しみやニキビなどに作用するIPL(光)治療の効果とレーザー治療との違い

IPL治療をうけて満足しているイメージの女性

「しみも気になるけど、ニキビも気になる」など、気になる肌トラブルはひとつに限らない方も多いかもしれませんが、しみやそばかす、ニキビなどさまざまな肌悩みに、同時に働きかけることが可能な治療法があります。それがIPL治療です。

悩む方が多いしみの治療方法として、IPL治療以外にレーザー治療もあるので、どちらがいいのか選択に迷ってしまうことも少なくありません。

より美しい肌を目指すために、IPL治療が複数の肌悩みを改善に導くメカニズムや施術の効果、IPL治療とレーザー治療の違いを知っておく必要があります。

IPL(光)治療で複数の肌悩みを改善できる理由

肌に照射すると複数の肌悩みを改善に導くとされるIPLですが、そもそもIPLがどういうもので、なぜ、複数の肌悩みを改善できるのかを確認していきます。

IPLとは複数の波長の集った光

光は電磁波の1種です。電磁波は、波長と周波数の違いによって、ガンマ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波、高周波のように分類されています。

電磁波の説明画像

自然光である太陽の光は、おおよそ300nm~3000nmの波長で、可視光線、つまり目で見える光は、約400nm~750nmあたりの波長です。波長とは、山と谷を繰り返す、波の山から山(もしくは谷から谷)の長さのことで、波長の単位で使われるナノメートル(nm)とは、10億分の1メートルになります。波長が変わると目に見える光の色が変わります。

紫色 380nm~435 nm
青色 435nm~500 nm
緑色 500nm~570 nm
黄色 570nm~590 nm
橙色 590nm~620 nm
赤色 620nm~750 nm

おおよそ400nmよりも短い波長を紫外線、おおよそ750nmより長い波長を赤外線といいます。

美容医療で使われるIPLの波長は約500nm~1200nmmあたりなので、肌にダメージを与える紫外線を除いた、可視光線~赤外線にあたる波長帯ということになります。

IPLには肌悩みを改善する複数の波長が含まれている

IPL治療は、さまざまな肌悩みに同時に作用するといわれています。それは、IPLが複数の波長を含んでいるためです。

波長には、特定の物質にのみ吸収されるという特性があって、波長が特定の物質に吸収されると、熱に変換されます。熱で特定の物質は破壊されるので、肌悩みに吸収される波長を選ぶことで、肌悩みの改善が期待できるというわけです。

IPLにはメラニンや、毛細血管のヘモグロビンなど、肌トラブルの原因に作用する波長が複数含まれているため、顔全体に照射することで、さまざまな症状を同時に改善へと導きます。たとえば、しみ、そばかすの原因であるメラニンの黒い色素に作用するのは600nm~1000nmあたりの波長帯で、波長が600nmに近いほどメラニンに吸収されて強く作用するとされます。

IPL治療は異なる皮膚の深さに作用

波長が変わると目に見える色が変わる話をしましたが、色だけでなく、肌に照射した際にどこまで深く届くかの指標である、深達度も変わります。

波長が短いほど皮膚の表面に影響を与えて、波長が長いほど皮膚深くに影響します。

そのため、皮膚は、外側から表皮層、真皮層と層状になっているので、表皮層の新陳代謝であるターンオーバーの周期を整えるなら短い波長を、キメを整えるなら、皮膚の弾力に影響するコラーゲンやエラスチンなどがある、真皮層を狙える長い波長を、というように狙う深さによって波長を変える必要があります。

IPLには違う波長が複数含まれているので、皮膚のさまざまな深さにある肌悩みの原因に作用することができるといえます。

IPL治療とレーザー治療の違い

IPL治療と違ってレーザー治療で対応できる肌悩みはひとつ

IPL治療と比較されることが多い美容医療に、レーザー治療があります。レーザーも光と同じように、特定の物質に吸収される波長を照射することで、肌悩みを改善に導きます。

しかし、光が複数の波長を含むのに対して、レーザーはひとつの波長(単波長)なので、しみならしみ、赤ら顔なら赤ら顔といったように、対応する肌悩みがひとつです。マシンごとに波長が異なるので、改善したい症状に合わせてレーザーマシンを使い分けます。

