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皮膚充填剤のアルジェネス®による鼻やあごへの効果・ヒアルロン酸との違いや持続期間

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皮膚充填剤のアルジェネス®による鼻やあごへの効果・ヒアルロン酸との違いや持続期間

アルジェネス®は肌のボリュームを補う作用がある皮膚充填剤(ひふじゅうてんざい)のひとつで、主に鼻の高さを出すことを目的とした施術や深いシワを改善に導くことなどを目的とした施術で使用されます。

アルジェネス®は複数の製品が存在するシリーズで、各製品によって含有している成分や適した悩みなどに違いがあります。また、一般的な皮膚充填剤として知られているヒアルロン酸の注入剤と比べても、主成分や注入剤としての性質が異なります。

そのため、施術を検討する際はアルジェネス®に含まれる主成分の特徴やシリーズにおける各製品の違いについて知ることはもちろん、ヒアルロン酸注入剤と異なる点や持続期間の目安、ダウンタイム・リスクについても事前に理解しておくことが大切です。

肌のボリュームを補う作用があるアルジェネス®

皮膚を内側から支えてボリュームを補う作用があり、シワを改善に導いたり額やフェイスラインの形を整える輪郭形成、鼻の高さを出す隆鼻などの効果が期待できる注入剤がアルジェネス®です。米国の医薬品メーカーによって開発された注入剤で、施術名としては「ボタニカルフィラー」と呼ばれることもあります。

アルジェネス®は自然界にもともと存在して食品などにも使用されているアガロースという物質を主成分とする注入剤であり、複数の製品が存在するシリーズで、各製品はEU(欧州連合)加盟国の安全基準条件を満たすことを証明するCEマークを取得しています。また、注入後は少しずつ体内で分解されますが、その過程で異物が残らないとされています。

アルジェネス®に含まれている成分

アルジェネス®は、ワカメやマリモといった藻類(そうるい)の仲間で海藻の一種である紅藻類(こうそうるい)のテングサに含まれる、アガロースという複数の糖類が繋がった繊維状の物質(多糖類)を主成分とする注入剤です。アガロースは自然界に存在する物質で人体に悪影響を及ぼす毒性はなく、ゼリー状の食品である寒天の主成分でもあります。

ごく小さい単位として構造を見た際のアガロースは、ガラクトースという糖類が複数結合した構造を持つ細かい繊維のようなものです。また、アガロースは水分と結合しにくい分子の構造を持つとされます。

アガロースは温度の変化によって溶けたり固まってゲル状になる性質があって、高温で溶液状となっている際は小さなアガロースの繊維それぞれがバラバラに分散している状態ですが、低温ではそれぞれの繊維同士が密集して絡み合うことでゲル化する特徴があります。通常は80℃~95℃で溶けて、32℃~45℃でゲル化するとされます。

アルジェネスの作用イメージ

アガロースは自然界にもともと存在する物質で皮膚に馴染みやすい点に加えて、濃度が低くても優れた耐久性のあるゲルが形成できるので、製剤の成分として少量加えるだけでも製剤に柔軟さと弾力が生まれます。柔軟性と弾力が備わったゲル化された注入剤を皮膚へ注入することで、肌が内側から持ち上げられてボリュームが補われる効果が期待できます。

アルジェネス®に含まれるそのほかの成分としては、医療現場で注射液の希釈や傷口の洗浄などに使用される生理食塩水があります。また、シリーズの一部の製品にはヒアルロン酸が加えられていますが、架橋剤(かきょうざい)と呼ばれる化学物質を含まないことからアレルギー反応を引き起こすリスクがほとんどないとされます。

アルジェネス®とヒアルロン酸注入剤の違い

シワを改善に導いたり輪郭形成を目指せる注入の施術としては、ヒアルロン酸注入が一般的に知られています。ヒアルロン酸は皮膚や眼球など私たちヒトの体内にもともと存在するゼリー状の物質で、粘性がある点に加えて外部からの圧力を受けて一時的に変形しても元の形状に戻ろうとする弾性を持ち合わせています。

