやシェーバーでの剃毛のみにして下さい。

日焼けの禁止

日焼けをした状態ではやけどを生じるリスクが高くなるため、照射をすることができません。日焼けをしないようSPF30以上の日焼け止めの使用や長袖、長ズボン等を着用して日焼けを対策をしてください。

皮膚の清浄

脱毛の施術をする部位に日焼け止めや化粧品(クリーム、化粧水含む)が残っていると、レーザーが成分に反応してやけどを起こす可能があります。照射前には必ず落としてください。

施術前に施術部位の毛を剃毛する

脱毛の施術をする部位は前日、もしくは当日に剃毛してから施術を受けてください。剃り残しがある場合、医療機関によっては施術が受けられなかったりシェービング代の料金が発生する可能性があります。

ジェントルレーズプロの施術中の注意事項

レーザーの光から目を保護するために、ゴーグルなどを目にかけます。目にレーザーが入ってしまうと、網膜損傷などの障害を起こしてしまい、視力の低下や失明してしまう可能性がありますので、照射中は絶対に外さないようにしてください。

ジェントルレーズプロの施術後の注意点

施術部位を掻かない

脱毛の施術をおこなった部位は掻いたりしないでください。皮膚を傷つけることで色素沈着をおこす可能性があります。

施術後当日は入浴を控える

施術部位によっては入浴せず、シャワー程度が望ましいといわれています。ジェントルレーズプロの施術をしたドクターからの指示に従ってください。

毛穴に残っている焼けた毛を無理に抜かない

焼けた毛が毛穴から抜けずに毛穴に残る場合があります。しかし、徐々に抜け落ちていくため無理に抜いたりしないでください。焼けた毛が毛穴から抜けるのは、個人差がありますが3週間~4週間程度といわれています。

施術部位の保温をおこなう

レーザー照射後は肌が乾燥しています。そのため、適度に保湿をおこなってください。

施術部位は日焼けしないように日焼け止めクリームを塗る

医療レーザー脱毛をしたあとは日焼けをしないようにしてください。レーザーを照射した皮膚は、太陽光などの紫外線に敏感で色素沈着をおこしやすいといわれています。そのため、施術部位は紫外線対策としてSPF30以上の日焼け止めを塗ったり、日傘やカーディガンなどで日焼け対策をしてください。

VIOの施術をした場合、コットン製のショーツを履く

VIOは皮膚が薄くデリケートな部位です。レーザーを照射した場合、特に敏感な肌になっているため施術部位にショーツが擦れ、肌荒れ、かゆみ、黒ずみをおこしてしまう可能性があります。そのため、肌に優しい天然繊維のコットン製のショーツを履くと良いといわれています。

ジェントルレーズプロとエステ脱毛との違い

医療脱毛とエステ脱毛の違い

医療脱毛とはジェントルレーズプロなどの医療機器によって強いエネルギーで毛包、毛球、毛乳頭 毛母細胞を破壊する施術であり医療行為となります。国家資格を有したドクターや看護師以外が毛包、毛球、毛乳頭 毛母細胞を破壊する施術をおこなうことは医師法第17条により禁止されています。

そのためエステ脱毛は毛包、毛球、毛乳頭 毛母細胞を破壊しない光脱毛(フラッシュ脱毛・IPL脱毛)というエネルギーが弱い設定での脱毛となります。エネルギーが弱い設定での施術のため、医療レーザー脱毛と比べると施術回数が多くなります。

また、エステ脱毛は国家資格を有したドクターや看護師以外の人が脱毛の施術をおこなうため、一人ひとりの肌質や毛質が診断できず、弱いエネルギーを使用してもやけどなどのリスクが高くなります。

万が一、医療レーザー脱毛でやけどなどのトラブルがあった場合、すぐにドクターによる診察・処置がおこなわれますが、エステ脱毛はすぐに診察・処置がおこなわれず、自分で医療機関に行く必要があります。

