繰り返されるニキビの原因を知って選択するニキビの予防法と治療法

ニキビを気にする女性

入念なスキンケアを心がけているにもかかわらず慢性化してしまうニキビは、一度できると治りづらい肌トラブルのひとつです。悩まれる方が多いニキビですが、正しい対処方法はあまり知られていないようです。

ニキビはあまりにも身近な皮膚病であることから、医療機関で受診をせず自己判断による誤ったケアで悪化し、深刻なニキビ跡となってしまうケースも少なくありません。ニキビの原因やメカニズムを理解し、自分にあったニキビを治す方法を見つけましょう。

ニキビは皮膚病の一種

指差しポーズをする女性の看護師

ニキビとは尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)という皮膚病の一種で、過剰な皮脂分泌により毛穴が詰まり、ターンオーバーが乱れることで炎症を引き起こしている状態です。皮脂分泌が活発な10代(思春期)をピークに、長いと中年期まで続きます。

一度できるとなかなか治らないうえに、何度も繰り返す厄介な肌トラブルなので、正しいケアや治療法を選択してしっかり治すことが重要です。

4つあるニキビの進行ステージ

ニキビは以下の4ステージを経て、痛みや炎症のあるものにまで悪化していきます。

ステージ1:白ニキビ(初期ニキビ)

毛穴に皮脂がたまって白くポツポツとしたニキビが現れます。これはコメド(面皰:めんぽう)といい、まだ炎症は起こしていません。手で触れるなどの刺激を与えないようにしましょう。

ステージ2:黒ニキビ(酸化ニキビ)

毛穴が開いて詰まった皮脂が空気に触れることにより、黒く酸化した状態です。炎症はまだ起きていませんが、早めにケアをすることが大切です。

ステージ3:赤ニキビ(中期ニキビ)

皮脂をエサにするアクネ菌が毛穴の中で増殖し、赤く炎症を起こした状態です。腫れや痛みを感じることもあり、それによって毛穴が盛り上がった状態を丘疹(きゅうしん)といいます。この段階で治療を怠ると、ニキビ跡として残ってしまうこともあります。

ステージ4:黄ニキビ(末期ニキビ)

赤ニキビが進行し、中に膿がたまった状態です。毛穴周囲の皮膚組織まで炎症が及んでいるため、治癒後の肌は陥没したようなニキビ跡(クレーター)や色素沈着が残ることもあります。ニキビ跡を残さなくてすむように、黄ニキビになる前に治療をおこないましょう。

ニキビの原因は過剰な皮脂分泌による毛穴の詰まり

ニキビができるメカニズムのイラスト

肌は本来、細胞分裂によって毎日新しい皮膚を生み出し、古い皮膚を垢として排出する「ターンオーバー」を繰り返しながら肌の健康を保っています。肌のターンオーバーが乱れて毛穴に皮脂が詰まり、そこに皮脂をエサとするアクネ菌が増殖することがニキビの原因といわれています。

本来悪者ではない皮脂とアクネ菌

皮脂の過剰分泌とアクネ菌の増殖はニキビを生みだすとされていますが、本来はどちらとも悪者ではありません。

皮脂の役目は外界刺激や乾燥を防ぐこと

皮脂をつくる皮脂腺は、体毛のない手のひらと足の裏を除いた全身にあります。皮脂は外界からの刺激や肌の乾燥を防いでおり、適切な分泌量であれば、髪や肌をなめらかにし、悪影響を及ぼすものではありません。

しかし、過剰に分泌されてしまうと、皮脂をエサとするアクネ菌が繁殖してニキビのような肌トラブルが起こり、逆に少ないと乾燥を招きアトピー性皮膚炎などを引き起こす可能性があります。

アクネ菌の役目は細菌の増殖を抑えること

毛穴や皮脂腺に存在するアクネ菌は、プロピオニバクテリウム・アクネスといわれ、ニキビがない健康な肌にも必ず存在する皮膚常在菌です。

アクネ菌は、酸素がなくても生きていける通性嫌気性菌(つうせいけんきせいきん)という細菌で、空気を好みません。そのため、毛穴が角栓で詰まり、空気に触れない環境になると過剰に増殖し、炎症を引き起こすとされます。

