鈴木芳郎医師のいる医療機関
ドクタースパ・クリニック
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引っ掛かりのある特殊な糸(スレッド)を皮膚の下に挿入して顔や首元のたるみを引き上げる施術方法は「スレッドリフト(糸リフト)」といわれて複数の種類があり、そのひとつにシルエットソフトがあります。
スレッドリフトで使われる糸には、溶けるタイプと溶けないタイプの糸がありますが、シルエットソフトは溶けるタイプの糸を使うスレッドリフトのなかで、高いリフトアップ効果が期待できます。
ただし、理想とする仕上がりのために別の施術の併用が必要となるケースもあります。後悔のない施術とするためには、シルエットソフトによる施術効果の特徴と、別の施術と併用することによって得られる効果を知っておく必要があります。
シルエットソフト(SHIHOUETTE SOFT)は、英国の医療機器メーカーによって開発された製品で、挿入した直後からリフトアップ効果を実感できるとされます。効果には個人差がありますが、頬を手の平で持ち上げた時のように、ほうれい線やマリオネットラインが薄くなって、若々しい印象に導きます。
2012年からつかわれているシルエットソフトは、糸についているバイオコーンといわれる立体的なコーンの形状や、自然にふっくらと立体的なリフトアップが目指せることから、「3Dリフト」ともいわれます。バイオコーンが、糸の周囲360度の皮下組織にしっかり引っ掛かって、すくいあげるように支えることで、ほうれい線やマリオネットラインといった深いたるみにおいて高いリフトアップの効果が期待できます。
また、糸を挿入したあとは創傷治癒の作用で、糸のまわりでコラーゲンの生成が促進されるため、シルエットソフトによる施術では、皮膚組織を引き上げることと肌にハリが出る効果が期待できます。
シルエットソフトは、糸とバイオコーンで引き上げられた皮膚組織の傷を治そうとする創傷治癒の働きで、肌のハリや弾力の元であるコラーゲンの生成が促されます。糸とバイオコーンが体内に吸収される過程で生成されたコラーゲンによって、糸による物理的な皮膚の引き上げ効果のほかに、ハリのある肌質がたもたれる傾向にあります。
スレッドリフト(糸リフト)に使われている糸には、溶けない糸とシルエットソフトのように溶ける糸があります。 溶けない糸はプラスチック素材のひとつであるポリプロピレンでできていることがほとんどで、溶ける糸と比べると効果の持続が長期にわたりますが、体内に糸が残ることに抵抗を感じる方もいます。
溶ける糸のほとんどは半年ほどで体内に吸収されるPDO(ポリジオキサノン)でできていますが、シルエットソフトのバイオコーンの主成分は「ポリ-L-ラクチド-co-グリコリド(PLGA)」、糸の主成分は「ポリ-L-乳酸(PLLA)」です。それぞれPDOより長く体内に残り、バイオコーンは8カ月〜10カ月ほど、糸は18カ月ほどかけて体内に吸収されていきます。
多くの場合、一度の施術で左右の頬に4本~8本つかわれますが、リフトアップ効果は糸の本数が多いほど強くなり、長く持続する傾向にあります。シルエットソフトの施術効果は18カ月といわれていて、たるみの引き上げ効果を維持していくには1年に1回~2回程度、追加で挿入していくことが推奨されています。
シルエットソフトのバイオコーンの主成分PLGAと糸の主成分PLLAは、いずれも体内で異物反応が起こらないため生体適合性が高いとされ、医療分野でも整形外科手術でつかわれる医療器具や、骨折時に用いるネジなどに活用されています。体内で炭酸ガスや水・ブドウ糖・乳酸といった物質に代謝されていくので、異物として残る心配がありません。
シルエットソフトの糸は、日本の厚生労働省にあたるFDA(米国食品医薬品局)の認証を得ているほか、EU(欧州連合)の安全基準を満たすことを示す「CEマーク」の認証を取得し、安全性を認められています。
スレッドリフト(糸リフト)で使われる糸の形状は、シルエットソフトの糸のようにバイオコーンがついているもののほかに、トゲのような突起がついたコグタイプがありますが、バイオコーンは360度全方位の皮下組織に引っ掛かり引き上げる特徴があります。
また、バイオコーンは糸から外れることがないため、コグタイプのようにコグが取れて糸が裂けてしまう「バナナピール現象」によって、引き上げる力が失われるリスクがありません。
トゲのような突起で皮膚組織を持ち上げるコグタイプのスレッドリフトでは、表情を変えるときに周囲の神経がトゲに刺激されて、チクチクとした痛みや不自然さを感じることがあります。
一方、シルエットソフトのコーン型の突起であるバイオコーンは表面が滑らかであるため、痛みを感じることは少ないといわれています。
また、シルエットソフトにはバイオコーンの数によって3種類あり、バイオコーンが8個のものは0.5㎝間隔、12個のものと16個のものは0.8㎝間隔で結び目があって、バイオコーンが結び目と結び目の間を移動できるようになっています。バイオコーンが移動することで、表情を変えても神経が刺激されることが軽減されています。
シルエットソフトの糸を針で方向に挿入します。それにより中心で向かい合うように複数ついているバイオコーンが、それぞれの方向で皮膚組織に引っ掛かって、糸が中心に戻ろうとすることでボリュームがある立体的な仕上がりになります。
施術の前に、注射による局所麻酔をおこないますので、痛みは感じにくくなっていますが、局所麻酔の注射針の痛みに不安がある方は、ジェルやシート状の表面麻酔もつかう医療機関や、寝ている間に施術が終わる静脈注射をおこなう医療機関もありますので、施術を受ける医療機関にご相談ください。
