鈴木芳郎医師のいる医療機関
ドクタースパ・クリニック
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耳からこめかみあたりの目立たない部位の皮膚をメスによって切開して、皮膚や皮下組織を引き上げてたるみを解消する手術がフェイスリフトです。
たるみを改善に導くリフトアップの施術としては、フェイスリフトのほかに、引っ掛かりのある特殊な糸(スレッド)を皮下に挿入して顔や首元のたるみを引き上げるスレッドリフト(糸リフト)や、高周波やHIFU(超音波)といったマシンによる照射治療などがあります。なかでも切開式のフェイスリフトは手術後の腫れやむくみといったダウンタイムが長い傾向にありますが、リフトアップ作用が高く、効果の持続期間も長期に渡ります。
たるみが生じる原因とフェイスリフトの手術方法や主な術式の特徴、手術後のダウンタイムやリスク、ほかのリフトアップ施術と比較した違いを事前に知っておくことで、フェイスリフトの手術をより安心して受けることができます。
もくじ
顔全体の皮下脂肪のうち約1/3が頬や頬の周囲に集中しているとされていて、たるみを引き起こす原因のひとつが、頬やその周囲に存在する脂肪が加齢とともに萎縮してくるとともに重力に負けて垂れ下がってくること(下垂)によるものです。
顔の筋肉である表情筋がつかわれないことで加齢とともに衰えて、筋肉量が減少すると頬や頬の周囲に存在する皮下脂肪を本来の位置で支えようとする力が弱くなり、下垂してたるみを引き起こします。そのため、もともと顔の皮下脂肪が多い方は脂肪が下垂することでたるみが生じやすい傾向にあるとされます。
顔には、皮膚と骨または皮下の奥深くに存在する筋肉を覆っている深層筋膜を、貝柱のようにつないでいる支持靭帯(リガメント)が存在します。支持靭帯は円柱状や格子状の線維組織で、顔の皮膚を骨または深層筋膜にしっかりとつなぎ、皮膚とその下層にある皮下脂肪が下垂しないように支える役割があります。
支持靭帯は本来、強靭で弾力のある線維組織ですが、主に加齢や嚙み癖などの要因によって劣化すると、細くなりゆるみが生じて皮膚や皮下脂肪を支えられなくなり、たるみを引き起こします。
また、骨の組織は常に古い骨が壊される骨吸収と新しい骨がつくられる骨形成というサイクルを繰り返していますが、年齢を重ねると骨吸収が骨形成を上回り徐々に骨が痩せていくことで、支持靭帯にゆるみが生じることもあります。
外側から表皮・真皮・皮下組織(主に脂肪)の3層構造になっている皮膚の下にあり、表情筋を覆っていて、耳より上の側頭部からフェイスラインにかけて顔の広範囲に存在する薄い膜状の組織をSMAS(表在性筋膜)と呼びます。
皮膚の土台であるSMASは強度のある線維状のタンパク質であるコラーゲンで形成されていて、若いうちはゆるみがありませんが、加齢とともにゆるみが生じて下垂すると皮膚を支えきれなくなり、たるみやシワを引き起こす原因となります。
顔のたるみは皮下脂肪の下垂、支持靭帯やSMASのゆるみのほかに、肌のハリや弾力を保つ役割があるコラーゲン・エラスチンの減少によっても現れます。
表皮の下層にある真皮は、線維状のタンパク質であるコラーゲンが約70%を占めていて、その間をゼリー状の物質であるヒアルロン酸が水分を抱えながら満たしています。さらに真皮では、エラスチンという線維状のタンパク質が網目状のコラーゲン同士を束ねていて、バネのような構造で肌のハリや弾力を保っています。
しかし、コラーゲンやエラスチンが紫外線やストレス、加齢、ホルモンバランスの乱れなどによって劣化して減少すると真皮の厚さが薄くなり、肌のハリや弾力が失われてたるみが生じやすくなります。
加齢によって下垂した皮下脂肪や、ゆるみが生じた支持靭帯・SMASなどたるみの原因となっている組織を外科的な方法によって本来の位置に戻して、皮膚を引き上げることでたるみを改善に導き、若々しい印象の輪郭を目指せる手術がフェイスリフトです。
フェイスリフトの手術で適応となる範囲は、額・まぶた・鼻・口を除いた顔全体(中顔面)からフェイスラインを含む首の上部までが一般的です。医療機関によっては手術名や対応している範囲が異なることがあるため、フェイスリフトを検討する際は事前に各医療機関のホームページやお問合せ先から確認してください。
また、フェイスリフトは欧米においては100年以上前から症例の報告があるといわれている手術であり、当初はもみあげや耳の前などから皮膚の切開をおこない、単純に皮膚を引き上げて縫い合わせるという手法が主流でした。しかし、現在は単純に皮膚を引き上げるだけではなく、一人ひとり異なるたるみの程度や原因に応じて支持靭帯やSMASなどの皮下組織を調整したり、余分な皮下脂肪を除去するなどの手法が確立されています。
