BNLSは注射した部位の脂肪細胞を破壊する作用があり、皮下脂肪を減少に導くことで運動や食事制限ではむずかしい顔痩せや部分痩せを目指せる脂肪溶解注射の薬剤です。炎症や腫れが生じにくいため、まぶたをはじめとする顔に注射ができる薬剤で、まぶたが腫れぼったく見えたり重たく感じられる症状の改善が期待できるケースがあります。
しかし、まぶたが腫れぼったく見えたり重く感じられる原因によっては、BNLSでは改善の効果が期待できないケースもあります。
そのため、どのようなケースであればBNLSが有効であるか知っておくことで、ほかの施術を検討するべきか、またはBNLSをまぶたに注射することによる具体的な効果や注射量、リスクなど施術の特徴を知って疑問を解決した上で安心して施術を受けることができます。
もくじ
まぶたが腫れぼったく見えたり重たく見えてしまう主な原因は3つあって、まぶたに余分な脂肪がついているケース、まぶたの皮膚にたるみがあるケース、まぶたを持ち上げる筋肉の力が弱い眼瞼下垂(がんけんかすい)という病気によるものが挙げられます。
それぞれの原因ごとに症状の特徴や用いられる治療方法が異なり、脂肪溶解注射のBNLSで改善が期待できるのは、皮下の余分な脂肪によってまぶたが腫れぼったく見えたり重たく感じられる場合です。
原因 | BNLS |
---|---|
まぶたの余分な脂肪 | 〇 |
まぶたの皮膚のたるみ | - |
眼瞼下垂 | - |
まぶたが腫れぼったく見えたり重く感じられる原因が余分な脂肪か皮膚のたるみ、または眼瞼下垂であるか、自身で正確に見分けて判断することは困難なので医療機関でドクターによる診断を受ける必要があります。
BNLSがまぶたの脂肪を減少へ導くメカニズムについて説明する前に、まぶたが腫れぼったく見えたり重たく見えてしまう原因ごとの特徴について解説します。
まぶたの腫れぼったさを引き起こす原因である脂肪は「ROOF(ルーフ)」と「眼窩脂肪」の2種類があり、それぞれ存在する位置が異なります。
まぶたから眉毛辺りの皮下にかけて存在する脂肪で、まぶたを開閉する際につかわれる筋肉の眼輪筋と、眼窩脂肪(がんかしぼう)を包んでいる眼窩隔膜の間に挟まれている
ROOFよりも奥深くに存在して眼球の周囲を覆っている組織で、外部からの衝撃から眼球を保護するクッションのような役割がある脂肪
ROOFあるいは眼窩脂肪のいずれか、または両者が多くついていると脂肪の厚みによってまぶたが腫れぼったく見える原因となります。ROOFや眼窩脂肪のつき方は顔の脂肪量やもともとの体質などによって個人差がありますが、日本人をはじめとする東洋人は西洋人と比べてまぶたの脂肪が多い傾向にあるため、腫れぼったく見えやすいとされます。
ヒトの皮膚は外側から表皮・真皮・皮下組織(脂肪)の3層構造になっています。真皮層ではコラーゲンとそのコラーゲン同士を束ねている線維状のタンパク質であるエラスチンが存在して、さらにゼリー状の物質であるヒアルロン酸が水分を抱えながら満たしています。
真皮層が加齢や紫外線などによってダメージを受けると、水分を蓄える働きのあるヒアルロン酸や皮膚のハリと弾力を保つコラーゲンとエラスチンが劣化・減少してたるみやシワが生じます。加齢などによってまぶたの皮膚がたるみ、まぶたが重く感じられたり視野が遮られてしまう状態を眼瞼皮膚弛緩症(がんけんひふしかんしょう)といいます。
まぶたが重く感じられる原因が眼瞼皮膚弛緩症である場合、BNLSでは効果が期待できません。主な治療方法としては、上まぶたのたるんだ皮膚を切除する「眉毛下皮膚切除術」または「上眼瞼余剰皮膚切除術」が挙げられます。
眉毛下皮膚切除術と上眼瞼余剰皮膚切除術は、どちらも余分な皮膚を切除した後に切開した皮膚を縫い合わせることで眼瞼皮膚弛緩症を改善に導くことが可能です。前者は眉毛の下の生え際から眉下に沿って皮膚を切開、後者は二重のラインに沿って皮膚を切開するという点が異なり、上眼瞼余剰皮膚切除術の方が手術による傷跡が目立ちにくい傾向にあります。