小さい単位として構造を見た際のヒアルロン酸は、酸の一種であるグルクロン酸と、糖の一種であるN-アセチルグルコサミンの分子が交互にいくつも結合した鎖のような構造を持ちます。自然界にもともと存在するヒアルロン酸は、このヒアルロン酸を構成する鎖の1本1本が自然に繋がっている構造であるため優れた粘弾性があります。

一方で、美容医療の施術などに用いられる人工的に作られたヒアルロン酸は、ヒアルロン酸の鎖同士が自然に繋がっている構造ではありません。鎖同士の結合がないヒアルロン酸は体内の酵素によって分解されて吸収されやすいため、一般的なヒアルロン酸注入剤は、鎖同士を繋ぎ合わせるために架橋剤という接着剤のようなものが加えられています

ヒアルロン酸の構造イメージ

さらに、ヒアルロン酸は水分を吸収することで膨らむ性質があるため、注入したヒアルロン酸が皮膚に存在する水分を吸水することで、施術部位が当初よりも少し膨らみ広がって見える可能性があります。アルジェネス®もシリーズの一部は微量のヒアルロン酸を含有する注入剤が存在しますが、架橋剤が加えられていないタイプのヒアルロン酸です。

また、アルジェネス®はアガロースが水分を吸収しにくい性質を持つことから、注入後に施術部位が膨らみ形状が変わってしまうリスクがほとんどないとされています。そのため、架橋剤などの化学物質を含む注入剤に抵抗がある方や、過去にヒアルロン酸注入の施術を受けて膨らんでしまったなどの経験がある方に適した注入剤といえます。

アルジェネス®は生体吸収性の注入剤

アルジェネス®は注入後、体内に存在するアメーバ状の白血球であるマクロファージに捕食されることで、自然に少しずつ減少していく性質があります。歳月の経過に伴って注入剤はいずれ完全に吸収されてなくなるとされるため、体内に異物が残ることが心配という方にも適した注入剤といえます。

また、ヒアルロニダーゼ(分解酵素製剤)によって、注入後に溶解させることができるといわれている注入剤です。

アルジェネス®が向いている方

  • 架橋剤などを含まない自然な注入剤による施術を希望する方
  • 印象的な涙袋を目指したい方
  • 唇のボリュームアップを希望する方
  • マリオネットラインやほうれい線などのシワを改善したい方
  • あごや頬などの輪郭を整えたい方
  • 鼻の高さを出したい方

4種類があるアルジェネス®の種類とそれぞれの特徴

複数の製品が存在するアルジェネス®のシリーズは、それぞれ含有しているアガロースの濃度やヒアルロン酸の有無などに違いがあって、次のように、シワ治療や輪郭形成といった施術の目的ごとに適した注入剤も異なります。

種類 含有成分 主な適応
Algeness® LD アガロース:1%
生理食塩水:99%
・目もとの小ジワ
・唇のボリュームアップなど
Algeness® HD アガロース:1.5%
生理食塩水:98.5%
・マリオネットラインなどのシワ
・唇のボリュームアップなど
Algeness® VL アガロース:2.5%
ヒアルロン酸:0.5%
・中度~重度のシワ
・あごなどの形を整える輪郭形成
・鼻の高さを出す隆鼻など
Algeness® DF アガロース:3.5%
ヒアルロン酸:0.4%
生理食塩水:96.1%
・深いシワ
・あごなどの形を整える輪郭形成
・頬付近のボリュームアップ
・鼻の高さを出す隆鼻など

施術を受ける際は、自身が改善したい悩みや理想とする仕上がりに応じて、医療機関でドクターの診察のもと最適な注入剤が決められます。また、取り扱っている注入剤の種類は医療機関によって異なるので、施術を検討する際は事前に各医療機関のホームページやお問合せ先から確認してください。