皮脂が過剰に分泌されることで毛穴に皮脂がたまり、皮脂をエサとするアクネ菌が増殖し「リパーゼ」という酵素を産生します。このリパーゼによって皮脂から作られた脂肪酸が炎症を引き起こすといわれています。

しかし、アクネ菌は通常であればニキビの原因そのものではなく、むしろ代謝産物であるプロピオン酸や脂肪酸によって皮膚の表面を弱酸性に保ち、有害な菌や刺激から肌を守る働きがあるとされています。

年齢によって違う皮脂分泌が活発になる理由

ニキビを気にする10代女子

10代にできる「思春期ニキビ」と、大人になって現れる「大人ニキビ」は症状は同じですが、皮脂分泌が過剰になる原因やできやすい部位が異なります。

思春期ニキビはホルモンバランスの変化で皮脂分泌が活発化

思春期は成長期におけるホルモンバランスの変化があり、それによって皮脂が過剰に分泌されます。一生の中で、皮脂を作り出す皮脂腺が最も発達する時期は思春期です。

しかし、毛穴の汚れが気になるからと毛穴パックや過度なクレンジングをおこなうと、必要以上に皮脂が奪われ肌の乾燥を招くといわれています。乾燥することでさらに皮脂分泌は活性化するので注意が必要です。

思春期ニキビができやすい部位

皮脂の分泌が多いTゾーン(おでこ・鼻周り)によく現れます。顔以外にも背中や胸などの汗をかきやすい部位に発症することもあります。

大人ニキビはターンオーバーの乱れで皮脂分泌が活発化

大人ニキビとは一般的に20歳を過ぎてからできるニキビで、吹き出ものともいわれます。思春期ニキビとは違い、ストレスや睡眠不足、偏った食生活や間違ったスキンケアなどのさまざまな原因が重なることにより発症するといわれます。ホルモンバランスが崩れたり免疫力が低下して肌のバリア機能が弱くなることで、ターンオーバーが乱れ角質がたまり、毛穴が詰まりやすくなるのです。

大人ニキビのできる部位

大人ニキビはフェイスラインや首などの比較的皮脂腺の少ない部位にできやすいことが特徴です。とくに頬からあごにかけてのUゾーンと呼ばれる部位にできるニキビは、ホルモンバランスや食生活以外に、髪の毛や整髪料などによる外的刺激が要因であることも考えられます。

皮脂分泌が過剰になる主な5つの習慣

睡眠中の女性

食生活や生活習慣など、過剰な皮脂分泌を引き起こす原因はさまざまです。

皮脂が過剰に分泌される肌環境を改善し、ニキビを完治させなければニキビは繰り返し同じ場所にできてしまいます。

ここではニキビができやすい主な5つの習慣について説明します。

①間違ったスキンケアや不十分な保湿

肌が清潔に保たれていない、十分な保湿ができていないなど、間違えたスキンケアがニキビを引き起こす代表的な原因です。

肌は乾燥すると、水分の蒸発を防ぎ、皮膚表面を守ろうとし皮脂分泌が過剰になるため、アクネ菌が増殖しやすい状態になります。他にも、肌が乾燥するとターンオーバーが乱れることで古い角質がたまり、毛穴が詰まりやすくなります。

また、洗顔のすすぎ残しやメイクを落とさず寝てしまうなど、不衛生な状態の肌は、菌の増殖を促してしまい、ニキビを発生させてしまうので要注意です。

②睡眠不足などの生活ストレス

睡眠不足や仕事などの生活ストレスによってもニキビができやすくなります。人間の体はストレスを感じると肌の免疫力が低下したり、また、男性ホルモンが増えることで皮脂分泌が過剰になったりと、ニキビの出来やすい状態になるのです。

睡眠中は生体の構築や修復をおこなう成長ホルモンが分泌されます。肌代謝力や修復力をあげるためにも質の良い睡眠を心がけましょう。

③偏った食生活や過度なダイエット

インスタント食品やファストフードなど嗜好品を摂りすぎてしまうと、皮脂分泌が増加しニキビ発症につながるといわれています。脂肪や糖を過剰に摂ると、肌を健やかに保つ役割を担う体内のビタミンB群が大量に消費されてしまい、美肌を保つ成分が不足してしまうからです。

また、過度なダイエットによる栄養不足もターンオーバーを乱し、ニキビを引き起こす原因となります。偏った食生活を改善し、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。