レーザーの種類 波長 作用
ダイレーザー 585nm付近 ヘモグロビンの赤い色素に反応
赤アザや血管性疾患の治療
ルビーレーザー 694nm メラニン色素に反応
表在性のしみやアザを治療
アレキサンドライトレーザー 755nm メラニン色素に反応
しみやアザの治療
ダイオードレーザー 810nm~940nm メラニン色素に反応
深在性のしみやアザの治療
Nd-YAGレーザー 1064nm メラニン色素・ヘモグロビンの赤い色素に反応
表在性、深在性のしみやそばかす、赤アザの治療

IPLのマシンには、おおよそ500nm~1200nmの波長が含まれているので、ひとつのマシンでさまざまな肌悩みを改善するとされます。

IPL治療はレーザー治療よりもダウンタイムが短い

また、レーザーは同じ波長の集まりなので、直進性があって波長の山と谷が一致していますが、IPLはさまざまな波長を含むので、波長が不ぞろいです。

そのため、レーザーよりもパワーがマイルドで、IPLよりもダウンタイムが短くなる傾向にあります。

「まわりに気づかれないように、少しずつしみを改善していきたい」「人前に出る仕事なので、かさぶたを作りたくない」(IPL治療)、あるいは「かさぶたになっても一回で改善したい」(レーザー治療)などで、どちらにするかを選択するといいかもしれません。

  IPL治療 レーザー治療
特徴 しみ、赤ら顔などさまざまな症状に対応 一つの症状に対応
施術間隔 一カ月に一度を複数回 一回の場合も多い
ダウンタイム 施術直後からメイクが可能 施術部位はテープ保護の必要がある
痛み 麻酔なしの施術 麻酔が必要な場合がある

IPLによる施術は輪ゴムでパチっとはじかれたような痛みを伴いますが、多くの方が我慢できる程度とされていて麻酔も必要ありません。レーザー治療と比べると効果は穏やかで、施術後の赤みなども少ないことから「痛みに弱い」「ダウンタイムが取れない」といった方も安心して受けることができるといえます。

IPL(光)治療による肌悩みの改善効果

メラニンを破壊

IPLには、紫外線や摩擦が原因で発生したメラニン(黒い色素)に反応する波長が含まれています。そのため、しみやそばかすといった肌悩みに照射することで、メラニンが破壊されて改善に導きます。照射後は、しみが上層に移動してマイクロクラストといわれる薄いかさぶたのようになって、1週間~2週間程度で剥がれます。

改善できる肌悩み

表皮付近にある浅いしみ・そばかす・肝斑・薄い色素沈着・ニキビ跡

赤ら顔といった赤み(ヘモグロビン)を改善

赤ら顔といわれる顔の赤みは、皮膚下にある毛細血管が拡張し、皮膚から透けて見えることで現れます。赤い色素に反応する波長を照射することによって、毛細血管を収縮させて、肌の赤みを改善に導きます。

改善できる肌悩み

赤ら顔・赤みのあるニキビ

熱エネルギーによる殺菌効果

IPLを照射した際に発生する熱エネルギーには、ニキビの原因菌であるアクネ菌を殺菌する作用が期待できるため、炎症したニキビの改善や再発防止効果が期待できます。

改善できる肌悩み

炎症性のニキビ・ニキビ予防

線維芽細胞を刺激して肌質を改善

IPLを照射することで真皮層にある線維芽細胞が刺激され、肌の弾力を担うコラーゲンやエラスチンの生成を促進してくれます。肌細胞が活性化することで、真皮層の上層にある表皮層のターンオーバーの周期の乱れやハリ感が回復し、くすみの改善やキメの整った美肌に近づくことができます。

改善できる肌悩み

ハリ不足・くすみ・開き毛穴・クマ

IPL(光)治療が向いている方

  • しみ、そばかすをなくしたい
  • くすみが気になる
  • 小ジワができてしまった
  • 毛穴の開きが気になる
  • 赤ら顔を治したい
  • ニキビを治したい
  • ニキビ跡を治したい
  • ハリが不足して、たるみが気になる

IPL(光)治療ができるおもなマシン

IPL治療を受けているイメージ画像

IPL治療に使われる波長は、おおよそ500nm~1200nmですが、マシンによっても異なります。これは、不要な波長をカットするフィルターがマシンごとに異なるためです。また、複数のフィルターを切り替えることにより、さまざまな治療を1台でおこなえるマシンもあります。

