ケミカルピーリングは、薬剤をつかって皮膚表面に蓄積した角質をはがすことで、皮膚の新陳代謝であるターンオーバーの正常化を促進するため、保湿など肌本来の機能の活性化が期待できます。
ケミカルピーリングによって、角質が除去され毛穴のつまりが取り除かれるためニキビの効果が期待でき、またニキビができにくい肌へと導きます。
ピーリングは自宅でおこなうこともでき、美容皮膚科のほか一般皮膚科でもケミカルピーリングによるニキビの治療がおこなわれています。
しかし、自宅でおこなうピーリングと、美容皮膚科や一般皮膚科でおこなうニキビ治療にはそれぞれ違いがあります。
そのため、ニキビの治療を効果的におこなうために、それぞれの違いを知っておくと、自身にあった施術を受けられるだけでなく、安心して施術を受けることができます。
もくじ
ケミカルピーリングの主な作用は、グリコール酸やサリチル酸といったピーリング剤を皮膚表面に塗布して、古い角質を除去することです。古い角質を剥がし落とすことで、皮膚の新陳代謝である「ターンオーバー」の周期の乱れが正常化し、また角質を除去した後に保湿を促す施術をおこなうことで、新しい皮膚の再生をはかります。
ターンオーバーの周期は早くても肌に影響があり、正常に保つことが重要です。
ケミカルピーリングは皮膚を表面から化学的に融解し,その後の創傷治療やそれに伴う炎症反応によって皮膚の再生を促す治療であり,主に皮膚の美容的改善を目的としたskin resurfacingの一手法である.
肌は、表皮層・真皮層・皮下組織の3層から成り、また表皮は上から角質層・顆粒層・有棘(ゆうきょく)層・基底層で成り立っています。
表皮の一番下にある基底層では基底細胞が再生されて、基底細胞はケラチノサイト(角化細胞)を生産し続けます。
角化細胞は、有棘細胞となって有棘層を形成し、有棘細胞は顆粒細胞となって顆粒層を形成することで、徐々に皮膚表面に押し上げられていきます。そして、最終的に核のない角質細胞へと変化して垢となって剥がれ落ちます。
基底細胞の生成から角質細胞として剥がれ落ちるまでの過程を「ターンオーバー」といい、28日~40日周期でおこなわれ、歳をとるほど周期が長くなります。
このターンオーバーの周期が乱れると、角質が剥がれ落ちず蓄積していきます。するとメラニン色素も排出されず蓄積するため、肌がくすんでシミがあらわれやすくなります。
ケミカルピーリングで、古い角質を剥がし落とすことでくすみやシミの改善が期待できます。
ターンオーバーの周期が短いと、成長が不十分な細胞が皮膚の上層に押し上げられることで、外部からの刺激を防ぐことができず乾燥などの肌荒れが生じます。
ターンオーバーの周期が早まるとは、つまり角化細胞の生成が早まるため、角質細胞内の水分を保持する天然保湿成分のNMF(ナチュラル・モイスチュアライジング・ファクター)の生成も早まります。それによって、通常よりも水分が少ないNMFが生成されて、形や大きさが異なる角質細胞が生成されます。 形や大きさが異なる角質細胞によって、皮膚に凹凸と隙間ができ、肌の水分を保つために必要な皮脂や角質同士の隙間を埋める「角質細胞間脂質」が減少することで、水分が蒸発して肌が乾燥しやすい状態になります。
肌は、角質層の潤いと皮脂によるバリアによって紫外線などの外部刺激から守られていますが、潤いが減って乾燥すると、バリアが低下して外部からの刺激を受けやすくなります。
そこで、ケミカルピーリングで不要な角質を除去した後に、保湿に有効な成分を肌に届ける「イオン導入」などをおこなうことで、肌の保湿効果が高まります。
また、ピーリング剤によっては肌のハリ・弾力の元であるヒアルロン酸やコラーゲン、コラーゲンを束ねている弾力線維のエラスチンの生成が促され、乾燥による小ジワの改善が期待できます。
ターンオーバーの周期が早まる原因には、加齢や栄養バランスの悪い食事、ビタミン不足などの生活習慣に加え、紫外線や花粉、過度なクレンジングや洗顔の摩擦といった外部からの刺激があります。
生活習慣や外部からの刺激をうけると、肌の内部を守ろうと基底細胞や角化細胞の生成が早まります。
ターンオーバーの周期が乱れて水分量が不均一で細胞の大きさが不揃いの肌は、肌内部に届く光が反射する量が少なく、また凹凸のある角質細胞によって光が散乱して肌がくすんで見えます。
