ダーマペン4はさまざまな薬剤を組みあわせて施術することで、薬剤のもつ有効成分の効果を高めることができ、組みあわせる薬剤によって異なる効果が見込めます。
なかでも、「コラーゲンブースター」と呼ばれるコラーゲンの生成を促す作用のあるPCL(ポリカプロラクトン)を組みあわせる施術は、肌のハリや弾力を保つ働きがあるコラーゲンが増生することで、シワやたるみに効果が期待できます。
ダーマペン4とPCLを組みあわせた施術を受ける前に、効果の持続期間や推奨される施術回数、ダウンタイムや注意点などを知っておくことは、満足いく施術効果を得ることにつながります。
もくじ
ダーマペン4は、皮膚表面に目に見えない微細な針穴をあけて、ヒトの体にもともと備わっている、傷やケガを自分で治す力である「自然治癒力」を利用して、皮膚細胞の再生を促す施術です。
髪の毛ほどの極細の針で皮膚表面に微細な針穴をあけることで、針穴を修復しようとする自然治癒力が働き、細胞分裂や細胞修復などの細胞の活動を活発化させる成長因子が分泌されます。
成長因子によって肌にハリや弾力をもたらすコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸を生成する線維芽細胞の働きが活性化することで、シワやたるみ、毛穴の開きを改善に導きます。
さらに、皮膚細胞が活性化することで皮膚のターンオーバーのサイクルが活発になり、肌のキメの改善にも効果が期待できます。
ターンオーバーとは肌の新陳代謝で、古い皮膚細胞がそれより下層で生まれる新しい皮膚細胞に押されて皮膚の表面まで上がり、最終的には角質となって自然にはがれ落ち、肌が新しく生まれ変わるサイクルのことです。
疲労やストレス、食生活の乱れ、便秘などでターンオーバーのサイクルが乱れていると、肌のキメが乱れたり、肌を守るバリア機能が低下して、肌荒れやニキビ、吹き出物などの肌トラブルの原因になるといわれています。
ヒトの皮膚は、外側から表皮層、真皮層、皮下組織の3層構造になっていて、表皮層の表面ではバリア機能が働いています。バリア機能のおかげで細菌などの異物の侵入がブロックされる一方で、通常では皮膚に塗布した化粧水や美容液などの有効成分は表皮層の表面にとどまり、奥まで浸透することはできません。
そこで、ダーマペン4で皮膚の表皮層~真皮層まで高密度の針穴をあけて薬剤を塗りこむことで、本来は塗っただけでは表皮層の表面にとどまる薬剤の有効成分が針穴から表皮層~真皮層までしっかりと入り込むので、薬剤をそのまま塗布するよりもより高い効果が期待できます。この作用は「ドラッグデリバリー」といわれています。
PCLは、心臓外科や形成外科などの外科手術で使用される抜糸が不要な溶ける縫合糸の成分で、体内で自然に分解・吸収されます。美容医療の分野ではたるみ治療のスレッドリフトにも使われる溶ける糸の成分と同じです。
皮下に浸透したPCLは新たなコラーゲンの生成を促す作用があって、加齢とともに失われた肌のハリや弾力、シワの改善が期待できます。
ダーマペン4とPCLを組み合わせて施術をする際は、PCLを主成分とする薬剤SOSUM PCL Solution(ソサム ピーシーエル ソリューション)を使用します。SOSUM PCL SolutionはPCLの粒子が非常に小さいため、ダーマペン4と組みあわせることで皮下に浸透しやすく、腫れや炎症反応(赤み)などの副作用を最小限に抑えることが可能といわれています。
ダーマペン4で針穴をあけながら同時にSOSUM PCL Solutionを塗布することで、通常は塗っただけでは浸透しない真皮層まで有効成分であるPCLを届けることができます。
ヒトの皮膚のなかでも真皮層は線維状のタンパク質である「コラーゲン」が約70%を占めていて、その間をゼリー状の物質である「ヒアルロン酸」が、水分を抱えながら満たしています。さらに「エラスチン」という線維状のタンパク質が網目状に重なったコラーゲンを束ね、肌にハリや弾力を与えています。
肌のハリや弾力を保つのにコラーゲンは重要な役割を果たしていますが、コラーゲンが生成される量は20代をピークに年齢を重ねるにつれて少なくなっていくので、何もしなければ肌のハリや弾力は徐々に失われてシワやたるみの原因となります。
PCLは浸透した皮下の周囲に新生コラーゲンの生成を促す「コラーゲンブースター」という働きがあるので、ダーマペン4によって真皮層までPCLを浸透させることで、減少しつつあるコラーゲンが増生されて肌のハリや弾力が戻るとされています。