まぶたを持ち上げて目を開く役割がある筋肉の力が弱いことによって、まぶたが下がって重く感じられたり視界が狭くなってしまう症状を眼瞼下垂といいます。両方のまぶたが同時に発症することもあれば片方だけが発症することもあり、まぶたを上げる筋肉の発育不全などによる生まれつきの先天性、または主に加齢による後天性のものがあります。
原因となる疾患がなく、主にまぶたを持ち上げる筋肉である眼瞼挙筋(がんけんきょきん)の形成不全や、筋肉を動かす神経の発達異常によって発症することがほとんど
まぶたを繰り返しこするなどの刺激が加齢とともに積み重なり、眼瞼挙筋の先にある挙筋腱膜(きょきんけんまく)が切れたり弛緩してしまうことで、まぶたを引き上げる力が伝わらなくなり発症することがほとんど
眼瞼下垂はいずれもBNLSによって改善するものではありません。まぶたを開く筋肉の眼瞼挙筋の機能が失われている、または弱いなど、一人ひとり異なる症状の程度と原因にあわせて外科的な手術のほか、メスによる皮膚の切開が不要の治療がおこなわれます。具体的にどのような治療方法が適応となるかは、医療機関でのドクターによる診察で決まります。
BNLSは注射による施術で脂肪細胞を減少に導く脂肪溶解注射の薬剤のひとつで、開発された順から「初代BNLS」・「BNLS Version2」・「BNLS neo」「BNLS Ultimate」の4種類があるシリーズです。BNLSはいずれも海藻やクルミなどから抽出した植物由来のエキスを主成分とする薬剤で、現在生産されているのはBNLS neoとBNLS Ultimateだけです。
そのため、医療機関における脂肪溶解注射の施術メニューでBNLSと表記があった場合、基本的にはBNLS neoまたはBNLS Ultimateを指します。
BNLS neoとBNLS Ultimateはそれぞれ植物由来のエキスに加えて、もともとヒトの体内で生成されるプリン体やアミノ酸・胆汁酸などを有効成分として含有しています。それぞれの有効成分は脂肪細胞を破壊したり分解された脂肪の代謝を促す働きがあるため、まぶたなど身体のさまざまな部位に存在する皮下脂肪を減少に導くことができます。
BNLSシリーズそれぞれの含有成分と各成分の特徴は次の通りです。
含有成分 | 初代BNLS | BNLS Version2 | BNLS neo | BNLS Ultimate |
---|---|---|---|---|
アデノシン三リン酸 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
アデノシン三リン酸二ナトリウム | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
セイヨウトチノキ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
チロシン | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ヒバマタ抽出エキス | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ペルシャグルミ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
マンヌロン酸メチルシラノール | - | 〇 | 〇 | 〇 |
メチルプロパンジオール | - | 〇 | 〇 | 〇 |
デオキシコール酸 | - | - | 〇 | 〇 |
L-カルニチン | - | - | - | 〇 |
アーティチョーク | - | - | - | 〇 |
カテキン | - | - | - | 〇 |
コエンザイムQ10 | - | - | - | 〇 |
BNLSはバージョンアップを重ねるごとに有効成分が追加され、脂肪分解作用の向上がはかられています。
[※1]Kybella (deoxycholic acid) injection:FDA