しかし、ターンオーバーの周期が正常化すると、水分量が均一化することで細胞の大きさが揃って、光を反射する透明感のある肌を目指せます。また、肌の水分が保たれるので肌のバリア機能が働いて、紫外線などの外的刺激から肌を守ることができます。
古い角質を取り除くことで、ニキビの原因となる毛穴のつまりが改善され、シミのもととなる蓄積したメラニン色素の排出が促されます。また、ヒアルロン酸・コラーゲン・エラスチンの生成が促進されることで、小ジワの改善や肌の凹凸の改善が期待できます。
ニキビは、皮脂や古い角質が毛穴の入り口に蓄積して角栓となり、毛穴がつまることで発症します。また、皮脂をエサとするアクネ菌が増殖すると、炎症を起こして痛みや膿をともなうようになります。 ケミカルピーリングは古い角質を取り除くため、毛穴のつまりである角栓が取り除かれることで、初期のニキビの改善が期待できます。また、ピーリング剤には、アクネ菌を減少させる作用があるため、炎症しているニキビにも効果があるといえます。 さらに、ターンオーバーの周期が正常化することで、毛穴のつまりができなくなるため、ニキビが発症しにくい肌の状態へと導きます。
一般的な治療に反応しない痤瘡(ニキビ)に対してケミカルピーリングをおこなったところ、約84%に効果が認められたという報告があります。
当院では2000年より一般的な治療に反応しない痤瘡に対しケミカルピーリングを積極的に行ってきた.ケミカルピーリングを施行した231例のうち痤瘡患者は184例で,グリコール酸,サリチル酸によるケミカルピーリングを施行した.そのうち継続施術した165例中57例が著効,81例が有効と判定し,合わせて約84%に効果が認められた.
引用元:当院で行った痤瘡に対する ケミカルピーリングの臨床経験165例の検討/日本臨床皮膚科医会雑誌/34 巻 (2017) 3 号/
ニキビは、進行過程によって段階が区別され、「維持期」の白ニキビ・黒ニキビ、「急性炎症期」の赤ニキビ・黄ニキビに分けられ、白ニキビから黒ニキビ、黒ニキビから赤ニキビと段階を経て進行します。
白ニキビは「面皰(めんぽう)」ともよばれ、皮脂や角質が毛穴の入り口に蓄積されて毛穴が閉じている状態のため、「閉鎖面皰」とよばれます。
まだ炎症が起こっておらず痛みやかゆみなどの症状がないため、気が付きにくいニキビです。
黒ニキビは、毛穴が開いて毛穴に詰まった角栓が酸素に触れて酸化して黒くなった状態のニキビです。
毛穴が開いている状態のため「開放面皰」とよばれます。白ニキビと同様に炎症が起きていないため、痛みやかゆみはありません。
赤ニキビは、皮脂を餌にするアクネ菌が増殖し、痛みやかゆみ、赤みや腫れなどの炎症をともなうニキビです。
赤ニキビになると、アクネ菌の増殖による炎症が起こり、まわりの健康な皮膚組織も損傷することがあるため、ニキビ跡になりやすいといわれています。
黄ニキビは別名膿ニキビともいわれていて、名前の通り毛穴に膿がたまって黄色く見える状態を指します。
アクネ菌が増えすぎるとアクネ菌を撃退するために、異物から身体を守る白血球が増殖します。アクネ菌と戦った白血球の死骸がたまると膿になります。
膿がたまったニキビは、表皮層の下にある真皮層や皮下組織まで損傷している状態であるため、肌が陥没するニキビ跡(クレーター)になりやすい傾向にあります。
ニキビは年代によって「思春期ニキビ」「大人ニキビ」ともいわれます。なお、ケミカルピーリングは皮脂分泌が活発な思春期のころにできる「思春期ニキビ」でも、20代以降にできる「大人ニキビ」でも効果が期待できます。
思春期ニキビは、主に小学生から高校生のころにできるニキビのことを指します。
思春期は、女性は副腎アンドロゲン、男性は副腎アンドロゲンと性腺テストステロンのホルモンの値が上昇する時期です。これらの性ホルモンの値の上昇は、皮脂を分泌する皮脂腺の発達に大きく影響します。そのため、思春期は発達した皮脂腺から皮脂が過剰に分泌するため、毛穴に蓄積してニキビができやすくなります。
思春期ニキビは、おでこや鼻周りのTゾーンなどの皮脂が分泌する部位に集中する傾向があります。