また、PCLの粒子は体内に吸収される過程で、浸透した部位の周囲に軽微な炎症を生じさせる作用があり、この炎症が刺激となって真皮層で新たなコラーゲンの生成が促されることから、長期間にわたって肌のハリや弾力の改善が期待できます。 PCLは約12カ月かけて体内にゆっくり吸収されます。
ハリや弾力が戻ることで肌にうるおいが生まれて、肌のキメを整え、皮膚が薄くデリケートな目の下や目じりの小ジワ、頬の細かいシワ、毛穴の開きなどを改善に導きます。
ダーマペン4とPCLの組みあわせは、自身の自然治癒力を利用し、コラーゲンの増生によりハリをもたらす施術のため、効果は施術から1週間~2週間程度かけて少しずつあらわれるとされています。
ダーマペン4とPCLを組み合わせた施術は、真皮層に対するアプローチを4週間ごとに3回おこなってコラーゲンの層を3層形成することで、よりハリ感や弾力のある肌に導きます。
PCLはおよそ12カ月かけて徐々に分解され体内に吸収されるので効果が長持ちするといわれています。
施術部位に麻酔クリームを塗布してから施術をおこなうため強い痛みはありませんが、額や鼻などの皮膚の薄い部分や針を深く刺した際に、チクチクとした軽い痛みを感じる場合がありますが、我慢できる程度といわれています。
施術直後に赤みやほてりが出ることがありますが、2日~3日程度でおさまるとされています。顔の赤みは翌日からメイクで隠すことができます。
ダーマペン4は皮膚に極細針を刺すため、稀に内出血が生じる場合がありますが1週間程度でおさまるとされています。
ダーマペン4は皮膚に微細な針穴を開ける施術のため、使用する医療器具の衛生管理ができていないと血液感染によるB型・C型肝炎やエイズなどの感染症を引き起こすリスクがあります。
感染症のリスク対策として、使い捨ての針を使用するのはもちろん、専用の本体カバーをしっかり装着しているなど、衛生管理について信用できる医療機関を選ぶと安心です。
このほか、麻酔アレルギーがある方は、診察・カウンセリングの際にドクターにご相談ください。
1)医師の診察・カウンセリング
診察で肌の状態を確認し、改善したい肌の悩みとその部位が治療に適応しているか診察します。施術に対する不安や疑問がある際は、カウンセリングのタイミングで確認してください。
2)洗顔
施術部位を清潔にするため、メイクを落として洗顔します。
3)麻酔クリーム塗布
麻酔クリームを塗布し、麻酔が効くまで20分~30分待ちます。
4)施術
麻酔クリームを拭き取り、SOSUM PCL Solution(ソサム ピーシーエル ソリューション)を塗布しながらダーマペン4の施術をおこないます。
5)クーリング
施術終了後は赤みやほてりが生じる場合があるので、冷却マスクなどでクールダウンさせて肌を落ち着かせます。
6)保湿・日焼け止め
保湿クリーム・ダーマペン専用の日焼け止めを塗布して終了です。 希望があればダーマペン専用のファンデーションもありますので医療機関にお問い合わせください。
ダーマペン4とPCLの施術は未承認機器・医薬品による施術で、保険適用外です。医療機関によって費用は異なりますが相場としては全顔1回で50,000円~100,000円程度です。医療機関によって初回割引があるところや、3回コース・5回コースなどセット料金を設定しているところもあります。
ダーマペン4とPCL(SOSUM PCL Solution)は厚生労働省未承認機器・医薬品です。 |
医療機器の入手経路:入手経路は各医療機関のドクターによるメーカーからの個人輸入です。 個人輸入において注意すべき医薬品等について(厚生労働省のページ) |
日本国内での承認の有無:ダーマペン4やPCLと同一の性能・効果があり、日本国内で承認を受けている医療機器・医薬品はありません。 |
諸外国における安全性等に関する情報:ダーマペン4の開発元であるダーマペンワールド社によると、欧州での安全性と品質を証明するCEマークも取得している[※1]と示されています。諸外国で報告されている一般的な副作用としては、次のようなものがあります。 施術部位の発赤・出血・内出血・あざ・感染症・乾燥・ごわつき [※1]Wins The Company Of The Year Award:DermapenWorld PCLについては、主要な欧米各国で承認されていないため重大なリスクが明らかになっていない可能性があります。 |
ウーバーピールは、ダーマペン4の開発元の会社が開発した、ダーマペン専用のピーリング剤です。