④ホルモンバランスの乱れ

思春期や生理前にできやすいニキビは、どちらもホルモンバランスが影響しています。思春期ニキビは成長期によるホルモンバランスの変化によって発症するとされ、生理前にニキビができるのは女性ホルモンのひとつである「黄体ホルモン」が増えることにより、皮脂分泌が促されることが原因です。

仕事や睡眠不足などで、ストレスをためてしまうことでもホルモンバランスが乱れてしまうので、生理中だけでなく、日頃からリラックスできる時間や習慣が必要といえます。

⑤紫外線や大気汚染による外的刺激

紫外線や花粉などの大気汚染が刺激となってニキビが発症する場合があります。

特に紫外線には要注意です。紫外線によって肌の保水力が失われると乾燥が進み、ターンオーバーが乱れ余分な角質がたまることで、コメドが大量に発生することもあります。また、紫外線で酸化した皮脂が刺激となり、ニキビの原因になるともいわれています。

すでにできてしまったニキビも紫外線を浴びることで炎症が進むので、日頃から充分な紫外線ケアが大切です。

日頃の心がけでニキビを予防

ニキビのないなめらかな肌を手に入れるためには、規則正しいターンオーバーと正常な皮脂バランスを保つことが重要です。

思春期ニキビも大人ニキビもニキビができる主な原因は「過剰な皮脂分泌」にあります。正しいスキンケアや質の良い睡眠、バランスのとれた食生活を心がけましょう。また、枕や布団などの寝具を清潔に保つことも有効です。

美容医療によるニキビの予防法と治療法

赤ニキビや黄ニキビに進行すると、日頃の習慣を見直しても症状が治まることは難しいとされています。また、炎症前の白ニキやビ黒ニキビもそのま放置することで症状が悪化してしまいます。

ニキビは皮膚病の一種なので、症状によっては保険が適用される治療法もあります。「症状がひどくなる」「何度も繰り返しニキビができる」といった場合は自己判断をせず、早めに医療機関に相談することが大切です。

また、肌環境を整える治療はニキビの予防につながるといえます。

「注射」によるニキビ治療

点滴をセットする女性看護師

プラセンタ注射

哺乳類の胎盤から抽出された栄養素を、皮下もしくは筋肉注射として注入します。プラセンタエキスにはアミノ酸、ビタミン、細胞の新陳代謝を促す成長因子などのニキビ改善に有効な成分を豊富に含んでいます。ニキビはもちろん、美肌効果と疲労回復効果、免疫力の向上などにも効果を発揮するので、肌本来の機能を高めながらニキビを治療することができますといえます。

ニキビ点滴

クリニックによって配合されている成分は違いますが、コラーゲンの生成を高め、肌環境を整えるビタミンC、肌の再生作用があるビタミンB群が主成分の点滴です。サプリメントや食事からではなかな吸収されないビタミンですが、血管に直接届けることで数十倍の効果を発揮するといわれています。

高濃度ビタミンC点滴

大量のビタミンCを点滴することで血中のビタミン濃度を急激に上昇させます。ビタミンCにはコラーゲン生成を促し皮膚を健やかに整える効果や、皮脂の酸化を抑える抗酸化作用があるので、ニキビの改善によく用いられる成分です。外用薬と違い、血液中にビタミンCを浸透させるので、顔だけでなく背中や胸など広範囲のニキビにアプローチすることができるといえます。

「肌質改善」によるニキビ治療

施術を受ける女性

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングはグリコール酸、サリチル酸、乳酸のいずれか1種類の薬剤を肌に塗布し、毛穴につまった皮脂や古い角質を除去し、乱れた肌のターンオーバーをリセットする治療です。思春期ニキビ、大人ニキビとも有効な治療で、ニキビができにくい肌質へと変えていきます。

ミルクピール

ミルクピールはケミカルピーリングで使用されている3種類の薬剤を全てバランスよく配合した薬剤を使用するピーリング法です。リスクを最小限に抑えながら各薬剤のメリットを発揮させることができるので、ケミカルピーリングよりも複合的に作用するといわれています。

イオン導入

微弱な電流を皮膚に流しながら有効成分を浸透させる治療法です。ニキビ治療として使用される美容薬剤には、肌状態を整える「ビタミンC」や、肌荒れや乾燥を防ぐ「トラネキサム酸」などがあります。ケミカルピーリングやミルクピールなどの角質除去治療と併用すると、さらなる効果に期待ができます。