大人ニキビは、20代以降にできるニキビのことを指します。思春期ニキビと異なり、睡眠不足や偏った食生活といった生活習慣によるホルモンバランスの崩れや、誤ったスキンケアにより、皮膚のターンオーバーの周期が乱れることが原因です。
そのほか、ストレスで免疫力が低下することでもニキビができやすくなります。
大人ニキビは、フェイスラインや首など皮脂腺が少ない部位にできる傾向があります。
サリチル酸はマクロゴールあるいはエタノールに溶かしてつかい、それぞれ「サリチル酸マクロゴール」「サリチル酸エタノール」といわれます。
ただし、サリチル酸エタノールは皮膚の深部まで浸透して血液に吸収されると、サリチル酸中毒になる可能性があるため、一般的に使用されるのはサリチル酸マクロゴールです。
サリチル酸には角層除去作用と抗炎症作用があり、マクロゴールに溶かすことで、皮膚深部への浸透を防ぎながら、角質を除去することでニキビ治療の効果が期待できます。
なお、サリチル酸を中和・調整すると、再結晶して製剤化するのがむずかしいため、医療機関で使う場合は、濃度が30%かつphの値は1.7と決まっています。
phとは、酸性・アルカリ性の度合いを表す値で、ph値「7」が中性、それより小さいと酸性、大きいとアルカリ性になり、アルカリ性が強いほどピーリングの効果はマイルドになります。
ピーリング剤は、濃度が高くなるほど皮膚への負担が大きく、肌がただれるなどの炎症を起こすこともあります。そのため、市販の自宅でつかえるピーリング剤は安全に使用できるように、医療機関で使うものよりも濃度を薄めて販売されています。
サリチル酸は、厚生労働省が定める化粧品基準によって、医療機関では30%の濃度で使用できますが、市販化粧品では配合できる上限が、製剤の0.2%に定められています。[※3]
[※3]化粧品基準「すべての化粧品に配合の制限がある成分」より:厚生省告示第 331 号
グリコール酸は、角質を柔らかくして剥がす作用がある「a-ヒドロキシ酸(AHA)」別名フルーツ酸のひとつです。古い角層が除去されて角層が薄くなり、表皮層の水分保持力の向上も期待できます。
グリコール酸は、肌の状態にあわせて濃度とph値を調整してつかいます。また、肌に塗布してグリコール酸を浸透させる時間を長くすると、角質層の下まで作用するため、サリチル酸マクロゴールよりも深くまで剥がし落とす効果が期待できます。
ただし、酸性が強いとピーリングの効果が強くなり、濃度が30%以上かつphの値が2以下の強い酸性の状態で皮膚に塗布すると、皮膚がただれたりかさぶたができることがあるため注意しなければなりません。
グリコール酸によるケミカルピーリングは、シワの改善も期待できます。
シワができる原因には、ヒアルロン酸やコラーゲン、コラーゲンを束ねている弾力線維のエラスチンの減少があります。
グリコール酸を皮膚に塗布すると、角化細胞に反応して、細胞間の情報伝達をおこなうたんぱく質「サイトカイン」が分泌されます。それによって、ヒアルロン酸やコラーゲンを生成する線維芽細胞が刺激されて、ヒアルロン酸やコラーゲンの生成が促進されます。
ヒアルロン酸やコラーゲンが多く生成されるとエラスチンも増加するため、シワの改善が期待でき、弾力のある肌質へ導きます。
また、ニキビの炎症で真皮層までダメージを受けているクレーター肌にグリコール酸を塗布すると、ヒアルロン酸・コラーゲン・エラスチンが増加するため凹みが改善され、肌の凹凸が目立たなくなります。
日本で3.6%より濃度が高いグリコール酸のピーリング剤を市販するには、毒劇法の「劇物」に指定されるため、薬剤師や応用科学に関する学科を終了した人など、法律で定められている方のみが取得できる「劇物取扱責任者」の資格が必要です。そのため、3.6%よりも濃度が高い商品を入手することは難しくなっています。
しかし、海外から個人輸入で入手できる海外製品のピーリング剤には3.6%以上のものがあり、他人への譲渡や販売は法律で禁止されていますが、購入した本人であれば使用することができます。ただし、皮膚がかぶれたり、赤みが強く出ることもあるため、使用の際には十分な注意が必要です。
なお、海外から個人輸入できる海外製品においても、医療機関でつかわれているようなグリコール酸が30%配合されているピーリング剤はほとんどありません。