ウーバーピールは肌の新陳代謝であるターンオーバーの乱れを正常に戻すピーリング作用があり、毛穴の詰まりや毛穴の開き・黒ずみ、肌のシミやくすみ、ニキビなどの肌荒れを改善に導くとされています。
ウーバーピールにはピーリング作用だけでなく、炎症後のニキビ跡(色素沈着)に効果があるといわれる美白成分や、皮膚細胞の再生をサポートする成分などを含んでいて、自然治癒力を促し皮膚の再生を狙うダーマペン4の効果を高めるといわれています。
ヴェルヴェットスキンは、ダーマペン4とコラーゲンピールを組み合わせた施術メニューです。高級織物のヴェルヴェットのようになめらかでハリのある肌に導くことからヴェルヴェットスキンという施術名で呼ばれています。
コラーゲンピールは、「PRX-T33」という高濃度トリクロロ酢酸・低濃度の過酸化水素・コウジ酸の3つの成分が配合された薬剤を塗布することでコラーゲンの増生を促進し、肌のハリやつや感をもたらすとされています。
コウジ酸にはシミのもととなるメラニンをつくる酵素の働きを抑制する作用があるため、シミ・くすみを改善に導く美白の効果も期待できます。
ヒト羊膜・絨毛膜は、胎盤由来の薄いコラーゲン性の膜で、母体の子宮内で成長発達する胎児を包む、伸縮性に富んだ組織です。豊富な成長因子を含んでいるので創傷治癒作用に優れ、皮膚細胞の再生を促します。
成長因子は、ヒトの体内において特定の細胞の増殖や分化(細胞それぞれが役割にみあった機能を身につけていくこと)を促進するタンパク質の総称です。
成長因子には損傷を受けた細胞の再生を助け、皮膚を再生させる働きもあるので、ダーマペン4で針穴を開けた肌に塗布することでダーマペン4の肌再生効果をさらに高めるとされています。
乾燥ヒト羊膜・絨毛膜製剤アムニオジェニクス(AmnioGenix)は、ダーマペン4との併用によって凹凸の目立つニキビ跡、クレーター肌、傷跡の治療に効果が期待できます。
PRP(多血小板血漿)は、自身の血液を採取し、その血液の中から医療用の遠心分離機で血小板を多く含む血漿(けっしょう)のみを取り出したものです。
ダーマペン4で肌に微細な針穴をあけながらPRPを塗布することで、血小板に含まれる豊富な成長因子が浸透し、肌に弾力やハリをもたらすコラーゲンやエラスチンなどを生み出す線維芽細胞を活性化させます。
皮膚細胞自体を再生し、内側からハリとツヤのある肌へと肌質改善を促すので、小ジワ、たるみ毛穴、肌のざらつきやニキビ跡、凹凸のあるクレーター肌など顔の悩みだけでなく、妊娠線や肉割れなどボディの悩みにも改善が期待できます。
ヒト脂肪幹細胞由来エクソソーム製剤ASCE+には、細胞と細胞の間で情報伝達の役割を担うエクソソームのほか、さまざまな成長因子やペプチド、コエンザイム、アミノ酸、ミネラル、ビタミン類、ヒアルロン酸が含まれています。
エクソソームには、肌の生まれ変わりであるターンオーバーに関わる表皮細胞や、肌のハリや弾力に関わるコラーゲン・エラスチンを生成する線維芽細胞などの細胞の間を移動し、ASCE+に含まれる皮膚細胞の再生などに関与する薬剤の成分をさまざまな細胞に届けるといわれています。
エクソソーム製剤ASCE+には外部からの異物(アレルゲン・細菌など)の侵入を防ぐバリア機能をサポートする働きもあり、敏感肌、アトピー性皮膚炎、乾燥肌、繰り返すニキビなどさまざまな外部からの異物や刺激が原因の肌トラブルの改善が期待できます。
また、エクソソーム製剤ASCE+は乱れたターンオーバーを正常化する働きによって、赤ら顔、肌荒れ、ニキビや虫刺されなどの炎症が起きた後や、強くこすったり搔いたりした後に残ってしまった色素沈着によるシミ・くすみ・色ムラなどを改善に導きます。
ダーマペン4とPCLを組みあわせたコラーゲンブースターは、自身のコラーゲン生成を促進し、開いた毛穴を引き締め、ハリや弾力のある肌に導く施術です。
そのほかにもダーマペン4はさまざまな薬剤を組みあわせることによって異なる効果が得られるので、自身の悩みや希望によってオプションを選ぶことができます。
ダーマペン4とPCLを組みあわせたコラーゲンブースターで自身の肌の悩みが改善に近づくかどうか、まずはカウンセリングで相談して、納得のいく説明やより良い提案をしてくれる医療機関を選ぶと安心です。
また、ダーマペン4の施術効果を充分に得るためには、顔のなかでも部位ごとに異なる皮膚の厚みと効果的な針の深さを熟知しているドクターのもとで施術を受ける必要があります。
ダーマペン4の開発元のトレーニングドクターから正しい施術の手技について直接レクチャーを受けたドクターが在籍する医療機関を選ぶのも選択肢のひとつです。