Algeness® LD

主に目もとの小ジワや唇のボリュームアップなどを目的とした施術で選択される傾向にあるのがAlgeness® LDで、1%のアガロースと99%の生理食塩水99%から成る注入剤です。また、Algeness® LDは見た目がオレンジ色のパッケージであり、それぞれ注入剤0.5ccとシリンジ(注射筒)、細さが0.3mm(30G)の注入針が同封されています。

濃度が低くても優れた耐久性のあるゲルが形成できるアガロースの作用によって、注入した部位の肌が内側から持ち上げられることにより小ジワの改善が期待できるほか、唇のボリュームを出して印象的な口もとを目指すことが可能です。

Algeness® HD

1.5%のアガロースと98.5%の生理食塩水を含んでいる注入剤がAlgeness® HDで、主にマリオネットラインをはじめとするシワ、表情の癖によって生じる表情ジワの改善を目指す場合や唇のボリュームアップなどを目的とした際に選択される傾向の注入剤です。

見た目は紫色のパッケージであり、それぞれ注入剤1.4ccとシリンジ、細さが0.3mmの注入針が同封されています。柔軟さと弾力を備えたアガロースのゲルにより、注入した部位の肌のボリュームが補われることでシワが目立たなくなるといった効果が期待できます。

Algeness® VL

2.5%のアガロースと97%の生理食塩水に加えて、架橋剤を含まない自然なヒアルロン酸が0.5%配合された注入剤がAlgeness® VLです。緑色のパッケージでそれぞれ注入剤1.4ccとシリンジ、0.4mm(27G)の注入針が同封されています。

施術部位の皮膚を内側から持ち上げて支える作用があるため、ほうれい線など加齢とともに目立つようになる中度~重度のシワの改善を目指す際や、あごや額の形を整える輪郭形成、鼻の高さを出す隆鼻などの施術で主に使用されます。また、水分を蓄える働きのあるヒアルロン酸を含むため、皮膚の水分量が補われる作用が期待できます。

Algeness® DF

シリーズのなかで最もアガロースの濃度が高い注入剤で、3.5%のアガロースと96.1%の生理食塩水、0.4%の無架橋のヒアルロン酸を含んでいます。肌のボリュームをしっかりと補う作用があり、加齢に伴い目立つようになる深いシワを改善に導く効果が期待できます。

また、シワ治療のほかに、額やあごなどの形を整える輪郭形成や鼻の高さを出す隆鼻といった施術にも適した注入剤とされます。Algeness® VLと同様に架橋剤を含まないヒアルロン酸を含むので、皮膚の水分量が補われる作用も期待できます。青色のパッケージで、注入剤1.4ccとシリンジ、0.4mmの注入針が同封されています。

アルジェネス®の施術方法や痛み・注入量と持続期間

アルジェネス®の施術方法や痛み

アルジェネス®を用いたシワ治療や輪郭形成といった施術をおこなう際は、細さが0.3mm~0.4mmの先端が尖った注入針、または先端が丸くて製剤が出てくる孔が横にある構造のカニューレという注入針を用いるケースがほとんどとされます。

注入針は細いほど皮膚に挿入する際の痛みを感じにくくて、皮下に存在する細かい血管を損傷させる可能性が低くなります。しかし、粘り気の強い製剤を注入する場合、使用する注入針が細すぎると製剤が針の内部を通過しにくくなり施術に支障をきたす可能性があるため、一定の太さは必要とされています。

カニューレのイメージ

カニューレは先端が丸い構造の注入針であるため、施術をおこなう際に皮下の細かい血管が損傷することで内出血が生じるリスクの低減に繋がります。また、製剤が出てくる孔が横に付いているので、施術者が針を皮下へ通した後に回転させることで製剤を注入する向きをコントロールすることが可能です。

アルジェネス®の施術時の痛みについては、個人差はありますが注入針を皮膚へ挿入する際にチクッとした痛みを感じます。施術時の痛みを軽減するために、一時的に痛覚を麻痺させる作用がある麻酔成分のリドカインを加えたり、注入前に麻酔クリームの塗布といった処置をおこなってくれる医療機関もあります。