自宅でできるピーリングは、医療機関でおこなうケミカルピーリングのように、薬剤を皮膚に塗布して拭き取るタイプもありますが、薬剤が含まれるスキンケア用品をつかって効果を促すことがほとんです。またピーリング剤の濃度が低いため、作用は表皮の一番上にある角質層にとどまります。
医療機関でおこなうケミカルピーリングは、ピーリング剤の種類やピーリング剤を塗布して拭き取るまでの時間によって、表皮の一番上にある角質層だけではなく、その下にある顆粒層・有棘層・基底層まで剥がすことができます。
石鹸によるピーリングは、自宅で手軽にできるピーリング方法のひとつで、顔だけでなく全身に使用できることがほとんどです。石鹸ピーリングに配合される主な成分は、フルーツ酸やサリチル酸です。
洗顔につかう石鹸として毎日使用できて、簡単かつ手軽にピーリングできる方法です。
ピーリングジェルは液状で肌の上でこすると白い塊になり、同時に古くなった角質と汚れをからめとります。摩擦を受けることで固まる「ゲル化剤」と、殺菌や除菌の効果がある「陽イオン界面活性剤」が主な成分です。
ウォーターピーリングとは、薬剤を使用せずに専用の機械を使用して水と振動で古い角質や角栓を落とす方法です。
ケミカルピーリング直後は、施術部位がヒリヒリして赤みが出る場合がありますが、2日~3日でおさまる傾向にあります。
ただし、痛みがひどく赤みが消えない場合は、ピーリング剤をアルカリ性で中和して刺激を抑えることができるので、医療機関を受診してください。
ニキビ治療としてケミカルピーリングをおこなうと、赤みや皮むけ、ニキビの炎症部分が腫れて悪化したように見えることや、ニキビが増えることがありますが、治療の過程で現れる一時的な悪化である好転反応です。
3日~4日で改善することがほとんどですが、腫れや赤みが引かないようであれば医療機関を受診してください。
妊娠中の方は、ホルモンバランスの変化によって肌の状態が変化しやすく、肌が荒れやすいため、施術前にドクターに妊娠中である旨をお伝えください。
ピーリング剤を塗布する際に、ヘルペスの菌が顔全体に広がる可能性があるため、ヘルペス治療中の方は事前にドクターにご相談ください。
ピーリング剤が皮膚深くまで浸透すると、傷跡やケロイドになる可能性があるため、以前にケロイドになったことがある方は施術前にドクターにお伝えください。
顔の手術や放射線治療を受けると、角質層が減少または消失して皮膚が乾燥した状態になります。
乾燥した肌にピーリング剤を塗布すると、放射線治療によって薄くなった角質がさらに薄くなって、皮膚深くまでピーリング剤が浸透し、傷跡が残る場合があります。
ケミカルカルピーリングは、一度の施術でニキビの改善がみられることもありますが、複数回受けることにとって、より高い効果が期待できます。
グリコール酸 | サリチル酸 | |
---|---|---|
施術の回数 | 3回~10回 | 3回~6回 |
施術の間隔 | 2週間~1カ月 | 1カ月 |
ケミカルピーリングは自由診療のために保険が適用されません。そのため、医療機関によって、4,000円~15,000円と料金が異なります。
また、医療機関によっては、ケミカルピーリング単体の費用ではなく、ニキビ治療としてケミカルピーリングとほかの施術のセット料金が表示されていることもあります。
ケミカルピーリングは、性別にかかわらずどなたでも施術を受けることが可能です。ただし、施術前には以下のことに注意してください。
ケミカルピーリングの前に、髭剃りや脱毛、スクラブ洗顔などで角質層にダメージを与えると、ピーリング剤が皮膚深くに浸透しやすくなるため、腫れや赤みが生じることがあります。そのため、髭剃りや脱毛、スクラブ洗顔などを前日におこなうことは控えてください。
施術の1カ月前に、ケミカルピーリングやレーザー治療をおこなっている方は、肌の状態によってはケミカルピーリングがおこなえない場合がありますので、施術の前にドクターにご相談ください。
ケミカルピーリングの施術を受けた肌は、一時的に乾燥してデリケートになっています。そのため、施術後の約1週間は、肌に刺激を与えないようにすることで、ケミカルピーリングによって改善された肌質の持続が期待できます。
ケミカルピーリングの施術後は、古い角質が取り除かれて肌が紫外線を吸収しやすくなっているため、紫外線対策をしっかりおこなうことが推奨されています。