多くの医療機関で用いられている主なフェイスリフトの術式、それぞれの特徴や手術内容は次の通りです。
耳の周囲で皮膚の切開をおこない、薄い膜状の組織であるSMASを一度剥がして、余分なSMASや皮膚を切除した後、たるみが解消されるようにSMASをはじめとする皮下組織を引き上げた状態で縫い合わせて固定するフェイスリフトの術式が「SMAS法」です。
頬からフェイスライン付近に重度のたるみが生じている方に対して選択される傾向のフェイスリフトで、たるみが解消されることによりブルドッグ顔の改善が期待できるほか、若々しい印象を与えるスッキリとしたあごのラインを目指すことができます。
SMAS法によるフェイスリフトは、SMASを剥がす範囲や切除する際の形状、縫い合わせて固定する対象などの処理方法がさまざまで手術内容は医療機関によっても異なる場合があり、たるみの状態や理想とする仕上がりによってドクターが最適な方法を選択します。一般的な手術内容としては、次のような手順でおこなわれるとされます。
(※⑥は必ずしもおこなうとは限りません)
耳の周囲で皮膚の切開をおこなった後に、医療用の縫合糸をつかいSMASを引き上げて固定することで、リフトアップを目指すフェイスリフトの術式が「MACS法」です。SMAS法と比べて皮下組織の剥離をおこなう範囲が少ないことから、比較的に身体への負担が少ないとされる術式です。
MACS法によるフェイスリフトは皮膚のゆるみの程度が重度ではなく、どちらかというと自然なリフトアップを目指したい方に向いており、SMAS法に比べるとダウンタイムが短いとされています。頸部と頬の2箇所でSMASの引き上げをおこなうMACS法によって、フェイスラインと頬回りのたるみ改善が期待できます。
皮下組織の処理方法や縫い合わせる際の方法といった手術内容は医療機関によって異なることがありますが、一般的な手術内容としては次のような手順でおこなうとされます。
フェイスリフトは老化そのものを止める手術ではないため歳月の経過によって老化は生じますが、手術を受けることによって老化の進行は遅くなるといわれています。
フェイスリフトによるリフトアップ効果の持続期間はドクターの技術と知識によって大きく差が生じるとされて、単純に耳の周囲を切開・剥離して皮膚のみを引き上げて縫い合わせて固定する手術の場合、効果の持続期間は3年に満たないこともあります。
フェイスリフトは永久的なリフトアップ効果が得られる治療ではありませんが、皮膚に加えて部位ごとのSMASや脂肪といった皮下組織それぞれを、一人ひとり異なる下垂の程度や状態に応じて適切な強さと向きで引き上げることができるドクターのもとで手術を受けた場合、10年以上の長期的な効果の持続が期待できます。
そのため、フェイスリフトで長期的な効果を得るためには、事前に手術を検討している医療機関のホームページやお問い合わせ先から手術内容について確認しておく必要があります。
医療機関によってはフェイスリフトの手術を受けた当日は入院となることや、手術部位を安定させるために顔用のガーメントという固定バンドを2日ほど装着する場合もあります。手術を終えた5日~10日後に再び来院して縫合部位の抜糸をおこないます。
手術による腫れや内出血は2週間~4週間ほどで落ち着く傾向にあり、1カ月~3カ月ほどは顔のつっぱり感や、むくみを感じることがあります。また、傷跡が目立たなくなり自然に仕上がるまでには一般的に3カ月~6カ月前後とされていて、手術後の血腫の有無や仕上がりなどについて確認するために、定期的に通院をおこなうことが推奨されています。
手術直後(当日)~2日後 | 手術を受けた医療機関によっては1日入院や2日ほど固定バンドを装着する |
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5日~10日後 | 縫合部位の抜糸をおこなう |
2週間~4週間 | 腫れや内出血が落ち着く目安 |
1カ月~3カ月後 | 顔のつっぱり感やむくみが落ち着く目安 |
3カ月~6カ月後 | 切開部位の傷跡が目立たなくなり自然に仕上がるまでの目安 |
手術後の痛みはアフターケアとして処方される痛み止めを服用することで軽減される傾向にあり、腫れは手術後の3日目前後がピークで、大きな腫れは2週間ほどで落ち着きます。皮膚の切開をおこなうため細かい血管が傷つき、軽微な出血によって切開部位の周囲が紫色に見えることもありますが、ほとんどの場合3週間前後で目立たなくなります。
また、手術後の3カ月ほどはむくみが出るため、落ち着くまではリフトアップの効果を感じられないことがあります。切開部位の傷跡が目立たなくなり自然に仕上がるまでには3カ月~6カ月前後かかりますが、腫れや内出血などが気にならなければ手術から2週間経たないうちに仕事や家事などの日常生活に戻ることも可能です。
