シルエットソフトは、糸(スレッド)を皮膚の下に入れて顔や首元のたるみを引き上げる「糸リフト(スレッドリフト)」の1つで、溶ける糸を使うタイプのスレッドリフトのなかでも高いリフトアップ効果があるといわれています。
しかし、シルエットソフトをやってみたいけれどデメリットが気になっている方や、効果がどのくらいあるのか心配な方がいるかもしれません。
シルエットソフトの痛みやダウンタイムはどのくらいなのか、また、効果や費用面でほかの糸と比較したデメリット・メリット、スレッドリフト以外のたるみ改善治療と比較したデメリット・メリットを知れば、安心してシルエットソフトを受けることができます。
もくじ
シルエットソフトは、円すい形のバイオコーンと呼ばれるコーンが、糸の中心に向かって向かい合わせについている糸による施術です。
シルエットソフトの糸を針で皮膚下の2方向に挿入すると、糸の中心部を支点として向かい合うように設置されたコーンが挿入後お互いを引っ張り合うように作用するため、自然でふっくらとした立体的な引き上げが可能です。ほかのスレッドリフトのように単純に引き上げるだけでなく、頬に高さを出したり、自然な丸みのあるフェイスラインをつくるのに効果があります。
バイオコーンは8カ月~10カ月ほど、糸は1年半ほどかけて体内に吸収されていきます。バイオコーンで引き上げられた皮膚組織において傷を治そうとする創傷治癒の働きで、肌のハリや弾力の元であるコラーゲンの生成が促されます。
リフトアップ効果の持続期間は1年~1年半ほどですが、バイオコーンと糸が吸収されたあとも、糸の結び目や糸の通り道にコラーゲンなどの繊維組織が増殖するため、美肌効果が持続します。
シルエットソフトは顔の輪郭や下顎、頬、額、眉の周り、首など、主に顔全体のたるみの改善に向いています。シルエットソフトはほかのスレッドリフトに比べて施術範囲が広く、デザインの自由度も高い施術です。
加齢によってたるみが起きる大きな原因のひとつは、骨や筋肉、皮下脂肪などの委縮です。 シルエットソフトは糸の中心に向かって引っ張るように肌を持ち上げるので、頬の位置を高くみせるなど立体的なリフトアップが可能といわれていますが、糸をいれるだけでは加齢にともなって失われたボリュームを補うことはできません。
加齢にともなって痩せこけてしまった頬やこめかみにヒアルロン酸注入を併用することでボリュームを補てんし、ふっくらとハリのある肌に導きます。また、ヒアルロン酸注入で細かいしわを目立たなくすることが可能です。
シルエットソフトのリフトアップ効果の持続期間は約1年~1年半なので、溶けない糸のスレッドリフトや、切開して皮膚を引き上げてたるみを解消するフェイスリフト手術に比べて効果の持続期間が短いことがデメリットです。効果を持続させるには1年に1回程度の施術を継続する必要があります。
また、スレッドリフトにしてもフェイスリフト手術にしても、老化の進行をストップさせることはできないので、施術をおこなったあとのメンテナンスとして、定期的にサーマクールやハイフ(高密度焦点式超音波)などのマシンによるたるみ引き締め効果や、肌にハリ・弾力をもたらす肌質改善の効果がある照射治療をおこなって、できる限りたるみの進行を遅らせることも方法のひとつです。
シルエットソフトの施術の流れなど詳しくはこちらもあわせてお読みください。
シルエットソフトの糸とバイオコーンは溶ける素材なので、溶けない糸を使うスレッドリフトに比べて効果の持続期間が短い(1年~1年半)のがデメリットです。
スレッドリフトに使われる糸には溶ける素材と溶けない素材があります。溶けない糸は安全性が高く体内で変質する心配のない素材が使われていて、溶ける糸よりも引き上げ効果の持続期間が長いのが特徴です。
シルエットソフトは糸を側頭部の骨膜に固定しないので、固定するタイプのスレッドリフトに比べて引き上げる力が弱いというデメリットがあります。