脂肪溶解注射の薬剤はBNLS以外にもさまざまな種類があります。薬剤は主成分をもとに大きく分けると「植物抽出成分が主成分の薬剤」と「デオキシコール酸やフォスファチジルコリンが主成分の薬剤」の2種類があり、BNLSは前者に分類されます。
デオキシコール酸はFDAから二重あごの脂肪溶解作用の効果が認められている成分であり、フォスファチジルコリンは大豆から抽出されるアミノ酸の一種で、脂質の代謝を高めたり血中のコレステロールの乳化を促す働きがあるとされる成分です。
デオキシコール酸やフォスファチジルコリンを主成分として高濃度で含む薬剤は脂肪を分解する作用に長けている一方で、副作用として炎症による大きな腫れが生じる可能性があることから、まぶたをはじめとする顔の部位への注射ができないものがあります。
BNLS neoとBNLS Ultimateはそれぞれデオキシコール酸を含有していますが、副作用を引き起こしにくい濃度で含有している点に加えて、植物抽出成分が主成分なので注射部位の炎症や腫れが生じにくく、まぶたを含めて顔への注射が可能な薬剤です。
ただし、まぶたが腫れぼったく見える原因が脂肪以外にもあり、余分な皮膚のたるみなどの影響もある場合は、BNLS注射による大きな変化は期待できません。より高い効果を感じるためには、余分なまぶたの皮膚の切除をおこなう外科的な治療が必要となることがあります。
まぶたから眉毛辺りの皮下にかけて存在する脂肪のROOFが厚いことによってまぶたが腫れぼったく見えてしまう場合、BNLSneoまたはBNLS Ultimateの注射による治療は選択肢のひとつになります。脂肪の分解と代謝を促すBNLSの作用によってROOFを減少に導き、腫れぼったさのないスッキリとしたまぶたを目指すことが可能です。
外科的な手術による除去も可能ですが、ROOFはまぶたを開閉する際につかわれる筋肉の眼輪筋と眼窩隔膜の間に挟まれており、まばらに散らばって広範囲に分布しているため、外科的な手術で満遍なく除去するのは困難とされます。除去にムラがあった場合、以前までなかったまぶたのラインが新たに出現する「予定外重瞼線」が生じることがあります。
外科的に除去する際は皮下の細かい血管を避けつつ広範囲に分布するROOFを摘出していく細かい手技が施術者に求められるので、施術者が広い視野を確保するためにまぶたの皮膚を広範囲で切開する全切開の術式で基本的におこなわれます。そのため、外科的なROOFの除去は手術後に長いダウンタイムを伴う治療方法です。
一方で、BNLSの注射はメスによる皮膚の切開が不要であるため長いダウンタイムを伴いません。また、施術者が薬剤を少量ずつROOFが存在する部位に対して広範囲に注射することで満遍なく作用させることができるため、ROOFが原因でまぶたが腫れぼったく見える際は、BNLSによる治療方法が選択されることがあります。
眼窩隔膜よりも奥に存在して眼球の周囲を覆っている眼窩脂肪は、ROOFと異なり柔軟性のある塊状の脂肪組織です。眼窩脂肪に対して薬剤を作用させるためには、手前にある眼輪筋・ROOF・眼窩隔膜を通過して眼窩脂肪がある層へ正確に注射しなくてはいけません。
眼窩脂肪以外の部位へ薬剤を作用させないためには、施術者が解剖学に精通しているなど、まぶたの皮下に存在する組織それぞれの厚さや深さを正確に判断できる知識と技術が求められます。また、眼窩脂肪は眼球の近くにある組織である点に加えて、薬剤は副作用としてごく稀に重度の炎症による強い腫れを引き起こすリスクがあります。
そのため、眼窩脂肪への脂肪溶解注射はBNLSに限らず、万が一に備えて眼科の救急診察ができる医療機関以外では受けるべきではないとされています。眼窩脂肪に対する注射を可能とする医療機関もありますが、施術を受ける際は眼科の救急診察が用意されているか確認することに加えて、リスクがあることを十分に理解した上で検討してください。
BNLS neoとBNLS Ultimateのまぶたに対する施術1回あたりの注射量は、ともに1cc程度が目安とされます。まぶたに限らず、BNLSの薬剤は1回あたりの上限を大幅に超えた量を注射すると、副作用として施術部位に腫れや炎症があらわれるリスクがあります。