万が一仕上がりに満足できなかった場合などは、抜糸をすることで元に戻すことになります。
施術後2日~3日は麻酔による腫れやむくみが出て、鈍い痛みや違和感があります。また大きく口をあけると引きつれ感が出ることがありますが1カ月程度でおさまります。
感染を起こした場合は抜糸をおこないます。そのほかの異常が出た場合、施術後数日で落ち着くことがほとんどですが、症状が続く場合はドクターにご相談ください。
シルエットソフトは厚生労働省未承認の医療材料を使用した治療です |
医薬品の入手経路:入手経路は各医療機関のドクターによるメーカーからの個人輸入です。 個人輸入において注意すべき医薬品等について(厚生労働省のページ) |
日本国内での承認の有無:シルエットソフトと同一の成分・作用があり、日本国内で承認を受けているものはありません。 |
諸外国における安全性等に関する情報:シルエットソフトで使用されている成分はアメリカ・FDA、ヨーロッパ・CEマークの認証を取得しています。報告されている副作用としては、施術部位の腫れ・浮腫み・発赤・痒み・疼痛・内出血などが挙げられます。 |
(1)カウンセリング
糸を入れる本数を決めて挿入箇所のマーキングをして治療後のイメージのすり合わせをおこないます。不安なことはドクターに相談し、施術内容に納得できたら同意書にサインします。
(2)麻酔
メイクを落とした状態で注射による局所麻酔をおこないます。
(3)皮膚に糸を挿入するエントリーホールを開ける
針を皮膚に挿入して、深さ5mmのピアスホールと同じくらいの(約1mm)エントリーホールといわれる穴をあけます。エントリーホールは、糸を皮膚に挿入する支点となります。
(4)糸を2方向に挿入する
エントリーホールから、針で糸の半分を一方向に向かって挿入。そのあともう半分の糸を、同じエントリーホールから逆方向に向かって挿入します。
(5)中心に向かって糸を引き戻す
糸の中心を支点として針を両端から引き抜きます。バイオコーンにより皮膚組織が引き上げられ、立体的なたるみの改善が期待できます。
(6)形を整えて終了
挿入が終わると、ドクターが皮膚を軽く指で圧迫して左右対称に輪郭をなめらかに整えて糸の端を切り、糸が完全に皮膚内に収まった状態にして終了になります。 挿入する糸の本数にもよりますが、施術時間は30分前後です。カウンセリングを含めても1時間程度で完了するとされます。 副作用を避けて、理想のリフトアップ効果を早く実感するために、施術後の期間にあわせて以下のようなことに気をつけてください。
施術当日は炎症を抑えるために、できるだけ保冷剤を患部にあてて冷やしてください。施術当日はメイクや洗髪を控え、頭痛やピリピリした痛みが気になるようならドクターの指示に従って鎮痛剤を服用します。通常は痛みがあっても、2日~3日でおさまります。
シャワーや洗顔は当日から可能です。
洗顔や髭剃りなどは、皮膚を刺激しないように優しくおこなうよう心がけてください。マッサージをおこなうと糸の定着が乱れるので逆効果です。
切開手術と違って抜糸が必要ないため、基本的に通院は必要ありません。ただし異常がないか確かめるため、1週間から1カ月経過後に受診をうながす医療機関もありますので、ドクターの指示に従ってください。
シルエットソフトは厚生労働省未承認の医療材料を使用した治療で、自由診療となり医療機関によって料金が異なります。料金は、1本あたり40,000円~100,000円程度です。頬のたるみを改善したい場合、片頬4本~8本を挿入するのが一般的です。
シルエットソフトの糸には、コーンの数が8個、12個、16個と3つの種類がありコーンの数が多いほど引き上げる力が強くなって高額になる傾向にあります。
シルエットソフトは、ほかのスレッドリフト(糸リフト)や、脂肪溶解注射・ヒアルロン酸注入といった注射によるたるみ治療との併用が可能です。
例えば、脂肪によるたるみが気になる場合は脂肪吸引や脂肪溶解注射も併用してフェイスラインをすっきりさせることがあります。
また、加齢により骨が痩せて脂肪量が減るなどボリュームがなくなったことによるたるみには、シルエットソフトで立体的に仕上げるとともに、ボリュームを補うヒアルロン酸注入を併用することがあります。また、シルエットソフトで広範囲のたるみを改善して、細かなシワがある部位にヒアルロン酸を注入することで全体的な肌質の改善を目指す方法もあります。
たるみを改善する方法は、スレッドリフトだけではありません。また複数のスレッドリフトによる施術を組み合わせることで相乗効果が期待できることもあります。
施術を受ける際には、シルエットソフトと併用できる施術メニューがあり、たるみ治療の症例数が多いなど施術経験が豊富なドクターが在籍する医療機関を選ぶと安心です。
記事監修の鈴木芳郎先生に、シルエットソフトについて教えていただきました。
監修医師の紹介
ドクタースパ・クリニック院長であり、中顔面の若返り手術であるケーブルスーチャー法を日本で初めておこなったドクターとして注目されている鈴木芳郎医師。フェイスリフトをはじめとする若返り手術を得意とし、トータルアンチエイジングを追及するほか、眼の形成外科、鼻の形成外科においても豊富な実績・経験があり、患者の目線に立ち安心の手術をモットーに美容医療を牽引する。
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