スレッドリフトには糸を側頭部の骨膜に固定するタイプと固定しないタイプがあって、固定するタイプのほうがより強力な引き上げ効果があります。ただし、固定するタイプはひきつれや側頭部の痛みといったダウンタイムが長い傾向にあります。
スレッドリフトによる施術は、挿入した糸の深さが一定ではなく位置がずれて一部だけが深さが変わってしまった場合、歪みが生じて肌の表面が凸凹になることがあります。特にシルエットソフトのバイオコーンはとげ状のものと比べて突起が大きいので、凸凹が目立ってしまうケースがあります。
シルエットソフトの施術実績が多い医療機関を選び、しっかりカウンセリングを受けて、信頼できるドクターを選ぶことでこのようなトラブルを回避できます。
シルエットソフトは溶ける糸の中では引き上げ効果が高い施術ですが、費用が高めになる傾向があります。糸の長さやコーンの数によって金額が変わりますが、糸1本あたり約7万円~10万円です。また、たるみの状態や引き上げたい部位によって使用する糸の本数が変わります。使用する糸の数は、頬のたるみを改善したい場合、片頬3本~5本を挿入するのが一般的です。
シルエットソフトは、バイオコーンと呼ばれる円すい形の突起が皮下組織を360度しっかり持ち上げるので、バーブやコグと呼ばれるとげ状の突起がついた糸よりも引き上げる力が強いのがメリットです。糸を側頭部の骨膜に固定しないタイプのスレッドリフトのなかでも高いリフトアップ効果があります。
シルエットソフトは糸を側頭部の骨膜に固定しないので、ひきつれや側頭部の痛みなどが起こりにくくて、ダウンタイムが軽度です。
シルエットソフトのバイオコーンは8カ月~10カ月ほど、糸は1年半ほどかけて体内に吸収されていきます。 ほかのスレッドリフトで使われる溶けない糸も体内で変質する心配のない安全性の高い素材が使われていますが、やはり体内に異物が残るのは不安という方には、シルエットソフトなら安心して受けていただけます。
フェイスリフト手術は、耳からこめかみあたりの目立たない部位の皮膚を外科手術によって切開して、皮膚を引き上げてたるみを解消する治療です。
シルエットソフトはフェイスリフト手術に比べ、効果と持続期間の点で劣ることがデメリットです。シルエットソフトの効果はあくまでも自然なリフトアップなので、劇的に変わることはありません。フェイスリフト手術のほうがリフトアップ効果が高く、圧倒的に見た目が変わって、効果の持続期間も5年~10年といわれています。
軽度のたるみにはシルエットソフトが適していますが、重度のたるみを改善したい場合、シルエットソフトを1年おきに繰り返し受けるよりもフェイスリフト手術を1度受けたほうがコストパフォーマンスがいいケースもあります。
シルエットソフトはメスを使って皮膚を切開することなく針を刺して糸を通すだけなので、フェイスリフト手術に比べて痛みやダウンタイムが軽度なのがメリットです。
フェイスリフト手術はメスを使って皮膚を切開し、たるんだ皮下組織を切除するので、施術後のダウンタイムが長くなります。
シルエットソフトは針を刺して皮膚の下に糸を通すので、マシンをつかった照射治療に比べてダウンタイムが長いのがデメリットです。
照射治療はマシンを使って高周波や超音波によって皮膚の深い層に熱刺激を与えて肌をひきしめるものです。施術中は多少の熱感や痛みを感じることがあったり、施術後に赤みが残ることがありますが、数日で落ち着くので、ダウンタイムが軽度で肌への負担が少なくてすみます。
糸を使ってたるみを引き上げるシルエットソフトは、照射治療よりもたるみの引き上げ効果と持続性が高いことがメリットです。
照射によるたるみ治療は、シルエットソフトやフェイスリフト手術のように「フェイスラインが引き上がる」といった皮膚の移動や大きな変化を起こせるものではなくて、皮膚に含まれるコラーゲンやエラスチンの再生・増加を促すことにより肌のひきしめをおこなったり、筋肉のひきしめに作用して、たるみを改善するものです。 物理的に皮膚を引き上げるシルエットソフトやフェイスリフト手術には敵いません。