まぶた以外の部位に対しても注射を希望する場合は、顔の場合で20cc、体の場合で50cc以内が施術1回あたりの上限です。複数の部位に対して施術を希望する際、減少させたい皮下脂肪の量が多くて、1回あたりの施術で注射できる量の上限を超えてしまう場合は施術を複数回にわけておこないます。
また、純正のBNLSはガラス製の瓶(バイアル瓶)に原液が10cc入っており、実際に施術をおこなう際は瓶から原液を1回の施術あたりに使用する量だけ注射器で吸い上げた後に、希望する部位へ注射します。感染症のリスクを防ぐために、1度施術で使用した注射針はほかの施術で再使用されることはありません。
BNLSをはじめとする脂肪溶解注射の薬剤の多くは皮下注射した際に痛みを感じる刺激性であり、実際に施術をおこなう際は原液に対して少量の局所麻酔薬を加えて注射をおこなう医療機関もあります。
使用するBNLSの原液に対して加える麻酔薬の比率は医療機関によって多少差がありますが、おおよそ「原液1cc:麻酔薬0.1cc」が標準的とされていて、原液をそのまま注射するよりも痛みを感じにくくなります。
そのため、BNLSの施術料金は実際に注射した薬剤の総量ではなくて、自身の施術で使用した原液の量をもとに決まるのが一般的です。麻酔薬の有無によって施術の効果が変わることはないといわれており、原液をそのまま注射すると示す医療機関もあります。
BNLSは植物抽出成分が主成分であり、デオキシコール酸やフォスファチジルコリンを主成分に高濃度で含むほかの薬剤と比べると、炎症や腫れが生じにくい一方で脂肪を分解する効果がマイルドな薬剤といえます。
そのため、腹部や背部、太もものセルライトといった皮下脂肪の量が多い身体の部位に対して注射をおこなう場合、施術を複数回受けると効果をより感じられる傾向にあります。しかし、まぶたは身体の部位のように多くの脂肪がつくことはほとんどないため、1回の施術でも効果を感じられることがあります。
施術を受けた後の経過としては、2日~3日ほど炎症による腫れが生じることがあります。また、BNLSをはじめとする脂肪溶解注射は施術直後から脂肪の減少を感じられるものではなく、3日~7日間ほどをかけて徐々に効果があらわれはじめます。
1回の施術では十分な効果が感じられなかった場合、注射量についてドクターと相談しながら2回目の施術を受けるか検討してください。
注射針を使用してBNLSを注射する際に皮下の細かい血管が注射針で傷つけられると、内出血が起きて皮膚の表面に赤みが生じることがあります。ただし、血液中を無数に流れる血小板が血栓をつくる働きによりすぐに止血されるので、内出血による赤みが生じても1週間~10日程度で治まる傾向にあります。
また、まぶたの脂肪を過剰に除去した場合、顔全体のバランスが崩れてしまったり目もとに左右差が生じるリスクがあります。そのため、注射量については医療機関でのカウンセリングにてドクターと相談して、アドバイスを受けつつ慎重に決めてください。主な副作用としては、炎症による腫れ・赤み・痛み・熱感・つっぱり感などが挙げられます。
BNLSの注射後は炎症によって2日~3日ほど施術部位に腫れや赤みが生じることがあります。また、ごく稀に施術部位の痺れ・かゆみ・蕁麻疹の症状があらわれる可能性がありますが、BNLSは植物抽出成分が主成分であることから、一般的な脂肪溶解注射の薬剤と比べてダウンタイムは短いので、これらの症状は2日~3日で落ち着くといわれています。
万が一、痺れ・かゆみ・蕁麻疹の症状が長期間続いた際は、誤った対処による悪化を防ぐためにセルフケアは避けて、施術を受けた医療機関に相談してください。
セルフェーズ(Celluphase)は脂肪溶解注射の薬剤のひとつです。デオキシコール酸やフォスファチジルコリンを含まない薬剤で、植物抽出成分を主成分とするため炎症や腫れが生じにくく、まぶたへの注射が可能とされています。