そのため、痛みが苦手であったり不安な方は、事前に各医療機関のホームページやお問い合わせ先などから痛みを軽減するためにおこなっている処置を確認してください。ただし、医療機関によって取り扱っている注入針の種類や麻酔処置の有無は異なり、また、カニューレや麻酔の利用はオプション扱いとなり別途で費用がかかる場合があります。

アルジェネス®の注入量の目安

シワの改善を目指す場合はシワが生じている範囲やシワの深さ、輪郭形成を目的とした際は希望する仕上がりなど、それぞれの症例によってアルジェネス®の注入量は一人ひとり異なります。具体的な注入量を決める際は、ドクターによる診断のもとで改善したい悩みに適した注入剤を0.1cc単位で微調整して提案がおこなわれます

たとえば、唇のボリュームアップを目指す施術の場合、Algeness® LDまたはAlgeness® HDを0.5ccほど注入するとされます。劇的な変化を望むからといって1回の施術で大量に注入すると不自然な仕上がりになるリスクがあるため、注入量についてはドクターのアドバイスをしっかりと聞いて決める必要があります。

アルジェネス®の持続期間と施術の回数・頻度

アルジェネス®のシリーズは複数の注入剤が存在しますが、それぞれ施術を受けた直後からシワが目立たなくなったり肌のボリュームが補われるといった効果を感じられる傾向です。ただし、効果の持続期間については主成分であるアガロースの濃度の違いによって、次のように製品ごとに差があります。

種類 持続期間の目安
Algeness® LD 3カ月~4カ月
Algeness® HD 4カ月~8カ月
Algeness® VL 8カ月~12カ月
Algeness® DF 10カ月~15カ月

施術を受けた後に歳月が経って効果の低減を感じてきた際は、繰り返し施術を受けることで効果の持続を図ることができます。施術を受ける回数に上限はとくにないとされていて、施術による変化を持続させたい場合は、再びシワが目立つようになってきた際やボリュームが失われてきたタイミングで再注入の施術を受けることが推奨されています。

アルジェネス®のダウンタイムやリスクと副作用

アルジェネス®のダウンタイムと施術後の経過目安

アルジェネス®の注入は皮膚の切開など身体に負担がかかる処置をおこなわない点に加えて、周囲の皮膚細胞に作用してダメージを与えるような注入剤ではないので、ダウンタイムをほとんど伴わない施術です。施術後は注入剤によって施術部位が少しだけ膨らんで見えることがありますが、通常は2日ほどで目立たなくなる傾向です。

注入針を皮膚へ挿入する際に細かい血管が損傷した場合、出血が生じて施術後に内出血が数日間あらわれることがありますが、日数の経過とともに通常は治まります。また、施術部位の軽度な痛みを感じることがありますが、3日ほどで落ち着くとされます。

アルジェネス®はシワを改善に導いたり鼻やあごなどの輪郭形成といった効果が期待できますが、注入剤は歳月の経過とともに体内で自然に分解されていくので、効果の持続は永続的ではありません。施術後に一定の持続期間が過ぎて注入剤の容積が減少することで、注入部位のボリュームアップを補う作用も次第に減衰します。

アルジェネス®のリスクと副作用

アルジェネス®の注入施術によって生じる可能性のあるリスク・副作用としては、注入剤による膨らみや注入針による内出血、施術後の軽微な痛みが主に挙げられます。

いずれも一時的なもので通常は日数の経過とともに改善するとされますが、万が一、日を追うごとに痛みが強くなってきたり次第に腫れてきた際は、症状を悪化させないために自己対処は避けて、施術を受けた医療機関に相談してください。

また、過度な注入をおこなうと不自然な仕上がりとなる可能性や、注入の施術に関する技術や知識が不足しているドクターのもとで施術を受けた場合、左右差のある仕上がりとなったり、注入剤が誤って血管内へ注入されて塞がってしまうなどのリスクを伴います。