このことから、国民生活センターに寄せられる脱毛の危害情報は、医療機関の脱毛に比べてエステ脱毛のほうが多くなっています。

  医療脱毛(ジェントルレーズプロ) エステ脱毛
効果 毛母細胞を破壊することで発毛を停止させる 毛母細胞へダメージを与え、発毛を遅らせる
脱毛施術者 国家資格を有するドクターや看護師 資格は不要。エステティシャンなど
脱毛回数 約2カ月おきの施術を5回程度受けることで、満足のいく効果を実感するケースが多い 約2カ月おきの施術を12~18回程度受けることで、満足のいく効果を実感するケースが多い
トラブル時の対応 その場でドクターによる診察・処置が可能 自分で医療機関へ行く必要がある

【事例4】肛門周りの光脱毛でやけどを負い、完治まで1年以上かかることもあると言われた何度か施術を受けたことがあるエステで、全身とデリケートゾーンの光脱毛をした。店員が肛門周りに光を照射させたところ、激痛が走った。痛みを訴えたが、痛い方が効果があると言われて、そのまま施術を続けた。歩くと痛かったため鏡で確認したところ、肛門の上あたりがやけどになっていて皮膚がズルむけの状態だった。そのことをエステに申し出ると、「病院に付き添うので行って欲しい、施術代を返金、治療費は支払う」と言われた。診察を受けたら、光脱毛との因果関係を認められ、乾くのに時間がかかる部位なので、完治には1年以上かかることもあり、ケロイド体質なら治っても引きつると言われた。

引用元:なくならない脱毛施術による危害

すでに新聞、テレビ等の報道でご存知と思いますが、平成26年4月8日姫路のエステサロン経営者が「光脱毛」を医師免許のない従業員に施術をさせて、逮捕される事件が起こりました。顧客がやけどを負ったことがきっかけでした。

引用元:―エステ脱毛について―

ジェントルレーズプロ以外の医療レーザー脱毛ができるマシン

医療脱毛として用いられるレーザーはおもに3種類あります。

  • Nd:YAG(ネオジムヤグ)レーザー(1064nm)
  • ダイオードレーザー(810nm~940nm)
  • アレキサンドライトレーザー(755nm)

レーザーの波長は、長いほど肌の奥まで届くという特長があり、それぞれ適応する肌質や毛質が異なります。

医療脱毛で使用されることが多いレーザーの種類 レーザーの特徴 適応する肌・毛質
NdːYAG(ネオジムヤグ)レーザー ・波長1064nm
・皮下組織までエネルギーが届く
・痛みは少ない
・うぶ毛や薄くなった毛
・色の黒い肌
ダイオードレーザー ・波長810nm~940nm
・蓄熱式と熱破壊式がある
・痛みは少ない
・毛質や肌質を問わない
・シミやアザの治療も可能
アレキサンドライトレーザー ・波長755nm
・くすみやシミの改善も期待できる
・日本人の肌質と相性が良いとされる
・普通~濃い毛
・敏感肌~普通肌

NDːYAGレーザー(ヤグレーザー)

Nd:YAGレーザーは、ネオジム(Nd)・イットリウム(Y)・アルミニウム(A)・ガーネット(G)をレーザー触媒に用いたレーザーです。Nd:YAGレーザーの波長は1064nmと長く、表皮層・真皮層を支えている皮下組織まで到達する特徴があります。

波長が長いため、皮膚表面のメラニン色素には反応せずに毛根へダメージを与えることができ、日焼けなどでメラニン色素が多く含まれている肌にも照射ができるとされています。また、波長が長いため毛根が深い毛に対しての効果が期待できます。また、Nd:YAGレーザーを使用した医療レーザー脱毛機器は熱破壊式のみで蓄熱式のマシンはありません。

熱破壊式Nd:YAGレーザー(ヤグレーザー)を使った医療レーザー脱毛機器

  • ジェントルヤグ
  • G-MAX(Nd:YAG(ネオジムヤグ)レーザー+アレキサンドライトレーザー)
  • エリートMPX(Nd:YAG(ネオジムヤグ)レーザー+アレキサンドライトレーザー)