脂肪を分解する胆汁の分泌や分解された脂肪の排出を促す働きがあるアーティチョーク、主に抗炎症の作用がある落葉樹のハマメリス葉から抽出したエキス、中性脂肪を分解したり血液中のコレステロールを乳化させることで体外への代謝を促す働きがあるマンヌロン酸メチルシラノールなどの成分を含有しています。
施術1回あたりのまぶたに対する注射量は1cc程度が目安で、施術を受けた後は軽度の腫れ・赤み・熱感・痛みなどを感じることがありますが、ほとんどの場合は2日~3日以内に落ち着くとされます。
植物抽出成分を主成分としている点はBNLSと同じですが、セルフェーズは脂肪細胞を覆っている細胞膜を溶解させて破壊する作用のあるデオキシコール酸を含まない薬剤です。炎症や腫れが生じにくい一方で、血流とリンパの循環を促して代謝を高めることで分解された脂肪の排出を目指すため、脂肪減少の作用はおだやかとされています。
脂肪溶解注射のひとつであるアルフォコリン(Alfocolin)は大豆から抽出した成分のGPC(グリセロホスホコリン)を主成分とする薬剤で、韓国・食品医薬品安全省から医薬品としての承認を受けています。GPCは大豆の脂質のひとつであるレシチンから生成される成分で、ヒトの母乳などにも含まれており脂肪細胞に作用して溶解させる働きがあるとされます。
デオキシコール酸やフォスファチジルコリンを主成分とした薬剤ではないため、炎症や腫れや生じにくいとされますが、大豆アレルギーの症状がある方は施術を受けることができません。また、施術1回あたりのまぶたに対する注射量は1cc程度が目安で、施術を受けた後は副作用として3日間ほど軽度の腫れ・赤み・熱感・痛みなどがあらわれる場合があります。
対して、BNLSは大豆を由来とする成分を含有しておらず大豆アレルギーの方でも施術を受けることが可能ですが、1ccあたりの施術料金はアルフォコリンの方がリーズナブルな傾向にあります。
まぶたの余分な脂肪を外科的に取り除く手術が上眼瞼脱脂術(じょうがんけんだっしじゅつ)です。除去する対象がROOFであるか眼窩脂肪であるかによって、それぞれを単独で除去する術式を「ROOF除去術」や「眼窩脂肪除去術」などと呼ぶ医療機関もあります。また、上眼瞼脱脂術は二重整形の切開法などほかの手術と同時におこなわれる場合があります。
上眼瞼脱脂術を単独でおこなう際の基本的な内容としては、二重のラインまたは眉毛の下の生え際から眉下に沿って皮膚を切開し、ROOFの場合は眼輪筋や眼窩隔膜に張り付いているので丁寧に剥がすようにして除去、あるいは眼窩脂肪の場合、奥の眼窩隔膜も切開した後にその孔から眼窩脂肪をピンセットで引き出すようにして除去をおこないます。
ROOFと眼窩脂肪の両者が多くついている場合は、これらの除去を同時におこなうと示す医療機関もあります。また、脂肪に加えて余分な皮膚があることでまぶたが腫れぼったく見える際は、脂肪の除去と同時に皮膚の切除がおこなわれることも少なくありません。脂肪(または脂肪と余分な皮膚)を取り除いた後に切開部を縫い合わせて手術は終了で、5日~7日後を目安に再び来院して抜糸となります。
手術の傷跡については、眉毛の下の生え際から眉下に沿って皮膚を切開するより、二重のラインに沿って切開をおこなう方が目立ちにくいとされています。ダウンタイムは1週間~2週間ほどが目安で、その間は主に炎症による腫れや疼痛、内出血、赤みといった症状があらわれる傾向にあります。
BNLSの注射によるダウンタイムは2日~3日程度とされるため、上眼瞼脱脂術は長いダウンタイムを伴う手術となりますが、BNLSをはじめとする脂肪溶解注射は眼窩脂肪に対する施術が推奨されていません。一方で、上眼瞼脱脂術はROOFに限らず眼窩脂肪の除去もおこなうことができ、余分な皮膚がある際はこれも取り除くことができるため、より確実に変化を感じることができる治療方法です。
BNLSの注射は部位を問わず、麻酔クリームや笑気麻酔の使用によって痛みをやわらげて施術を受けることが可能です。また、施術に使用する注射針は痛みを感じにくい極細の針を使用する医療機関がほとんどです。