アルジェネス®の施術を受ける際に知っておきたいこと

施術を受けられない方(禁忌)

  • 妊娠中、授乳中の方
  • 自己免疫疾患を含む重篤な全身疾患がある方
  • 施術部位やその周囲に未治癒の外傷や炎症などがある方
  • そのほか医療機関で施術を受けることができないと診断された方

施術を受けた後の注意点

メイクは施術を受けた当日から可能とされて、施術を終えた後はメイクをした状態で帰ることができます。洗顔やシャワーは施術部位に強い刺激を与えなければ当日から可能ですが、施術部位を安定させるために3日間ほどは長時間の入浴を控えることが推奨されています。

また、注入部位に赤みが出たり痒みが生じる可能性があるため、施術を受けた当日は飲酒や長時間で日光を浴びたり激しい運動を控えてください。施術部位に対するマッサージやエステ、歯科治療は施術の1週間後から可能とされます。また、アルジェネス®の施術後にほかの美容医療の施術を受ける際は、医療機関でドクターに相談する必要があります。

アルジェネス®は国内未承認の医薬品

4種類の注入剤が存在するアルジェネス®はそれぞれCEマークを取得していますが、日本国内では承認を得ていない未承認医薬品です。施術を検討する際は、次のような注意点を踏まえつつ医療機関でリスクや副作用について十分な説明を受けた上で判断してください。

アルジェネス®は国内未承認の医薬品です。
医薬品の入手経路:入手経路は各医療機関のドクターによるメーカーからの個人輸入です。
個人輸入において注意すべき医薬品等について(厚生労働省のページ)
日本国内での承認の有無:アルジェネス®と同一の成分・作用があり、日本国内で承認を受けているほかの医薬品はありません。
諸外国における安全性等に関する情報:Algeness® LD、Algeness® HD、Algeness® VL、Algeness® DFはそれぞれCEマークを取得している医薬品です。禁忌が守られた施術では重篤な副作用は報告されていませんが、一般的に起こりうるリスクとしては、一時的な施術部位の膨らみや内出血、軽微な痛み・赤み・痒み、左右差などが挙げられます。

アルジェネス®と似た作用があるほかの施術

注入治療で用いられる注入剤にはさまざまな種類がありますが、基本的に外科的な処置を伴わないため、ダウンタイムが短く比較的気軽に受けられる美容医療の施術といえます。アルジェネス®以外でシワを改善に導いたり輪郭形成を目指したりできる主な注入剤は次のような種類があって、それぞれ主成分や期待できる作用などの特徴が異なります。

種類 主成分・期待できる作用
ヒアルロン酸注入 粘弾性に長けたゼリー状の物質であるヒアルロン酸を注入することで、肌のボリュームを補う
リジュラン 成長因子の増加を促したり皮膚細胞の再生を助けるなどの作用がある、サーモン由来のDNAが主成分の製剤を注入する
レディエッセ カルシウムハイドロキシアパタイトという体内にもともと存在する物質が主成分の製剤を注入して、肌のボリュームを補う
スネコス 架橋剤を含まないヒアルロン酸と複数のアミノ酸を主成分とする製剤を注入して、コラーゲンとエラスチンの生成を促す
エランセ コラーゲンの生成を促す働きのあるPCLを主成分とする製剤を注入して、全体的な肌質の改善や引き締めを目指す

それぞれの注入剤の特徴、アルジェネス®と異なる点について確認していきます。

ヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸注入の施術イメージ

粘弾性がありヒトの体内にもともと存在するムコ多糖類の一種であるヒアルロン酸に、架橋剤というヒアルロン酸同士を繋ぎ合わせる役割がある架橋剤が加えられた製剤を注入する施術がヒアルロン酸注入です。