皮膚や皮下組織の切開・剥離をおこなうため、もともと血圧が高い方や血液を固まらせないようにする作用のある凝固製剤を服用している場合、手術後に血腫が生じることがあります。血腫が生じた際は、手術部位を再び開いて除去をおこなうことで解消可能です。
主に喫煙者(ヘビースモーカー)における手術後のリスクであり、喫煙による血管の縮小作用によって血流不足が引き起こされることで、稀に耳の周囲で皮膚壊死が生じます。万が一、皮膚壊死が生じた際は軟膏治療などによって皮膚の再生をはかります。
顔には細かい神経が複雑に走行しているため、フェイスリフトの手術では顔の神経を損傷させないよう慎重に皮膚や皮下組織の剥離をおこないます。顔の神経が手術によって傷ついた場合は麻痺があらわれる可能性はありますが、万が一、麻痺があらわれたとしても一時的なもので通常は歳月の経過とともに神経が回復して改善するとされます。
ヒトの顔はもともと完全な左右対象ではありませんが、フェイスリフトの実績が少ないドクターのもとで手術を受けた場合、手術後に左右差のある仕上がりとなるリスクがあります。
自然な仕上がりを目指すためには、フェイスリフトの実績が豊富で一人ひとり異なる皮膚やたるみの状態といった症例ごとに皮膚組織を剥離する範囲や引き上げる強さ、固定する対象を適切に処置できるドクターのもとで手術を受けることが大切です。
メリット | デメリット |
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下垂やゆるみの生じた組織を引き上げることで、たるみの改善が期待できる たるみが解消されることによって、シワが目立たなくなる効果が期待できる 余分な皮膚や皮下組織を切除するため、引き締まった印象を目指せる |
皮膚の切開を伴うため手術後の数カ月は傷跡が目立つ 手術後は一時的に強い腫れや痛みが顔に生じる ごく稀に神経麻痺などのリスクを伴う |
フェイスリフトは切開が不要の施術と比べるとダウンタイムが長いですが、高いリフトアップ作用によって重度のたるみにも適応しており、長期的な効果の持続が期待できます。
たるみ治療はフェイスリフト以外にもさまざまな選択肢があり、皮膚の切開をおこなわない主な施術としては、次のように、引っ掛かりのある特殊な糸を用いてたるみを引き上げるスレッドリフトやマシンによる照射治療などがありますが、いずれにしても効果の持続期間はフェイスリフトが長けています。
施術 | 効果の持続期間 |
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スレッドリフト | 8カ月~24カ月(吸収性の場合) |
サーマクール | 半年程度 |
HIFUマシン(ウルセラ、ダブロ、ウルトラフォーマーⅢなど) | 半年程度 |
引っ掛かりのある特殊な糸(スレッド)を皮下に挿入して、顔や首元のたるみを引き上げる治療がスレッドリフト(糸リフト)です。重力に負けてたるんでしまった皮膚を糸で物理的に引き上げるので、見た目にわかりやすいリフトアップ効果が望めます。
糸の種類はさまざまで、コグやバーブと呼ばれるトゲ状の突起やバイオコーンと呼ばれる円すい型の突起がついているものなどがあって、突起の形状や数によって引き上げる力も異なります。歳月の経過とともに分解されていく吸収性の糸である場合、効果の持続期間は8カ月~24カ月ほどで、効果が低減してきた際は再度施術を受けて補うことが可能です。
サーマクールとは、電磁波の一種である高周波(RF)のエネルギーを照射するマシンで、高周波にはコラーゲンなどのタンパク質を熱によって引き締めたり生成を促す作用があり、肌にハリと弾力をもたらすことで、たるみの予防や改善の効果が期待できる照射治療です。
サーマクールの効果の持続期間は半年程度であるため、年に1回~2回ほどの頻度で施術を受けることが推奨されています。高周波は皮膚表面を損傷させないのでダウンタイムが短く、施術部位の赤みは24時間以内に目立たなくなる傾向です。また、稀に軽度のひきつれを感じることもありますが、ほとんどの場合は2週間~3週間で落ち着きます。
記事監修の鈴木芳郎先生に、フェイスリフトについて教えていただきました。
監修医師の紹介
ドクタースパ・クリニック院長であり、中顔面の若返り手術であるケーブルスーチャー法を日本で初めておこなったドクターとして注目されている鈴木芳郎医師。フェイスリフトをはじめとする若返り手術を得意とし、トータルアンチエイジングを追及するほか、眼の形成外科、鼻の形成外科においても豊富な実績・経験があり、患者の目線に立ち安心の手術をモットーに美容医療を牽引する。
鈴木芳郎医師のいる医療機関
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