ただし、医療機関によっては麻酔の使用をオプションメニューとしており、別途で料金が発生することがあります。痛みを感じる程度には個人差がありますが、目もとは多くの毛細血管や神経が存在して刺激を感じやすい非常にデリケートな部位であるため、痛みが苦手な方は麻酔の使用を希望してください。
施術によって生じた注射針の痕から細菌が侵入すると、化膿したり腫れてしまうことがあります。針痕からの細菌侵入を防ぐために、施術を受けた当日はできるだけまぶたに触れないで過ごしてください。また、施術部位が落ち着いて針痕が完全に塞がるまではプールや海水浴も控えることが推奨されています。
アルコールの摂取や入浴・激しい運動などは血管を拡張させて血流量を増加させる働きがあり、内出血や腫れが悪化してしまう可能性があるため、施術を受けた当日は控えてください。また、シャワーは施術を受けた当日から可能ですが、サウナは施術を終えた後の3日間は控えることが推奨されています。
まぶたへBNLS注射をおこなう場合、施術の前にクレンジング・洗顔をおこなってメイクを落とします。メイクは施術を受けた翌日から可能とされているため、気になる方は施術を受ける当日に目もとを隠せるサングラスや帽子などを持参してください。
BNLSの注射はまぶたが一重か二重であるかを問わずに受けることが可能ですが、以下の項目に該当する方は施術を受けることができません。
また、医療機関によっては18歳以下の方に対しての施術や、まぶたに対する注射をおこなっていないことがあります。そのため、施術を検討する際は事前に各医療機関のホームページやお問い合わせ先から対応している年齢と部位について確認してください。
BNLS neo、BNLS Ultimateは厚生労働省未承認医薬品です。 | ||||
医薬品の入手経路:入手経路は各医療機関のドクターによるメーカーからの個人輸入です。 個人輸入において注意すべき医薬品等について(厚生労働省のページ) |
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日本国内での承認の有無:BNLS neoおよびBNLS Ultimateと同一の成分・作用があり、日本国内で承認を受けている医薬品はありません。 | ||||
諸外国における安全性等に関する情報:BNLS neo、BNLS Ultimateの有効成分であるデオキシコール酸は、米国のFDAから下記の承認を取得しています。
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現在生産されているBNLS neoおよびBNLS Ultimateはどちらも厚生労働省未承認の医薬品で、保険が適用されない美容を目的とした自由診療にあたるため料金は全額自己負担となります。注射量1ccあたりの料金相場は次の通りです。
BNLS neo | 4,400円~16,500円 |
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BNLS Ultimate | 5,500円~16,500円 |
まぶたが腫れぼったく見えたり重く感じられる悩みは、それぞれの原因ごとに適した治療方法が異なります。原因が余分な脂肪か皮膚のたるみ、または眼瞼下垂であるか正確に知るためには、医療機関でドクターによる診断を受ける必要があります。
BNLSは注射した部位に存在する皮下脂肪に作用して、脂肪細胞を破壊したり代謝を促すことで部分痩せを目指す施術です。そのため、まぶたが腫れぼったく見えたり重く感じられる原因が余分な脂肪によるものではなく、皮膚のたるみや眼瞼下垂によるものである場合、BNLSでは効果が期待できません。
また、脂肪が原因であったとしても、過度に減少させてしまうと顔全体のバランスが崩れて見えるなどのリスクがあるため、まぶたのBNLS注射を検討する際は、一人ひとり異なる脂肪の付き方と量に応じて適切な注射量がわかるドクターのもとで施術を受けると安心です。