ダイオードレーザー

ダイオードレーザーは、アレキサンドライトレーザーよりも少し長い波長をもっています。医療レーザー脱毛で使用されるダイオードレーザーの波長はおもに800nm~810nmです。波長の長さは機種により異なります。

ダイオードレーザーは、肌質や毛質を問わないためアトピー性皮膚炎の肌にも使用できるといわれています。ダイオードレーザーを使用した医療レーザー脱毛機器は、蓄熱式と熱破壊式の2種類があります。

熱破壊式ダイオードレーザーを使った医療レーザー脱毛機器

  • ライトシェアデュエット
  • ベクタス

蓄熱式ダイオードレーザーを使った医療レーザー脱毛機器

  • メディオスターNext PRO
  • ソプラノチタニウム

アレキサンドライトレーザー

アレキサンドライトレーザーは他のレーザーに比べて波長が755mmと短いため毛幹や毛根のメラニン色素に吸収されやすい特徴があります。レーザーがメラニン色素に吸収されて熱エネルギーが発生することで毛包、毛球、毛乳頭、毛母細胞を破壊するとされています。

さらに、脱毛だけでなく毛穴への引き締め効果や毛穴の黒ずみ・くすみ改善する効果にも期待できます。また、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の生成も活発になることで、肌の弾力やうるおい、ハリが増すといわれています。

アレキサンドライトレーザーの医療レーザー脱毛機器には蓄熱式と熱破壊式のマシンがあります。

熱破壊式アレキサンドライトレーザーを使った医療レーザー脱毛機器

  • ジェントルレーズプロ
  • ジェントルマックスプロ(Nd:YAG(ネオジムヤグ)レーザー+アレキサンドライトレーザー)

蓄熱式アレキサンドライトレーザーを使った医療レーザー脱毛機器

  • Motus AX

ジェントルレーズプロの施術の流れ

1.カウンセリング・診察

施術前にドクターが照射部位の肌質や毛質の状態を確認し、施術回数やレーザーの出力などを決めます。痛みを感じやすい方は麻酔を使用するかドクターと相談してください。

2.施術準備

顔の施術をおこなう場合はクレンジングや洗顔をおこない、VIOの施術をおこなう場合は医療機関で用意されている下着に着替えます。また、レーザーが目に入らないようにゴーグルなどをつけます。。

3.ジェントルレーズプロの照射

照射を希望する部位の肌質や毛質を確認しながら適切なレーザー出力で照射していきます。部位によって、1部位あたり5分~10分程度、全身の照射は1時間程度で施術が終了します。

4.終了後

照射終了後は皮膚を冷却して赤みやほてりを落ち着かせあとに、日焼け止めを塗るなどして紫外線対策をおこないます。施術が終了したあとはドクターからの施術後の注意点の説明を受けて終了となります。通常どおりメイクをして帰宅することが可能です。

ジェントルレーズプロで脱毛の施術を受ける医療機関の選び方

ジェントルレーズプロは、は一人ひとりの肌質や毛質に合わせてレーザー出力やパルス幅、冷却材の噴射時間の調整ができるため、メラニン色素の生成が豊富な日本人の肌でも安全に脱毛の施術が受けられるといわれています。

また、広範囲を脱毛する場合は標準の6mm~18mmのスポットサイズのハンドピースではなく施術時間を短縮できます。

標準のハンドピースはジェントルレーズプロを購入した際に付属されますが、ラージスポットサイズのハンドピースは各医療機関で別途購入が必要になるため、ラージスポットサイズのハンドピースを所持していない医療機関もあります。

広範囲の脱毛を希望する場合や、脱毛を希望する部位が多い場合はラージスポットサイズのハンドピースを所持している医療機関で脱毛の施術を受けることが大切です。ラージスポットサイズのハンドピースを所持しているかは事前に医療機関にお問い合わせください。

1
0

SHARE