フォトフェイシャル(500nm~1200nm)

IPLのパイオニアであるルミナス社のマシン。しみやソバカス、小ジワなど総合的な治療により肌改善を目指せます。

IPL(光)治療=フォトフェイシャルは誤解

IPL(光)治療と検索すると「フォトフェイシャル」というワードが多数、出てきますが「フォトフェイシャル」はIPL(光)治療を指す施術名ではなくて、LUMENIS(ルミナス)社製の医療機器(IPLマシン)のことを指しています。商標登録もされ、その施術は医療行為にあたることから、美容皮膚科や美容クリニックなど医療機関以外では取り扱うことができません。

エステサロンなどで導入している「フォトフェイシャルエステ」や「光エステ」などの類似マシンは、出力が異なるので期待できる効果も変わってきます。

フォトフェイシャルM22

ルミナス社製マシン、フォトフェイシャルの改良型マシン。従来のマシンと比べて、6種の波長からなるこのマシンは皮膚を充分に冷やしてから照射するクーリング機能がついていることによって、痛みが最小限に抑えられるといわれています。

フォトフェイシャルアクネス(410nm~600nm)

特殊な高輝度金属ハロゲンランプを光源としていて、ニキビの原因菌といわれるアクネ菌を死滅させることにより、ニキビのできにくい肌へと導きます。炎症性の赤ニキビやコメド、オイリースキンへの改善に期待がもてるマシンです。

セレック(420nm~800nm)

韓国最大規模の光フェイシャルメーカーが開発したIPLです。1台で8種類の波長が選べるため、あらゆる肌トラブルに対応可能なマシンといわれています。

フォトシルクプラス(500nm~950nm)

イタリアDEKA社のマシン。ほかのIPLと比べてメラニン色素の分解能力が高く、しみ、肝斑を薄くするだけでなく肌のハリなど総合的に肌質を改善するといわれています。

ライムライト(520nm~1100nm)

米国キュテラ社による日本人向けに開発されたマシン。従来のIPLと比べて痛みが少ないことが特長で、治療が難しいとされていた濃いくすみや肝斑でも改善可能といわれているマシンです。

アイコン(500nm~670nm・800nm~1200nm)

米国サイノシュアー社のマシン。治療目的に応じてさまざまなハンドピースを選択できるため、幅広い肌トラブルへの対応が可能といわれています。高性能なクーリング機能により、冷却ジェルが不要です。

エリプスI2PL(555nm~950nm)

デンマーク、エリプス社のマシン。ディアルモードフィルターにより、肌にダメージを与える波長をカットすることで安全性の高い治療が可能といわれています。

サイトンBBL(410nm~1400nm)

米国医療機器メーカー、サイトン社のマシン。ブロードバンドライトといわれる光で、ほかのマシンよりも長い波長まで照射することができます。細かな波長の設定が可能なことから、従来のIPLでは治療が難しいとされる、比較的に濃いしみにも作用するといわれるマシンです。

IPL(光)治療のリスクや副作用など知っておくべきこと

診察を受けている女性のイメージ

IPL治療は複数回の施術で効果を実感

痛みに敏感だったり、肌の状態で出力パワーを弱くする必要があるなど、それぞれの施術によって細かく調整しながらおこなわれます。そのため、1回の施術で効果があらわれる方もいれば、複数回おこなうことで効果を実感される方もいます。基本的には4回~5回程度の施術回数で、肌悩みが改善されるとされます。

IPL治療におけるリスクや副作用とダウンタイム

赤みとヒリヒリ感

しみとしみのまわりが赤くなったり、ヒリヒリ感が生じる場合がありますが、長くても数日で落ち着きます。

ヒリヒリ感が強い場合は、保冷剤などで冷やすと症状が落ち着きます。数日たってもおさまらない場合は、炎症を抑える軟膏やステロイドクリームなどを処方してくれる医療機関もあります。

火傷

IPLはレーザーに比べてマイルドなエネルギー照射ではありますが、日焼けしている肌など皮膚の状態によっては、熱作用で軽いやけどになることがあります。もし、施術後に水ぶくれができた場合などは、医療機関にご相談ください。また肝斑に対し、不適切な出力で照射をおこなったために、肝斑が悪化した症例も報告されているといわれています。