架橋剤によって注入剤の硬さを調節できて、浅いシワを目立たなくさせたり涙袋形成などを目的とした柔らかい注入剤や、鼻やあごの輪郭形成などに向いている硬い注入剤など、施術の目的ごとにさまざまな製品が存在します。一般的には、注入剤の総量に対して含まれている架橋剤の割合が多いほど硬い仕上がりの注入剤になりやすいとされます。

持続期間は製品によって大きく差がありますが目安としては6カ月~24カ月で、ダウンタイムはほとんどありません。アルジェネス®と異なる点は、架橋剤の有無に加えて、ヒアルロン酸は水分を吸収することで膨らみ広がってしまうことがありますが、アルジェネス®は水分を吸収しにくいため注入後に広がってしまうリスクが低いとされます。

リジュラン

リジュラン注射のイメージ

サーモン由来のDNAであるポリヌクレオチドを主成分とする注入剤がリジュランで、ポリヌクレオチドは紫外線などの刺激によって損傷した皮膚細胞の再生を助けたり、細胞の活動を活発化させるタンパク質である成長因子の増加を促すといった作用があります。

成長因子の増加によって、皮膚のハリや弾力を担うタンパク質のコラーゲンやエラスチンなどの生成をおこなう線維芽細胞(せんいがさいぼう)が活性化されることで、少しずつ肌のハリと弾力が整い始める自然な変化を感じられるようになる傾向です。また、効果の持続期間は3ヶ月ほどが目安で、基本的に部位を問わずに施術が可能です。

リジュランは製剤の種類が複数存在するシリーズで、肌のボリュームを補う作用が期待できる製剤もありますが、主に外傷やニキビなどで生じた皮膚の凹みや傷跡を目立たなくさせることを目的とした際に選択されるもので、アルジェネス®のように輪郭形成や隆鼻を目的とした施術では基本的に使用されないという違いがあります。

レディエッセ

カルシウムとリン酸から成るカルシウムハイドロキシアパタイト(CaHA)を主成分として、水分およびCaHAを包むジェルを含有する注入剤がレディエッセです。CaHAは形成外科や歯科などの分野でも長年使用されている成分で、細かい粒子状にしてジェルで包むことで注入剤として用いることができ、アレルギーを起こすリスクが少ないとされます。

レディエッセは適度な硬さがあり注入した部位の皮膚を内側からしっかりと持ち上げて支える性質があることから輪郭形成の作用に長けていて、主に鼻やあごをシャープに導いたり高さを出す施術で活かされています。ただし、硬さがあるため皮膚の浅い層へ注入すると、しこりが生じるなどのリスクがあり皮膚の浅い層への注入は不向きとされます。

施術を受けた直後から効果を感じることが可能ですが、注入後は体内のマクロファージによって少しずつ分解吸収されていくため、持続期間は10カ月~18カ月が目安です。また、アルジェネス®はヒアルロニダーゼで分解させることができるといわれてますが、レディエッセは分解剤が存在しないので持続期間中は元の状態に戻すことができません

スネコス

架橋剤などの化学物質を含まないヒアルロン酸と6種類のアミノ酸を主成分とする製剤がスネコスです。線維芽細胞を刺激して加齢や紫外線などの影響により減少したコラーゲンやエラスチンの再生・増殖を促す作用により、肌にハリと弾力をもたらす働きがあります。

肌にハリと弾力が生じることで小ジワやたるみ毛穴が目立ちにくくなったり、皮膚の凹凸がなめらかになり化粧ノリが良くなるなど自然な肌質改善の作用が期待できます。また、コラーゲンとエラスチンの生成を刺激する特定のアミノ酸とヒアルロン酸の配合で特許を取得していて、両成分は体内にもともと存在する物質なので安全性が高いとされる製剤です。

スネコスはヒアルロン酸の分子の密度によって2種類の製品があって、小ジワなどの改善を目指す場合は低密度のヒアルロン酸、深いシワや皮膚の凹凸に対しては中・高密度のヒアルロン酸を含むスネコスが使用されます。ただし、アルジェネス®のように輪郭形成や隆鼻を目的とした施術では基本的に使用されないという点が異なります。