ただし、シルエットソフトやフェイスリフト手術はたるみを引き上げる効果として即効性がありますが、老化をとめることはできません。加齢とともにまた少しずつたるんでいきます。
照射治療は肌にハリや弾力をもたらす肌質改善の効果や、筋膜に作用して肌をひきしめるなど内側からたるみのもとを改善する効果が高いので、シルエットソフトやフェイスリフト手術をおこなったあとに、定期的なメンテナンスとして適度な刺激をいれていくことで、加齢とともに肌が緩んでくるのを自然な範囲で軽減する治療といえます。
シルエットソフトの施術中は局所麻酔が効いているので痛みを感じることはほとんどありません。局所麻酔の注射の痛みをやわらげるにはリドカインクリーム(クリーム状の麻酔)を皮膚に塗ります。
局所麻酔でも不安な方は静脈麻酔を併用すれば、うとうとと眠っている間に施術が終わります。ただし、静脈麻酔を希望すると別途費用がかかる場合もあります。静脈麻酔の対応をしているかどうかは各医療機関に確認が必要です。
施術後は2日~3日くらいの間、腫れやむくみが出て、針の挿入箇所をさわると鈍い痛みや違和感がある場合がありますが、シルエットソフトのバイオコーンはとげ状の突起があるタイプの糸と比較すると、尖った部分の刺激によるチクチクとした痛みや引きつれ感が少ないのが特徴です。
それでもピリピリした痛みなどが気になるようなら鎮痛剤を服用してください。通常は痛みがあっても、2日~3日でおさまります。
また、大きく口をあけるとひきつれ感が出ることがありますが、1カ月程度でおさまります。シルエットソフトは皮膚を切開することなく、針を刺して糸を通すだけなので、痛みやダウンタイムが軽度です。
シルエットソフトはメスを使って皮膚を切開したりしないので身体への負担は少ないですが、リスクがゼロというわけではありません。
これらの異常が出た場合でも一般的には施術後数日で解消することがほとんどです。万が一、症状が続くようならドクターに相談してください。
1本の糸を挿入するのに3つの針穴ができます。施術当日は針穴に小さな絆創膏を貼って保護します。翌日からはコンシーラーやファンデーションで隠せる程度ですが、針跡が数日のこります。
シルエットソフトは施術後すぐにリフトアップ効果を実感できますが、個人差はあるものの腫れやむくみなどのダウンタイムが数日続くので、結婚式や同窓会など、イベントの直前には施術しないほうがいいでしょう。 そのほか、施術当日や施術後1カ月くらいまでは普段の生活のなかで注意すべき点があります。
皮膚感染、皮膚に炎症を起こしている方や、ケロイド、創傷治癒に問題のある方、アレルギーが起きやすい方、出血しやすい方など、体質によっては施術を受けることができません。
また、感染症にかかっている方、感染症がきっかけとなって細菌などが増殖して炎症が全身に広がる敗血症(はいけつしょう)にかかっている方や、糖尿病などの基礎疾患を抱えている方なども適応外となります。
妊娠中の女性や授乳中の女性も、安全性が確認されていないので施術が受けられません。
何か思い当たる症状やそのほかに気になることがある方は事前にドクターにご相談ください。
スレッドリフトには種類がたくさんあって、それぞれ異なるデメリットとメリットがあります。シルエットソフトにもデメリットとメリットがあるので、一人ひとりのたるみの程度や希望によって、異なる特徴をもった糸を組み合わせて使用することによって効果を高めることもできます。
また、シルエットソフトと併用してヒアルロン酸注入をおこなったり、シルエットソフト施術後のメンテナンスとして照射治療を受けることも若々しい肌を保つために効果的です。
よりよい効果を求めるには、たるみ治療に精通していて、シルエットソフトをはじめとするスレッドリフトを熟知しているドクターに相談することをおすすめします。