しみが濃く見える

照射後おおよそ3日目をピークに、マイクロクラストといわれる、うすいかさぶたのようになる場合があります。これは、IPLを照射したしみのメラニンが、皮膚の上層に移動してくるためです。その後、皮膚の新陳代謝であるターンオーバーによって、洗顔などの日常生活のなかで、1週間ほどで剥がれ落ちていきます。

気になるかもしれませんが、マイクロクラストは自然に剥がれ落ちるので、無理にはがさないようにしてください。また、1週間程度は、スクラブ洗顔やピーリングなど皮膚に刺激がかかるスキンケアは避けてください。

レーザー治療より炎症後色素沈着の可能性が低い

一般的にレーザー治療では、しみの原因となっているメラニン色素を熱作用で破壊する際に、まわりの皮膚にもダメージを与えて、かさぶたになるとされます。

一方IPLは、レーザーよりもパワーが小さいので、まわりの皮膚に与える影響が少なく、炎症後色素沈着のリスクが低いとされます。

IPL治療のアフターケア

IPL照射直後の肌は紫外線や乾燥に敏感になっています。保護テープの必要はありませんが、日焼け止めクリームなどでケアし、いつも以上に十分な保湿をおこなってください。

IPL治療が受けられない方

バツ印をつくる女性―のイメージ

  • 妊娠中、授乳中の方
  • 極度の日焼けをしている方
  • てんかん発作の既往歴のある方

以上の方は施術を受けることができません。

IPL(光)治療と相性の良い美容メニュー

IPL治療と併用したい美肌施術

ピーリング

ピーリングはIPL治療とも相性の良い施術です。薬剤を塗ることで毛穴につまった皮脂や古い角質を除去します。IPL治療の前にピーリングで余分な角質を取り除くことで、IPLの波長が肌の内部により届きやすくなって、治療効果がより高いものになるといわれています。

ハイドラフェイシャル

古い角質や毛穴の余分な皮脂を除去することができるピーリングマシンです。薬剤を塗るピーリングは、薬剤が肌に合わなかったり、古い角質が除去されることで乾燥や肌荒れを起こしてしまう場合もありますが、ハイドラフェイシャルは刺激が最小限で、角質や汚れを取り除くだけでなく、保湿も同時におこなわれます。

イオン導入

マシンをつかって肌に微弱な電流を流しながら、美容の有効成分を皮膚深くまで浸透させていく美容医療です。IPL治療後におこなうことで、施術後の肌回復をサポートします。

IPL治療と併用したい美容点滴 美容注射

高濃度ビタミン点滴 美白・抗酸化作用・肌コラーゲン生成補助など
美白点滴(グルタチオン点滴) 美白・肝機能改善・解毒作用など

IPL治療と併用したい内服薬

シナール しみやソバカス、かぶれによる色素沈着の緩和など
トラネキサム酸 肝斑改善・しみ抗炎症作用など
ユベラ 血流改善・冷え性改善など
飲む日焼け止め(サプリメント) 抗酸化作用など

IPL治療と併用したい外用薬

トラネキサム酸ローション 肝斑改善・保湿作用・美白など
ハイドロキノンクリーム メラノサイト(メラニン色素を作り出す細胞)減少・メラニン色素産生抑制など

IPL(光)治療を受ける医療機関の選び方

肌の不調を確認しているイメージの女性

IPL治療は肌への負担が少なく、一度の照射により複合的な肌悩みにアプローチすることができるといわれていますが、しみの誤診などで悪化を招いてしまうこともあります。また火傷のリスクがないとはいいきれません。肌悩みや肌の状態をしっかり診察するために、カウンセリングの時間を大事にしてくれる医療機関だと安心かもしれません。

また、細かいしみなどは1回の照射で改善することもありますが、施術を重ねることでより高い効果を得られます。定期的に施術をおこなうことで肌質が改善されて、トラブルの少ない肌を目指すことができます。そのため、アフターケアまで指導してくれる医療機関を選ぶと良いでしょう。

IPL治療のマシンは医療行為であり、医療資格保持者のみ使用が許可されるマシンです。類似するマシンを使用しているエステサロンもありますが、エステスタッフが施術可能なエステ機器や、家庭用マシンとでは光エネルギーの出力に大きな差があります。安全かつ的確でありながらIPLのパワーを最大限に生かして、IPL治療と併用できるメニューもある医療機関で、ドクター診察のもと、肌トラブルの改善を目指してください。