エランセ

外科手術などで使用される溶ける縫合糸の成分でもあるポリカプロラクトン(PCL)を微小な粒子に加工して、カルボキシメチルセルロース(CMC)という増粘剤で包んだ注入剤がエランセです。PCLは注入した皮下の周囲にコラーゲンの生成を促す作用があるので、肌のハリや弾力を取り戻してシワを改善に導いたり引き締めの効果が期待できます。

また、エランセをピンポイントで注入することにより肌のボリュームを補う作用が働いて、皮膚に生じた窪みを改善に導いたり輪郭形成を目指すことも可能とされます。また、エランセは1年~3年の持続期間ごとに3種類の製品が存在するシリーズであるため、希望する施術の目的に応じて持続期間を選択することができます。

ただし、エランセによる輪郭形成の作用は、アガロースの濃度が高いタイプのアルジェネス®に比べるとおだやかとされています。また、エランセは分解剤が存在しないので持続期間中に元の状態へ戻すことは困難です。そのため、長期的な持続が期待できるエランセによる施術を受ける際は、慎重に検討する必要があります。

アルジェネス®の施術の流れと料金相場

アルジェネス®の施術の流れ

(1)診察・カウンセリング

医療機関で問診票の記入を終えた後に、改善したい悩みや理想とする仕上がりに対して適しているアルジェネス®の種類や施術の注意点などについて、ドクターによる診察・カウンセリングを受けます。施術に関する不安なことや疑問がある際は、ドクターによるカウンセリングの際に相談してください。

(2)洗顔・麻酔・アルジェネス®の注入

洗顔をおこなって施術部位を清潔にした後に、麻酔を希望する場合は、麻酔クリームの塗布などをおこなって施術時の痛みをやわらげます。その後、麻酔下にてアルジェネス®の注入を進めていきます。希望する施術部位の範囲によって差はありますが、麻酔の処置を除いた施術の所要時間は10分~15分ほどが目安とされます。

(3)メイク・終了

施術を終えた後は、メイクを施してから帰宅することも可能です。施術直後は注入剤によって施術部位が一時的に少し膨らんで見えることもありますが、気になる場合はメイクによって目立たなくすることもできます。施術後の注意点などの説明を受けた後に終了です。

アルジェネス®の料金相場

アルジェネス®を用いたシワ治療や輪郭形成・隆鼻といった美容を目的とした施術は、保険が適用されない自由診療にあたります。料金は医療機関によって差がありますが、施術で使用した注入剤の量に応じて料金が決まるというケースが一般的で、相場は次の通りです。

注入量 料金の目安
1.4cc 65,000円~75,000円
0.1cc 13,000円~

アルジェネス®の施術を受ける医療機関の選び方

アルジェネス®は注入後に周囲へ広がりにくいとされる注入剤であり、架橋剤も含まれていません。ただし、アルジェネス®に限らず、注入治療の技術や知識不足のドクターのもとで施術を受けた場合、ごく稀に誤って血管内に注入されるなどの可能性があるほか、左右差のある仕上がりとなってしまう失敗のリスクもあります。

そのため、アルジェネス®の施術を受ける際は、注入剤のメーカーが医療機関向けに開催している施術の手技に関するセミナーなどを受けたドクターや、注入治療の症例数が多く経験や実績が豊富なドクター、顔の解剖を熟知しており形成外科としての経歴があるドクターなどを指名すると良いでしょう。

また、シワや輪郭形成のほかに、二重あごが気になるなど顔の皮下脂肪を減少させたい場合、注入治療の施術メニューが豊富な医療機関であれば、アルジェネス®に加えて脂肪溶解注射を組み合わせるなど、一人ひとり異なる改善したい悩みや理想とする仕上がりにあわせて併用治療を提案してもらえる可能性があります。

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