「マシン・器具」を使用したニキビ治療

トレイに並んだ医療器具

コメド(面皰)圧出法

専用器具で毛穴につまったコメドや膿を取り出す治療法です。コメド圧出専用器具として市販されているものもありますが、自己流で行うと雑菌が入り込み、ニキビが悪化してしまう可能性もあるので、必ず皮膚科の専門医の診察のもとでおこないましょう。

クロモライト

強力な殺菌効果のある活性酸素を生成する「パルスライト」という光エネルギーを患部に照射し、ニキビの原因であるアクネ菌を殺菌、さらに肌のターンオーバーを活性化させることで健康的な肌に導くというメカニズムです。重度のニキビやニキビ跡にも有効な治療です。

クリアタッチ

光と熱によって悪化したニキビや赤みのあるニキビ跡を改善する治療法で、全身のニキビにアプローチすることができます。

赤みのあるニキビやニキビ跡の炎症を抑え、アクネ菌を殺菌することでニキビを改善に導きます。また、過剰になった皮脂分泌を抑え、ニキビが再発するのを防いでくれます。

LED光治療

高輝度LED(発光ダイオード)の光を当てることで肌細胞を活性化させ、ニキビの修復に欠かせないコラーゲンの生成を促す治療法です。

光治療(IPL)

光治療とは、光エネルギーを広範囲に照射することによって、さまざまな肌悩みを解消する治療法です。アクネ菌を殺菌して皮脂の分泌を抑える効果があるので、ニキビの発生を抑えることもできます。

オーロラ

光治療と同様の効果を持つ光エネルギーに、高周波がプラスされたマシンです。高周波には真皮のコラーゲン生成を促したり肌の新陳代謝を高めたりする効果があるため、肌の保水力アップや毛穴の開きを改善してくれます。

Qスイッチヤグレーザー

一般的には肝斑やシミ治療として知られていますが、ニキビ跡やクレーター肌の治療にも効果を発揮するといわれています。

「ロングパルス」という長い波長のレーザーによって肌の深部(真皮層)まで熱が伝わり、ニキビの原因であるアクネ菌を殺菌し、皮膚の再生に必要なコラーゲンの生成を促します。

「内服薬」によるニキビ治療

サプリメントを飲もうとしている女性

ロアキュテイン(内服薬)

ロアキュテインはFDA(米国食品医薬品局)承認の重症ニキビ治療のための内服薬です。ニキビの原因であるアクネ菌に対し、抗菌作用・抗炎症作用の効果や過剰な皮脂分泌を抑制する効果があります。非常に強い効果があるといわれていますが、それゆえ副作用も多く自己判断での服用は危険です。必ず医師の診察のもと、用量用法を厳守し服用することが大切です。

低用量ピル

女性ホルモンのバランスをコントロールすることで過剰な皮脂分泌を抑え、生理前の肌荒れやニキビができにくい肌質へ変えていく内服薬です。長期に渡って毎日同じ時間帯に飲み続ける必要があります。

「外用薬」によるニキビ治療

外用薬の容器イメージ写真

過酸化ベンゾイル

毛穴のつまりを改善し、ニキビの原因菌であるアクネ菌の増殖を抑制する処方薬です。

アダパレン

ニキビの原因となる毛穴のつまりを防ぎ、コメド(面皰)を抑制する処方薬です。

エピデュオゲル

過酸化ベンゾイルとアダパレンの効果がひとつに配合されたニキビ治療薬です。効果が高い反面、赤みや皮むけなどの副作用がでやすいといわれています。医師の診察のもと、必ず用量用法を守って使用することが大切です。

ニキビにお悩みなら美容医療

レモンを眺める女性

ニキビは皮膚病の一種です。医療機関での治療は決して大げさではありません。しかし一般皮膚科でおこなう保険診療では治療費用を抑えることはできますが、使用される薬剤や施術に制限があるといえます。

一方、美容医療でのニキビ治療はニキビを治療するだけではなく、美容の観点を取り入れた幅広い治療と施術がおこなわれ、今あるニキビはもちろん、ニキビのできにくいなめらかな肌へと、アプローチすることができるでしょう。