ケミカルピーリング後は角質層が薄くなっているため、施術部位を強くこっすたり、過剰な保湿をおこなうことは避けてください。刺激が強いあかすり脱毛などをすることで、傷跡やケロイドになる可能性があります。
また、パックなどによって過剰に保湿をすることで、必要以上に皮脂が毛穴に蓄えられる可能性があります。すると皮脂を餌にするアクネ菌やブドウ球菌が増殖して、ニキビができやすくなります。
パーマや毛染めをおこなう際に使用される薬剤が肌に付着すると、荒れたり赤みを帯びる場合があるため、ケミカルピーリングをおこなってから約1週間ほどはパーマや毛染めは控えてください。
プールに含まれている塩素剤が肌に刺激を与えるため、ケミカルピーリングの施術後約1週間は、プールは控えてください。
ニキビ治療にはケミカルピーリングのほかに、外用薬や内服薬などもあり、それぞれ単独でニキビ治療がおこなわれることもありますが、ケミカルピーリングと併用することで相乗効果が期待できます。
ディフェリンゲル(アダパレン) | 皮膚のターンオーバーを促して毛穴のつまりを防ぐ |
---|---|
ベピオゲル(過酸化ベンゾイル:BPO) | 皮膚の古い角質を除去し、毛穴のつまりを改善。 アクネ菌・黄色ブドウ球菌の増殖を抑制 |
エピデュオゲル | ディフェリンゲルとベピオゲルを配合 効果が高い反面、赤みや皮むけなどの副作用がある |
クリンダマイシン | アクネ菌・黄色ブドウ球菌の繁殖を防ぐ抗菌作用、炎症を抑える働きがあり、炎症を伴うに効果が期待できる抗生物質 |
デュアック配合ゲル | ベピオゲルと、クリンダマイシンを配合 抗菌、炎症を抑制 |
ゼビアックスローション・ アクアチムクリーム |
主成分は異なるが、いずれも抗菌作用や抗炎症作用がある抗生物質 |
上記で紹介した外用薬は保険が適用されます。
ロアキュテイン | 過剰な皮脂分泌を抑制、アクネ菌や黄色ブドウ球菌の増殖を抑制 炎症が進んでいる赤ニキビと黄ニキビに有効 非常に強い効果があるので、必ずドクターの診察のもと、用量用法を厳守し服用 |
---|---|
ビブラマイシン | アクネ菌や黄色ブドウ球菌を殺菌 炎症を抑える作用がある抗生物質 赤ニキビと黄ニキビに有効 |
ミノマイシン | アクネ菌や黄色ブドウ球菌の増殖を抑制 殺菌作用もあるため赤ニキビと黄ニキビにに有効 /td> |
ロアキュテインはFDA承認の重症ニキビ治療のための内服薬ですが、日本では認可されていないため、保険が適用されませんが、残り2つは保険が適用されます。
イオン導入は別名イオントフォレーシスとも呼ばれ、微弱な電流を皮膚に流しながら有効成分を肌に浸透させる治療法です。
ケミカルピーリングで角質を除去して、肌の状態を整える「ビタミンC」や肌荒れや乾燥を防ぐ「トラネキサム酸」をイオン導入することで、効果的なニキビの改善が期待できます。
ホルモン治療の一種である低用量ピルを服用し、女性ホルモンのバランスをコントロールして過剰な皮脂分泌を抑えることで、ニキビができにくい肌質へ導く効果が期待できます。
ただし、長期に渡って毎日同じ時間帯に飲み続ける必要があります。
ニキビは、年齢に関わらずできる身近な肌トラブルであることから医療機関を受診する人は多くありません。しかし、一度できると慢性化しやすい皮膚病の一種です。
自然に治癒することもありますが、自己流のスキンケアではニキビが悪化し、ニキビ跡になる場合があります。
ニキビ跡になると自然に治ることはほとんどなく、改善するための施術期間も長期化する傾向にあります。
炎症をともなわない初期の段階でも医療機関を受診して適切な治療をおこなうことで、ニキビの悪化やの慢性化を防ぐことができます。
一般皮膚科と美容皮膚科のいずれにおいても、ケミカルピーリングによるニキビ治療をおこなうことができます。
一般皮膚科のニキビ治療では、美容医療と比較するとニキビに対する施術の種類が限られるため、炎症の有無などニキビの進行状況に関わらず全てのニキビに対して同じ治療法をすることがあります。
一方美容医療は、施術やマシン・薬剤の種類が豊富なので、ニキビの進行にあわせたて施術を受けることができ、効果的なニキビの改善を目指すことができます。
(2021年1月更新)